わんだふる 台湾山脈 (5)

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1.台湾山脈のイメージ
  2.台北の初日 (3月26日(火))
  3.タロコ渓谷と合歓山 (3月27日(水)、28日(木))
   3.1 タロコ渓谷(Taroko Gorge) (3月27日(水))
   3.2 合歓連峰(Mt.Hehuan) (3月28日(木))
  4.阿里山(Mt.Alishan) (3月29日(金)、30日(土))
   4.1 阿里山鉄道の旅 (3月29日(金))
   4.2 阿里山森林区周遊 (3月30日(土))
  5.最後の台北 (3月31日(日))


 4.2 阿里山森林区周遊 (3月30日(土))

 昨夜は早く寝たので、モーニングコールの前、3時半頃には目が覚めてしまいました。すでに1番列車が出て行ったのか、列車の汽笛や列車の通過する音も聞えました。外はまだ真っ暗でしたが、日の出を見たいという一心で、すぐに着替え、リュックを用意して、ホテルの外に出ました。外はかなり寒かったのですが、セーター等を着込んでいるので、思ったより寒さは感じませんでした。天気は、空が真っ暗でよく判りませんでしたが、星がまったく見えなかったので、どうもあまりよい天気ではないなと思いました。

 駅の方は、すでにご来光観光に出かけようとする人が大勢いるようで、ざわめきが聞こえるほどでした。実際、駅に着いてみると、2、300人くらいの人々で騒然としており、祝山までの切符を求める行列、それにプラットホームに入るために改札口の前で待っている行列とができていました。早速、祝山までの切符を購入する行列に並び、何とか切符を確保しました。片道切符は、’One Way Ticket、Please’で通じました。行き先は祝山以外はありえないので、No Problemです。続いて駅に入るための行列に並びました。臨時列車も出ているようでしたが、何時に乗車出来るのかわからず、不安な気持ちで並ぶしかありませんでした。起床が遅くて、ご来光が見れなかったでは、一生の悔いとなってしまいます。

 1つ目の列車は乗れませんでしたが、それから10分くらい待ったでしょうか、ようやく2つ目の列車に乗ることが出来ました。幸い、座席にも座ることが出来ましたが、駅前の混雑から、日本の通勤電車並の混雑を想定していたのですが、立つ人は多くありませんでした。4時10分、列車は汽笛を高く鳴らして、ゆっくりと動き始めました。途中は真っ暗で周りの様子はまったく判りませんが、懐中電灯の明かりが見えたので、徒歩で祝山に向かっている人もいるようでした。およそ35分で祝山駅に到着しました。

 駅前もご来光を見ようという人々が大勢いました。どちらへ行ったらよいのか皆目判らなかったのですが、とにかく人の流れについて上へ向かって歩きました。途中では、台北のような’夜店’がいくつか開いており、朝食や飲み物、お土産などを売っていました。しばらくすると(4時55分頃)、山頂(2451m)と思われる広場に出ました。数百人くらいの人々がいたのでしょうか。ここでも若者がカセットのボリュームを上げて’おどり?’を踊ったりして騒いでいました。空は曇り空で、真っ暗でしたが、せっかくここまで来たので、ご来光が見えるであろう方向に行き、場所の確保をしました。

 30分も待ったでしょうか、空がようやく明るくなり始めましたが、周りの山々は深い霧に覆われ、遠くの山は一切見えません。がっかりでした。それでも、ひょっとして日の出(6時20分頃)とともに霧が晴れるのではないかと期待しながら、寒い中をじっと待ったのですが、お天道様はとうとう顔を出してくれませんでした。皆ため息混じりで、三々五々山頂を後にし始めました。我々も後ろ髪を引かれる思いで、山頂を下りました。帰りはホテルまで歩いて帰りました。最初は舗装された自動車道路をてくてくと歩き、途中からうっそうとしたヒノキの森の中を沼平駅まで一気に下りました。
 ホテルに到着後、朝食をとりました。朝食は内容が決まっていたので、問題はありませんでしたが、かなり質素な内容でした。また食堂も宿泊者で溢れ、あわただしい食事となってしまいました。帰りの列車は午後の1時過ぎで、時間はたっぷりあるので、8時にホテルを出て、阿里山森林遊楽(レジャー)区内を散策をしました。天気は曇りながら、雨には降られませんでした。
 森林遊楽区とはヒノキなどの原生林の保護区域(入区域料150元)であり、1周4kmほどの遊歩道が整備されています。ホテルのすぐ脇から遊歩道があり、そこから下り始めました(写真は見事なシャクナゲの木です)。

