わんだふる エジプト(古代文明を歩く) (2)

  1.プロローグ 
  2.ルクソール(Luxor)              月11日(水)〜14日(土) 
   
2.1 東京からルクソールへ             月11日(水)
   
2.2 ルクソール博物館、カルナック神殿他    月12日(木)
   
2.3 王家の谷、ルクソール神殿他         月13日(金)
   
2.4 デンデラ、アビドス               月14日(土)
  
アスワン(Aswan)               月15日(日)
   
3.1 エドフ、コム・オンボ              月15日(日)
   3.2
 ファルーカ船、ヌビア博物館 :         月15日(日)
  
アブ・シンベル(Abu Simbel)        月16日(月)
   4.1 アブ・シンベル神殿他 :            月16日(月)
  
5.アスワン(Aswan)経由カイロ(Cailo)へ   月17日(火)
   5.1 アスワン・ハイダムフィエラ島 :        月17日(火)
  
6.カイロ(Cailo)&ギザ(Giza)          月18日(水)〜19日(木)
   6.1 エジプト考古学博物館他 :           月18日(水)
   6.2 ギザの3大ピラミッド他 :            月19日(木)
  
7.バハレイヤ・オアシス(Bahariyya Oasis)
                 &西方砂漠
    
2月20日(金)〜21日(土)
   7.1 バネンティウの墓他 :           2月20日(金)
   7.2 黒砂漠、白砂漠他 :             2月21日(土)

  8.アブ・ミーナ(Abu Mena)
     &アレクサンドリア(Alexandria)
 
   2月22日(日)〜24日(火)
   8.1 アブ・ミーナ他 :               2月22日(日)
   8.2 
アレキサンドリア博物館他 :       2月23日(月)

   8.3 東京へ                    2月24日(火)

                                         
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3.アスワン(Aswan) : 2月15日(日)
3.1 エドフ、コム・オンボ : 2月15日(日)

 今日も早朝の出発となります。4時30分に起床し、6時30分にバスに乗り、ナイル川に沿って南方のアスワン(Aswan)へ向かいました。途中、ナイル川沿いのエドフ(Edfu)とコム・オンボ(Kom Ombo)の町に立ち寄り、それぞれ神殿を見学します。

 まず、9時15分に、エドフの町に到着しました。神殿はナイル川の西岸にありました。この神殿はホルス神を祭ったものだそうで、トトメス3世が建てた古い神殿のあとに、プトレマイオス3世が改築を始めた神殿(完成は紀元後)とのことです。したがって、デンデラの神殿と同じく、典型的なプトレマイオス様式の神殿になっているということです。エジプトの数ある遺跡の中では最も保存状態がよいとのことです。

入り口には黒大理石で出来たハヤブサ姿のホルス神像が迎えてくれます。 塔門や大列柱室の円柱などなど、とてもすばらしいものでした。また壁面のレリーフも立派なものでしたが、私にはルクソールで見た多くの円柱やレリーフと同じように見えてきて、頭が混乱し、辟易してきました。さすがにレリーフの内容や意味は、にわか勉強の私の理解力を超えてきました。

 1時間半ほど見学し、10時45分に再度バスに乗り、次のコム・オンボに向かいました。

ホルス神殿前景 神殿の第2塔門 ホルス神殿ファサード ハヤブサ(ホルス神)像
至聖所への通路   列柱室の円柱=> 至聖所(聖船と壁レリーフ) 外壁レリーフ

 12時45分にコム・オンボの町に到着し、神殿前のレストランでランチ休憩をとりました。このレストランはナイル川沿いにあり、南の国のあずまや風のテラスでの食事でした。

 30分ほどで食事を済ませ、レストランの前にある神殿を見学しました。この神殿は、ホルス神とワニ神であるソベク神の2神を祀っているそうで、建物は左右対称の二重構造になっていました。この神殿も、アメンホテプ1世とトトメス3世が建てた神殿のあとに、プトレマイオス朝が再建したもので、完成したのはローマ皇帝アウグストゥスの時代だそうです。この神殿がワニ神を祀っているということで、神殿の脇にはワニのミイラ博物館があり、たくさんのナイルワニの剥製が展示されていました。

 1時間ほど見学したあと、14時30分にバスに乗り、今日の目的地であるアスワンに向かいました。

神殿前のレストラン コム・オンボ神殿 円柱(ワニ神ソベクのレリーフ) ワニ博物館内のワニの剥製

3.2 ファルーカ船、ヌビア博物館 : 2月15日(日)

 15時45分にアスワンの市街に到着しました。まずは、ファルーカ船という帆船に乗ってナイル川を遊覧しました。船長は初めて見るヌビア人でした。やや肌黒く、縮れ髪なのでエジプト人とは容易に見分けることが出来ます。風が吹いていなかったので、船は川の真ん中辺りでゆらゆらと揺れているだけで、セーリングを楽しむといった雰囲気ではありませんでした。また、川岸には超大型の遊覧船がたくさん係留されていましたが、観光客がいないのですべて運休状態とのことでした。

