わんだふる キルギス&カザフスタン (3)

  1.プロローグ 
  
2.アルマトイ経由ビシュケク(往路) :     7月9日(火)〜10日(水) 
   2.1
 東京からアルマトイ :             7月9日(火)
   2.2 アルマトイからビシュケク :         7月10日(水)
  3.アラ・アルチャ自然公園 :           7月11日(木)
  
4.ビシュケクからチョン・ケミン渓谷 :     7月12日(金)
  
5.チョン・ケミン渓谷からイシク・クル湖  :  7月13日(土)
  
6.イシク・クル湖からソン・クル湖 :      7月14日(日
  7.ソン・クル湖からアルマトイ(復路) :    7月15日(月)〜17日(水)

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5. チョン・ケミン渓谷からイシク・クル湖 : 7月13日(土)

 午前中のフラワーハイキングから戻り、12時にゲストハウスでランチを食べました。そして、13時に2台のバスに分乗し、チョン・ケミン渓谷の美しい田園を後にして、イシク・クル湖へ向かいました。昨日通ったチョン・ケミン渓谷沿いの道を戻り、主要道路に出ると左折し、再び東へと向かいます。しばらくすると、車の右側に湖の湖面がちらちらと見えてきました。さらに走って、15時30分に湖畔のボート乗り場に到着しました。ホテルへ行く前に、”天山の真珠”イシク・クル湖をクルージングするとのことでした。

 湖は標高1,600mに位置しています。この湖は、塩湖(塩分濃度は0.6%)としては世界第2の大きさだそうで、面積は琵琶湖の約9倍あり、長さ182km、最大幅60kmで、最大深度は668mもあるそうです。湖から流れ出る川はないとのことでした。

 クルーザーは10数人が楽に乗ることの出来る中型のボートでした。船が出港するとすぐに、湖岸ビーチで湖水浴?や日光浴をしている多くの人々が見えました。ここはリゾート地で、海外からも短い夏を楽しむために多くの人がやってくるそうです。沖合いに出ると、湖の周りを取り囲むように雪を頂いた山々が見えました。噂にたがわずとてもきれいな湖でした。

イシク・クル湖 クルーザー イシク・クル湖 北側の山脈(1) イシク・クル湖 北側の山脈(2) イシク・クル湖 南側の山脈
 
 クルージングを1時間ほど楽しんだ後、今日宿泊するホテルに向かいました。17時10分に、ホテルのゲート前に到着しましたが、ホテルというよりはバラのガーデンハウスといったたたずまいでした。ホテルの名前は、カーヴェン・フォーシーズン(Karvan fourseason)といいますが、都市型のホテルというよりは、コテージを中心としたリゾートホテルでした。我々は低層のホテルに泊まりましたが、ここの広大な敷地には50戸はくだらないと思われる広い庭のついた戸建のコテージがたくさんありました。早速、夕食前にホテルの敷地内を散策しましたが、コテージは素敵で、山中湖や河口湖でも見たこともないようなハイレベルな施設でした。隣接した湖岸にはプライベートビーチまでありました。現地ガイドの話によると、グルジア資本で作られ、グルジア人の利用が多いとのことでした。グルジアにはリッチな人がたくさんいるとのことでした。うわー!驚いた!驚いた!

 コテージと庭がとても美しいので、ついつい頑張ってスケッチもやってみました。19時に夕食をとりました。夕食時には、ポップミュージックのような音楽が演奏されていましたが、どうも私にとっては、雰囲気がミスマッチで、しっくりとはいきません。どうも外国のハイレベルでリッチな生活は肌に合わないようです。

ホテル内の風景(コテージ) ホテルのプライベートビーチ ホテルのレストラン兼音楽ホール ホテル内の風景


6. イシク・クル湖からソン・クル湖 : 7月14日(日)