 我々の歩いた森林遊楽区のコースは、およそ次のとおりです。
 沼平駅-->姉妹池-->受鎮宮-->神木(駅)
  -->巨木遊歩道-->三代木-->「阿里山」(観光地)
  -->沼平駅
 沼平駅と神木駅の標高差はおよそ200mくらいありますが、普通に歩けば2〜3時間くらいのコースでしょう。 遊歩道はきれいに整備されており、多くの人が散策していました。

森林レジャー区内の遊歩道 神木駅を通過する阿里山号
 巨木遊歩道では、樹齢が1000年以上の紅ヒノキの巨木が20本ほど立ち並んでおり、見事でした。それ以外には、日本が占領時代に伐採したと思われる紅ヒノキの超巨木の株があちこちに残されており、とても残念に思いました。
 「阿里山」(観光地)は、バスのターミナル駅となっており、大きな土産物店や食堂があり、観光客で賑わっていました。ちょっと早めでしたが、広場にテーブルといすを並べただけの食堂を見付け、昼食をとりました。いつものように、食事内容がわからないまま、看板のメニューを指差して注文をし(漢字から麺類であることは判りましたが)ましたが、とりあえず腹を満たすことが出来ました。
三代木(紅ヒノキ) 紅ヒノキの巨木(巨木遊歩道)
 11時半頃に沼平駅に戻りました。駅前はソメイヨシノが満開で(ちょっと散り始めていましたが)、多くの観光客が花見を楽しんでいました(日本のように酒を飲みながらの花見をする人は皆無でした)。我々も、そこでスケッチなどをしてのんびりと過ごしまし。
  駅の近くには、昔阿里山鉄道を走っていた蒸気機関車が展示されていたので、写真を撮りました。こんなちっぽけな蒸気機関車が、海抜2200mの高山を往復していたのですね。

紅ヒノキの巨木 昔の蒸気機関車

 13時18分、阿里山5号は沼平駅を出発しました。帰りももちろん座席指定でした。祝山のご来光は見ることができませんでしたが、雨にも降られず、台湾の森林をたっぷりと楽しむことができ、満足感に浸ることができました。列車は下りなので、喘いでいるということはありませんが、慎重にスイッチ・バックを繰り返し、ゆったりと下っていきました。途中、独立山付近でまた雨が降りましたが、平地に来る頃は雨も止み、17時15分に、嘉義駅に到着することが出来ました。

 ここで、18時24分発の特急’自強1034号’に乗り換え、台北駅に21時10分に到着しました。もう台北駅は慣れていましたので、駅前のタクシーを乗り、夜の9時半過ぎにはホテルに入ることが出来ました。


5.最後の台北 (3月31日(日))

 今日は台湾最後の日です。朝、 I 夫妻とホテルのロビーで落ち合い、まずは昨夜無事に阿里山から戻ったことを報告しました。我々が阿里山へ行っている間は、台北では大雨だったそうで、たいへん心配していたとのことでしたが、「阿里山では雨に降られることはなく、比較的天気に恵まれていました」と言うと、本当に運がよかったと喜んでくれました。
 まずは朝食ということでコーヒー店を探したのですが、適当なところが見付からず、結局マクドナルドのハンバーガーに落ちつきました。
 その後、お土産などのショッピングをし、お昼には、 I 夫人の親戚の林さんご家族に招待されて、台湾飲茶料理をご馳走になりました。その林さんの奥さんと娘さんは日本語がとてもうまく(娘さんは高校時代に日本にホ−ムスティの経験あり、奥さんは独学で日本語を習得されたそうです)、思いもかけず、台湾の人と会話をしながら楽しく食事をすることが出来ました。もちろん、料理もとてもおいしかったです。謝々!!


 食後は、スーツケースを取りにいったんホテルに戻り、台湾中央空港に向かいました。ところがです。シンガポール空港のカウンターでチェックインをしていたところ、高層ビル建築現場のクレーンをも落下させた、あの強烈な地震に遭遇しました。空港ビルの天井は、大きく横揺れし、今にも崩れるのではないかと慌てたほどです。一部の人は外へ走って逃げ出しました。幸い空港は何事もなかったようです。コンピュータも停止しなかったようで、搭乗手続きも予定どおりでした。

 16時25分発シンガポール航空988便に乗り、成田へ向かいました。またまたところがです。房総上空は雷を交えた悪天候で、飛行機は房総沖で旋回を始めました。いやな予感がし、不安を感じましたが、30分くらいの遅れで、何とか成田に到着しました(20時30分予定)。

                                                                     完結


  I 夫妻のおかげで、本当に「わんだふるな台湾山脈旅行」ができたと、感謝しています。最後にまた、謝々です。


                                                    

                                                    
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