☆ ログハウス建築日誌(3) ☆

                                                    更新日: 2005年12月03日
                                       
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05.ログハウス松本との契約まで: 2005年04月−06月

 啓プランニングへの設計の依頼と住宅金融公庫の融資予約決定で、これで一段落と思いきや、これからがまた大変な作業となりました。
4月5日の様子(今年は雪が多かったです


 啓プランニングもランベックス東京も事務所は東京でしたので、詳細な設計の打合せは、ログハウス松本抜きで、仕事帰りに東京の喫茶店で行いました。そこでの打ち合わせ内容を家に持ち帰り、検討し、疑問点については手紙で質問や確認等を行いました。また、啓プランニングはまだ山中湖の現地を見ていなかったので、4月の初めに山中湖の現地に来てもらい、ログハウス松本と一緒に予備測量をしてもらいました。

 ここで、私は土地の面積がおかしいことに気づきました。FK不動産からもらっていた土地の概要図にある土地の面積が実際の面積と大幅にくい違っている(実際の面積の方が大きい)ことが判明しました。実測値と図面上の値が若干異なるくらいなら問題はないのですが(もともと借地に過ぎません)、大幅に違っていると、測量誤差といって見過ごすわけにもいきません。建物の配置図が描けなくなります。土地(借地権)の購入にも関わることなので、ログハウス松本や啓プランニングに依頼するわけにもいかず、私が富士急山中湖事務所に出かけていって、対応策を相談しました。相談の結果、建物の配置図には、当初の概要図上の値を記入することでとりあえず決着しました(どうも、過去に測地をしたときに境界杭を打ったが、遠い昔のことなので、いつどこに打ったかわからなくなったのが原因のようです??)。

4/17:ようやく春が 4/22:レンギョウの移植
 この土地の面積と関連して、当方の借地の西側の隣の敷地(KM旅館)および北側の道路との境界があいまいでした。当初、FK不動産は、西側は隣の敷地いっぱいまで、そして北側は道路との境界いっぱいまでであると説明し、東北の角にあったKM旅館の大きな看板は撤去してもらえるという話になっていました。しかし、富士急は当方に一切説明することなく、借地の境界を当初考えていた境界より平均50cmくらい下げて、西側の隣の敷地を張り出し、かつ北側の道路も道路幅を実質的に拡張?しました。そのため、KM旅館の看板は道路内にある?(道路は富士急の私有地です)ということになりました。看板はやや目立つので、できたら撤去して欲しいと思ったのですが、お隣とは今後も友好的に永くおつきあいをしていきたいし、また借地はそもそも大きいので、少し減らされたからといって目くじらを立てるほどでもないので、ここは矛を収めることにしました。でも、不動産の測地もいいかげんなものですね。驚くとともに、あきれてしまいました。

4/29:満開のレンギョウ 4/29:野菜畑を作り始める
 ようやく、すったもんだの挙句、4月22日に、富士急への「建築承諾申請書類」がまとまり、提出にこぎつけることができました。富士急への「申請書類」には以下のようなものがあります。なお、「申請書類」の受付は、原則毎月25日締め切りで、「承諾書」発行までに1から1.5か月かかりますので、注意が必要です。
  ・建築承諾願い(4部)
  ・案内図
  ・配置図(植栽計画図、駐車場位置明記)
  ・平面図(方位、求積図および表明記)
  ・立面図(方位、最高高さ明記)
  ・屋根材、外壁材、色彩仕様書(日本塗装工業会色番号明記)

 続いて、5月に入ってから山梨県森林環境部自然公園担当出張所(自然公園法に基づく役所のようで?で富士吉田市役所内にある、今後”公園事務所”と呼ぶ)への申請準備に取り掛かりました。この「申請書類」は、当初ログハウス松本(および啓プランニング)に依頼していたのですが、なかなか取り掛かってもらえなかったので、私が公園事務所へ出かけて、手続き等を確認し、「申請書類」を準備しました(設計図面等は啓プランニングが作成したものを添付しています)。

 5月中旬になっても、富士急からの「建築承諾書」はなかなかおりませんでした。富士急山中湖事務所の担当者によりますと、富士急本社では月に1回関係者が数名集まって「申請書類」の審査をやるとのことでした。また、「今回は連休が間に入ったので、4月の審査ができず、遅れてしまったようだ」との話もありました。何度か富士急山中湖事務所を訪問し、できるだけ早く審査をしてくれるようお願いしました。