 朝6時に起床し、ホテル内を散策しました。起床した頃は曇り空でしたが、しばらくすると雨が降ってきました。今日は3,000mのソン・クル湖へ行って、ユルタ(テント)に泊まる予定ですので、なんとなく不安な気持ちになりました。8時30分に遅めの朝食をとり、9時30分にはホテルを出発しました。ホテルを出発した頃は、雨もかなり強くなっており、ツアーリーダーによると、天気予報ではソン・クル湖などの山では嵐か雪になると言っているということでした。今回最大の期待をしている場所が嵐では、なんとも悔やまれる話です。

 しばらく、昨日走った道を西へと戻って、途中から南西方向の道に入りました。この頃は、雨も止みましたが、空は雲に覆われたままでした。途中、花の観察などをしながら車を走らせ、コチコルという小さな町でバザールに立ち寄り、今日の青空ランチ用のスイカを購入しました。写真マーケット(1)の右のおじさんは、ロシア系で、バザールの入り口を陣取り、壁に塗るための石灰岩、グルト(ヨーグルトに塩を入れて玉状にしたもの)、噛みたばこ、ミネラル補給用土などを売っているのだそうです。写真マーケット(3)の3人のおばさん(日本人によく似ていました)は、大麦から作ったノンアルコール発酵飲料やトウモロコシから作ったアルコール入り発酵飲料などをバケツに入れて売っているのだそうです。

フラワーウォッチング コチコルのマーケット(1) コチコルのマーケット(2) コチコルのマーケット(3)

 コチコルのバザールを出発し、ソン・クル湖に向かう山間の道に入っていきます。といっても舗装はされたよい道です。13時頃、道路脇の空き地に車を止めて青空ランチとなりました。側にはチュー川という川が流れていました。そこでシートを広げて、車座になり、ピクニックランチを食べました。もちろん、バザールで買ったスイカも食べましたが、とても美味しかったです。青空ランチとなったのは、この道沿いでは、旅行者に食事を提供するようなレストランはないからだそうです。

 食後は、フラワーガイドが周りの植物を説明してくれました。その後、バスに乗り、再度ソン・クル湖を目指して車を走らせました。途中でも、車を止めて、フラワーウォッチングをしました。写真をご覧ください。

川のほとりで青空ランチ スイバ? シソ科不明? キンポウゲ科センニンソウ属?
マメ科ムレスズメ属?(木) シソ科? イソマツ科? ウスユキソウ

 車はだんだんと高度を上げていきます。しかし、時々小雨も降ったりし、なかなかソン・クル湖に着きません。参加者の気分も恐らく憂鬱になってきていたのではないでしょうか。16時30分頃、最高点の峠(約3,300m)に到着しました。ここまで来ると、薄日が差し、空が少し明るくなってきました。目の前には広大なステップ草原が広がっています。

 さらにしばらく走ると、遠くにソン・クル湖が見えるようになってきました。牧童?が馬に乗って我々のバスに近づいてきて、歓迎して?くれました。ここの人々は夏の間だけこちらで放牧生活をしているとのことでした。ここでバスを降りて、おばさんが馬の乳を絞っているのを見学しました。馬はとても神経質で、人が近づいたりすると、乳を出さなくなるそうです。またすばやく絞らないと、やはり出なくなってしまうのだそうです。馬乳を皮袋に入れて発酵させると、馬乳酒になるとのことでした。

ソン・クル湖が見える 牧夫と馬のお出迎え? 馬の乳絞り 採れた新鮮な馬乳

 これで宿泊地にもうすぐ着くのかと思ったら、現地ガイドの話では、宿泊地は湖の対岸にあり、まだしばらく車を走らせなければならないとのことでした。地図にはこちら側の湖岸が宿泊地のように記されており、どうも今回のツアーの地図情報はいいかげんだなものだと感じました。恐らく、宿泊地が依然と変ったにもかかわらず、新しい情報提供を怠っているようでした。ということで、車はあまりよくない細い湖畔の道を右回りで走ります。途中で、ユルタがいくつかありましたが、それらを飛ばしてどんどん走ります。えらく遠い所まで連れて行かれるのだなあという感じでした。そして、18時30分頃になって、ようやく目的の宿泊地(標高約3,000m)に着きました。出発してから約9時間です。日程表では15時に到着し、湖畔を散策する予定となっていました。これといった車の渋滞もなかったのに、これはどうしたことでしょう。期待していた湖畔の散策の時間もとれないし、スケッチをする時間もありませんでした。

