わんだふる 台湾山脈 (4)

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1.台湾山脈のイメージ
  2.台北の初日 (3月26日(火))
  3.タロコ渓谷と合歓山 (3月27日(水)、28日(木))
   3.1 タロコ渓谷(Taroko Gorge) (3月27日(水))
   3.2 合歓連峰(Mt.Hehuan) (3月28日(木))
  4.阿里山(Mt.Alishan) (3月29日(金)、30日(土))
   4.1 阿里山鉄道の旅 (3月29日(金))
   4.2 阿里山森林区周遊 (3月30日(土))
  5.最後の台北 (3月31日(日))

4. 阿里山 (3月29日(金)、30日(土))
 
 4.1 阿里山鉄道の旅 (3月29日(金))

 今日は、今回のツアーのハイライトの一つである阿里山への旅です。今回のツアーも、我々二人だけです。朝起きると、空はどんよりと曇っており、いやな気分でした。案の定、出発の準備をしているうちに、雨が降り始めました。とうとう我々も運が尽きたかなと思わざるをえませんでした。ホテルのロビーで I 夫妻と会い、台北駅まで同行してもらいました。途中、場所はよくわからないのですが、現地の人が食事をする所へ立ち寄り、朝がゆを食べました。台湾のファスト・フード食堂とでも言うのでしょうか。
 台北駅は2度目なので、幾分余裕のある気持ちでした。 I 夫妻と別れ、改札口を通り、地下のプラット・ホームに降りて行きました。しばらく待つと、特急’自強1011号’がホームに入ってきました。列車はちょうど9時に台北駅を出発し、前回とは反対に、台湾の西側を南下し、台中、台南へ向かいます。列車の旅は、退屈といえば退屈ですが、車窓を眺めながらのゆったりとした旅が味わえ、これもいいものかなと思いました。

 列車からの風景は、水田などもあり、日本の風景とあまり違わないように思いました。幸いなことに、台北を離れると、雨はやんでしまいました。快晴とはいきませんが、曇り空ならラッキーといっていいでしょう。台北からおよそ3時間半、12時26分に嘉義の駅に着きました。ここで旅行会社の担当者(ほとんど英語も日本語も話せないおばさんでした)が我々を待ち受けており、これからの阿里山鉄道の往復切符とホテルのチケットを渡してくれました(このような手順になることは、旅行会社から連絡済みでした)。阿里山鉄道はどこから乗ればよいのか分からないので、おばさんに身振り手振りで質問すると、親切にも乗り場のプラット・ホームまで連れて行ってくれました(嘉義駅の構内のはずれにありました)。

 阿里山向けの列車の出発まで1時間ほどあるので、嘉義の駅前を少しぶらついてみました。空は晴れ渡り、汗ばむような天気でした。嘉義は比較的大きな地方都市のようですが、駅前を見ただけでは、日本の地方の町くらいの感じでした。駅前の道路沿いにはいろんな店が立ち並んでいましたが、ほとんど2階建てのようでした。ここでもコンビニストアがあり、ちょっと驚きました。
 12時に駅の改札を通り、阿里山登山鉄道のプラット・ホームへ行きました。休止をしました。出発の5分くらい前に登山列車(ディーゼル車)がホームに入ってきました。おとぎの国の赤い電車のようで、子供のようにうれしくなってしまいました。
 車両の中は、片側の座席が2列で、反対側の座席がが1列で、すべて座席指定となっていました。機関車は客車を後ろから押す形式になっています。
 12時26分、登山列車は阿里山に向けて出発しました。

 嘉義から阿里山(沼平)までは、標高差およそ2100mもあり、気候も熱帯気候から暖帯、温帯気候へと移っていきます。列車から見る風景(植物s分布圏)からも、その移り変わりがよく判ります。
1.熱帯域:
12:26 嘉義(Chiai、海抜30m) -> 14:30 竹崎(Juchi)
     -> 14:45 樟脳寮(Jangnauliau、680m) 
車窓からは、バナナ、ヤシ、パイナップルなどが見られ、真赤なハイビスカスも咲いていました。

2.暖帯域:
15:10 交力坪(Jiauliping、海抜997000m) -> 15:45 奮起湖(Fenchihu、海抜1405m)
列車に乗っていてはよく判らないのですが、列車は樟脳寮を出ると、急な登りとなり、独立山(Mt.Duli、海抜750m)の周りをループ(3回)しながら高度を上げていきます。スピードは極端に遅くなり、文字どおり、喘いで登っているようです。
植物は、竹や杉、茶畑などに多くなってきました。
奮起湖は台湾の夏の保養地であり、人が大勢いました。駅弁を売るおばさんがおりました。
途中、雲が広がり始め、さらには濃霧が立ち込め、いやな予感がしてきました。

3・温帯域:
16:30 第一分道(First Switchback、海抜1700m) -> 16:55 神木(Sacred Tree、海抜2000m)
                                       -> 17:10 阿里山(沼平)(Jauping、海抜2210m)
温帯域に入るとベニヒ(紅檜)、タイワンヒノキ(扁柏)、タイワンツガ(鉄杉)などの針葉樹が多くなりました。神木駅付近では、シャクナゲやサクラなども見られました。
列車は3回ほどスゥイッチバックを繰り返し、ようやく沼平駅(2210m)に到着しました。ちなみに、旧阿里山駅は、最近の台湾中部大地震で壊滅し、現在は閉鎖されています。

  駅を出ると、線路沿いの右の方に、今夜宿泊する阿里山閣大飯店(国民宿舎)の建物が見えました。線路沿いには、簡単な土産物店が数軒あり、そこを通り過ぎて行くと、こじんまりとしたホテルの玄関に着きました。ロビーでは英語が通じました。早速、明日の祝山ご来光見学のための列車時刻(4時20分)を確認し、モーニング・コール(3時40分)を依頼しました。

 食事まではまだ時間があったので、ホテルの周りを少し散策してみました。霧はとれて、空はやや晴れ上がり、明日行く予定の祝山が見えました。「明日は晴れますように」と一生懸命祈りました。
ツツジ、シャクナゲ、サクラ(ソメイヨシノ)などが咲いていました。夕方になると、気温は相当に冷え込んできました。

 夕食のためにホテルのレストランに行ったのですが、国民宿舎の食堂というか、とてもレストランとは言えない部屋でした。またメニューもすべて中国語とあって、まったく食事内容がわかりませんでした。ウェイターも中国語だけで、英語は話せませんでした。仕方なく、どうもセットらしいメニューを指で示して、オーダーをしました。食事内容や食器などは、国内台湾人向けのようで、’ホテルの食事’とは思えませんでした。でも、にぎやかな台湾の人の中に入って、なんとか食事をすることができました。

 夜はますます冷え込み、部屋の中でもトレーナーなどを着込まないと、とても寒くていられない状態でした。明日が早いので、8時にはベッドにもぐり込んで、寝てしまいました。


                                                    
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