5/27:初夏の木々1 5/27:初夏の木々2
 ようやく、6月7日になって富士急より「建築承諾書」がおりました。申請から承諾まで、約1か月と20日掛かりました。皆さんいかがですか?これはちょっとおかしいですよね。FK不動産が、当初「申請から着工までは3から4か月掛かる」と言っていましたが、本当のことでした。
 早速、6月9日に富士急の「建築承諾書」を添付して、公園事務所に「工作物新築許可申請書」を提出しました。公園事務所への「申請書類」には以下のようなものが必要です。

  ・(富士箱根伊豆国立公園)特別地域内工作物新築許可申請書(4部)
  ・富士急建築承諾書(写し)
  ・富士急建築承諾願い時の設計図面等
  ・土地の写真(4方向から、建物が建つ位置を記入)

 こちらは、富士急と違って、随時受付をし、審査をしてくれました。それでも、「新築許可書」が届いたのは、6月28日で、許可がおりるまでにおよそ半月かかりました。

 これと併行的に、ログハウス松本と工事請負契約の話を進めました。契約書のフォームは、ログハウス松本では市販のものを使用しているとのことでしたが、私のほうから住宅金融公庫のフォームを採用するようにお願いしました。事前に市販のフォームと公庫のフォームを比較してみたのですが、素人から見ると、文言が異なるところは多々あるのですが、条項はだいたい対応しており、内容もそんなに違っていないように思いました。契約の締結は、詳細な「設計図面等」を待って、お互いに確認しあった後でということにしました。

 6月中旬に、啓プランニングから詳細な「設計図面等」が届き、ログハウス松本と内容の確認と7月初の契約、8月着工、12月下旬竣工というスケジュールを確認しました。私のほうはもう少し早く着工し、11月末までに完成してほしいと思っていたのですが、ログハウス松本の方では、配下の大工さんの稼動を高めるために、7月は他の工事を入れたいとのことで、1か月ほど希望より遅くなってしまいました。どちらにしろ、申請のための期間が3か月以上掛かるので、7月着工は無理があるようでした。

 「設計図面等」には、以下のようなものがあります。
・仕上表
・求積図
・配置図、植栽図
・1F、2F平面図
・立面図
・矩形・断面図
・建具表
・1F、2F電気平面図
・基礎伏図
・基礎詳細図
・床伏図
・屋根伏図
・1F、2Fログ壁平面図
・ログ壁軸組図(1) X1,X3
・ログ壁軸組図(2) X4
・ログ壁軸組図(3) Y1,Y3
・ログ壁軸組図(4) Y2


 7月2日に、ようやくログハウス松本と「工事請負契約書」および「工事請負契約約款」を締結しました。


06.着工まで(大木ミズキの伐採と門柱): 2005年07月 

 8月の着工までに、敷地内の立木の伐採を済ませる必要がありました。立木を伐採するには富士急を通して、山梨県知事の現場検証と許可が必要になります。当初購入した土地には、予定した建物の前に大きなミズキとオオモミジがありました。なるべくなら自然保護のためにも木々は切り倒したくはなかったのですが、ミズキ(樹高およそ15m)は南側のテラスに覆いかぶさるように立っていたので、ミズキ1本について、富士急への建築許可申請時に山梨県に「立木伐採許可申請」も出しました。ところが、こちらの処理は富士急の処理どころではありません。いつまで経っても山梨県からの現場検証がありません。何度も富士急に督促するのですが、「今週中にあります」と言っておいて、週末に現地に行くと、また現場検証がなされていなかったということが、2、3度ありました。一度は、現場検証担当者から「雨が降ったので、山中湖へは行けなかった」との返事があったそうです。あきれはててしまいました。

 公園事務所から許可がおり、8月から建築に取り掛かろうとしているのに、立木の伐採が出来ないのでは困るので、富士急にクレームを入れたところ、県の許可は降りていないにもかかわらず、富士急の責任者から立木を伐採することを認めてもらいました。これは画期的でしたね。こういう臨機応変の処理が大切ですよね。

 7月初旬の快晴の日、私と家内、長男、長男の友人H、私の友人Kの5人で、ミズキ(左写真:7月2日撮影)の伐採にとりかかりました。

 実は、木の伐採についてですが、昨年の秋、東京都立水元公園による「自然塾(森林講座)」に参加し、樹木の伐採の実習を受けました。この講座は3日間コースで、初日は、水元公園でメタセコイアの伐採と林床の下刈り、2日目、3日目は青梅・鳩ノ巣の実際の山林で、スギの伐採や林道作りを行いました。この山林は、地主が高齢のため整備できないでいるところを山林ボランティア組織が借りて、林業教育等に使用しているとのことでした。ここで直径15cmくらいのスギを5本伐採した経験が、今回のミズキの伐採におおいに役立ったというわけです。この経験がなければ、しろうと集団が初めて大木を伐採するのは本来とても危険で、やってはいけないのではないかと考えていますが、業者に依頼すると10万円くらいは取られるということでしたので、今回は、わずかな経験を頼りに独力でやることにしました。