 宿泊地には、10棟ほどの白いユルタが設営されていました。どうも、これらのユルタは観光客用に設営されたもののようです。ユルタでは、男性と女性に分かれて、それぞれ1棟に宿泊することになります。先ずは、それぞれの荷物を車から降ろして、それぞれのユルタに持ち運びます。ただし、ユルタは5、6人も入ると手狭になるので、大きなスーツケースは持ち込み禁止で、身の回り品だけを持ち込むことになります。ウルタの中は土の上に直接カーペットのようなものが敷かれており、そのカーペットの上を土足で上がってもよいとのことでした。やや細長いベッドというか台のようなものの上に、上下の布団が置かれていました。インドのロッジのときのように、湿った布団ではなく、きれいでしたので、ほっとしました。また、今日は天気が悪く、寒くなりそうなということで、現地ツアー会社から大型のシュラフが配られました(いつもシュラフが用意されているのかはわかりません)。用意された布団の間に入れて寝るようにとのことでした。天井は下の写真のように高く、きれいに組み立てられていました。とても素敵な天井でした。一応小さな煙突が付いた薪ストーブがあり、薪を燃やしていました。ただし、ユルタの中は冷え込むといったような寒さにはならないということでした。

 荷物を入れた後は、フラワーウォッチングという予定でしたが、準備中に突然黒い雲が広がったかと思うと、雨やヒョウが降り始めました。それでフラワーウォッチングは中止となってしまいました。3,000mの草原を少しでも散策できると思っていたので、とてもがっかりでした。

到着時の怪しい天気の宿営場(ユルタ) 青空が見え始めた宿営場(ユルタ) ユルタの内部 ユルタの天井

 ところが、しばらくすると雨が小止みとなったきました。それで、ウルタの周りでフラワーウォッチングをすることになりました。ヒョウが降るくらいですので、気温は相当下がっていたはずです。フリースなどを着込んで、上にはレインスーツを着たのですが、とても寒かったです。ウルタの周りには矮生化した小さな高山植物がたくさん咲いていました。写真にはありませんが、小さくて細いウスユキソウが雑草のようにあちこちに咲いていました。でも、いわゆるエーデルワイスのような大きなウスユキソウは見当たりませんでした。これもパンフレットの宣伝文句とちょっと違っており、参加者も皆がっかりしていたようです。

雨上がりのソン・クル湖とユルタ 不明? 不明? アカネ科?
ムシヨケギク(除虫菊)? シソ科タツナミソウ属? 不明?

 フラワーウォッチングは早めに切り上げて、19時15分頃に夕食ということになりました。夕食はダイニング用ユルタでとります。ユルタの前には簡易水タンクがあり、蛇口から水が出るようになっていました。このようなちょっとした気遣いは日本人にとってとてもうれしいです。中は我々のグループ以外にもう一組の白人グループがいました。たくさん着込んでいるので、寒くはありませんでした。オーナーのお母さん?が一人と給仕係り?の子供が2人ほどおり、遊牧民の料理?を出してくれました。ユルタ内は調理場も兼ねているようで、調理もお母さんが一人でやったのでしょうか、食事中もナンなどをせっせと作って、焼いていました。
 *遊牧民といっても、現在は定住生活をしており、夏になると羊や馬などの家畜を高地の草原に連れてきて、そこで家畜と一緒に生活しているとのことでした。そういう意味では、遊牧の民はほとんどいないということでした。

 食事中にも再び雨が降ったりして、天気は荒れ模様の様子です。食後はすぐに各自のユルタに戻り、21時頃にはシュラフに入って寝ました。夜中には、風が吹いたり、雨が降ったり止んだりといった荒れた天気だったようですが、不幸中の幸いというか、天気予報のいう大嵐にはなりませんでした。

ダイニング用ユルタ(手洗い水) ユルタ内で遊牧民の料理を食べる ユルタ内の調理場 ナンを作る遊牧民のお母さん


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