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「America's Most Admired Companies(AMAC)」

(2001年2月28日(水)更新)


早いもので、フォーチュン誌が恒例の"America's Most Admired Companies(米国で最も賞賛される企業)"を発表しました。昨年に続いて(2月22日付け『今日の話題』)、今回は賞賛企業トップ10のお話をしたいと思います。

先ず、賞賛企業を選んだ評価項目は次の8つです(括弧内はそれぞれの項目でトップの企業)。つまり、革新性(Enron)、経営の質(Omnicom Group)、従業員の能力(Omnicom Group)、財務の健全性(Exxon Mobil)、資産の利用(Citigroup)、長期的投資価値(Citigroup)、社会的責任(Du Pont)、製品・サービスの質(Yoyota Motor Sales USA)です。

フォーチュン誌では61業種に分けて業種別トップ10も発表していますが、ここでは全産業のトップ10を示しましょう。


The Top 10 of AMAC
順位社名
1General Electric
2Cisco Systems
3Wal-Mart Stores
4Southwest Airlines
5Microsoft
6Home Depo
7Berkshire Hathaway
8Charles Schwab
9Intel
10Dell Computer



上記のトップ10をみると、IT関連企業以外に流通業が2社、航空会社、証券会社、保険会社がそれぞれ1社、合計5社が入っています。これらの会社は皆さんもお馴染みだと思いますので、詳しい説明は割愛します。

ところで、昨年は本欄でも何回か紹介しているEnron社が、前述の8つの評価項目の中で革新性と経営の質の2つでトップにランクされていました。今年は革新性はEnron社がトップを維持しましたが、経営の質と従業員の能力の2項目で世界最大の広告&コミュニケーション・グループ、Omnicom Groupがトップにランクされています。

Omnicom GroupはBBDO、DDB、TBWAなどの大手広告代理店を傘下に持っています。またマーケティング・サービスの他、最近ではネット関連・デジタル関連ビジネスに注力しています。同グループは34四半期連続で2ケタ成長を達成しており、これも地球規模での積極的なM&Aやネット関連ビジネスへの戦略的投資が寄与しています。

このようにOmnicom Groupをみると、既存事業(広告代理店)、高付加価値事業(マーケティング・サービス)、成長分野(ネット関連・デジタル関連)といった事業ポートフォリオ(事業の組み合わせ)のバランスのよさが目に付きます。

一頃、事業ポートフォリオの考え方は、“選択と集中”ばやりの中で影が薄かったですね。しかし、asktakaは一貫して、中長期的な視点からみた事業ミックスの重要性を指摘してきました。皆さんの会社では、将来の主力事業、つまり現在の成長分野が育っていますか?


お知らせ:前回の話題は「株主重視か従業員重視か」 でした。



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