 もうひとつ、チェンソーですが、これも誰もが経験をもっていませんでした。ホームセンターで適当なチェンソー(エンジン式)を購入し、当日初めて使用しました。最初、調整に手間取りましたが、なんとか使いこなすことができました。これも本当は経験者が欲しいところでした。年をとってもチャレンジ精神だけはまだ持ち合わせているようです。


    上:のこぎりで挑戦
左:ロープを張る

チェンソーで受け口カット

受け口の様子
 伐採の手順に従って説明します。
1.木を倒す方向を見定めて、樹高5、6mのところにロープを掛け、2方向から木を倒す方向から45度くらいの角度で引っ張れるようにロープを張る(ロープの角度はおよそ90度)。

2.最初は、木を切り倒す側の、地面から30cmくらいのところに、幹に切れ込み(受け口という)をいれます。最初のこぎりで挑戦してみたのですが、すぐにのこぎりが動かなくなってしまいました。さすがにチェンソーは力強いですね。斜めの切り口はきれいにはできませんでしたが、何とかイメージどおりにカットすることが出来ました。

   上:ザッ・ザッーと倒れる
左:追い口をカット

やったぜー!!

切り株とチェンソー
3.続いて、木が倒れる方向とは反対側で、受け口よりおよそ10cm高いところから、追い口をつけていきます。張ったロープの両端を人が持ち、あらぬ方向へ倒れないようにロープを引くようにします。追い口をカットしている者は、木が倒れる直前(ミシミシと音がし始める)、切り口から離れるようにします。ついに、ミズキは大きな音を立てながら、倒れ、横たわりました。やったぜー!!

 ミズキは、幹の長さはおよそ14m、切り口の直径は約38cm(ということは樹周り1.2m)ありました。この後、枝払いを行いましたが、ここでチェンソーが枝の重みで挟まれ、動かなくなるというトラブルが発生しました。枝は小さいと馬鹿にしたのがいけませんでした。このくらいの大木の枝ですと、簡単に人手では持ち上がりません。ナタやのこぎりを使って何とかチェンソーを脱出させることができました。また、幹はおよそ2、3mくらいに切りました。これは後で、山梨県の樹木管理者が来て、樹木の大きさ(立米)を推し測り、伐採者に課金(およそ数1000円)するのだそうです。こんな1本の木の伐採料課金のために、お役人さんが数名検査に来るのですかね?その経費のほうが、伐採料よりオーバーするのではないでしょうか(その後、検査官が数人検査には来たようですが、今のところ課金はされていません。どうしたのでしょうか?)
枝払い 樹幹 切断した幹
 伐ったミズキは、廃材にしたり、マキにするのではもったいないと考え、記念に門柱にすることにしました(検査官が1週間経っても検査に来ないので、かってに門柱として建てることにしました)。下の写真が門柱です。ミズキの門柱などは聞いたこともないのですが、立派な門を建てる予算がありませんでした。2mちょっとの幹でしたが、水をたっぷり含んでいるようで、2人でも持ち上げることはできませんでした。コロを使って、建てる場所まで転がしました。穴は50cmくらい掘りました。いかがですか?出来栄えは。
 7月の中旬、ようやく啓プランニングより「建築確認申請」および住宅金融公庫への「設計審査申請」が提出されました。この申請は、公園事務所からの建築許可の後すぐには提出されませんでした。ログハウス松本は本当に8月初めに着工する気があるのか疑問に感じました。でも、こればかりは、じっと我慢して待つしか他はありませんでした。

 左の写真は、7月下旬の道路わきに植えたヒマワリです。ようやく、山中湖も夏を迎えました。着工までもう少しです。じっくりと、あわてずに、待て、待て!!

 ところで、私が所有していたリゾートマンションの1部屋が7月になって、ようやく買主が見つかりました。このため、急遽マンションを引き払わなければならなくなりました。幸いにも、ログハウス松本より、大きな家財については、河口湖の倉庫を提供していただけることになり、たいへん助かりました。そのほかの布団や細々とした家財道具は、車で何度か東京まで運びました。ということで、8月からは、山中湖での宿泊ができなくなりました(宿屋に泊まる予算はありませんでした)。辛いですねー!!

  
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