 1時間ほど遊覧して、船着場に戻り、その後ヌビア博物館に行って、ヌビアの文化を見学しました。ヌビアは日本人にはなじみがありませんが、エジプトの南に位置する地域で、先史時代からヌビア人が住んでいたとのことです。南ヌビアは独自の文明を築き、大いに栄えていたとのことでしたが、北ヌビアはほとんどエジプトの属国として支配されていました。ただし、エジプトの第25王朝はヌビア人の打ち立てた王朝だということです。ヌビア博物館は、国連のユネスコの援助によって造られたものだそうです。ヌビア人の歴史、生活、習俗などが展示されていました(写真撮影が可能でした)。
街路樹(デイゴの花)
アスワンの船着場 運休中の超大型遊覧船 ファルーカ船 ヌビア人の船長
ヌビア人の兵士? 石像 先史時代?の遺骨 船の竜骨部
 博物館を出て、船着場からホテル専用のボートに乗って、ナイル川の中州であるエレファンティネ島のホテルに向かいました。到着は18時30分でした。かなり疲れが出てきました。でも、明日のアブ・シンベル神殿が楽しみです。がんばろう。




ヌビア人の生活風

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4.アブ・シンベル(Abu Shimbel) : 2月16日(月)
4.1 アブ・シンベル神殿他 : 2月16日(月)

 今日も快晴です。ナイル川に囲まれたエレファンティネ島のホテルは最高で、眺めも素敵です。今日は6時に起床、8時にはボートに乗って、対岸へ渡り、そこからバスに乗って、アブ・シンベルへ向かって出発しました。

 出発してすぐにバスは駐車場に停車しました。アブ・シンベルへ行く前に、”切りかけのオベリスク”がある古代の花崗岩の石切り場を見学するとのことでした。最初はどんなところかと思っていたのですが、小高い岩の坂を登っていくと、本当に切り出し中の大きなオベリスクが横たわっていました。これにはびっくりしました。この未完のオベリスクは長さ42m、重量は1150トンにもなるそうで、古代の高度な石切り技術のすばらしさに感動を覚えたほどです。

アスワンのホテル ホテルからナイル川を望む
 9時、再度バスに乗って、ナイル川に沿って南へ、アブ・シンベルに向かいました。本来は、警察が複数の車をまとめてコンボイ(Comvoy;護送船団方式)で走らせるのだそうですが、今回は我々の車1台しかないので、武装警察官が同乗して1台だけで移動することになりました。コンボイ方式の移動では、途中のトイレ球形もなく、3時間ほど突っ走るとのことでしたが、今回は1回休憩がありました。とても助かりました。
切りかけのオベリスク(1) 切りかけのオベリスク(2) アブ・シンベルへ向かう途中の休憩所

 12時40分、アブ・シンベルの町に無事到着しました。早速、アブ・シンベル神殿の見学に向かいました。バスを降りて、しばらく歩くと、大きな岩山のようなものが見えてきました。そこを回り込んで、ナイル川に面したほうへ行くと、大きな4つの像が見えてきました。これが、アスワン・ハイダム建造のためにナセル湖に沈む予定であった神殿をダム湖の上に移築した神殿です。正面に回って見ると、そこには大きなラメセス2世の大座像が4体並んでいました(1体は頭部が落ちて、下に転がっている)。その迫力はやはりすごいですね。彼の栄光を後世に伝えるために造ったとのことですが、大変な労働力と費用をかけてこんなものを造らせるとは、やっぱりおかしいと思わずにはいられませんでした。

 神殿の内部に入ることができましたが、撮影は禁止です。神殿の65m奥には至聖所があり、そこにはラメセス2世と3体の神が祀られており、年に2階、春分と秋分の日の朝、入り口から太陽の光が差し込み、その像を照らすように設計されているのだそうです。この天文学の知識と建築技術もすごいですね。驚き、あきれてしまいます。

 この神殿(大神殿)の右隣には、ラメセス2世が最愛の妻であるネフェルタリ妃のために作ったハトホル神殿(小神殿)があります。この神殿の正面には、6体の立像があり、ラメセス2世とともに妃の像も彫られています。内部はやはり撮影禁止でしたが、とてもきれいなレリーフなどがありました。とにかく、この壮大な神殿には圧倒されてしまいました。ユネスコが拒否を投じてこの神殿を救ったのも、まあ納得できます。本当に、リスクがあるにもかかわらずエジプトに来てよかったなあと思いました。

アブ・シンベル大神殿 ラメセス2世座像 ラメセス2世座像(左側2体) 至聖所に通じる正面通路
 2時30分、バスに乗ってホテルへ向かい、ランチをとりました。ホテルはナイル川沿いにあり、なかなか素敵なリゾートホテルで、ブーゲンビリアの花が咲き誇っていました。

 夕方、昼間見学した神殿の前で、音と光のショウがあるということで、再度神殿を訪れました。神殿がライトアップされ、古代エジプトの物語の映像が映し出されました。とてもエキゾチックで、面白かったです。

アブ・シンベル小神殿 正面左側3体 ラメセス2世立像(中央2体)

*音と光のショウでは、集まった客のうち、客が一番多い国の言語で説明があるということでした。ところがなんと、今回は日本人が一番多いということで、ショウの言語は日本語でした。多いといっても40名くらいで、次は中国人かもしれません。西洋人はちらほらといったところ。いかに観光客が少ないかよくわかると思います。
アブ・シンベルのホテル 音と光のショウ(大神殿) 音と光のショウ(小神殿)

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5 アスワン(Aswan)経由カイロ(Cailo)ヘ : 2月17日(火)
5.1 アスワン・ハイダム、フィエラ島 : 2月17日(火)


 今日は、アブ・シンベルからバスでアスワンに戻って、夜、アスワン駅から寝台列車に乗ってナイル川に沿って北へ、カイロ駅の手前、ギザ駅に向かいます。基本的には移動日になるのですが、アスワンの近くで、アスワン・ハイダムとフィエラ島のイシス神殿を見学します。

 朝6時に起床し、9時30分にホテルを出発しました。来るときと違って、アスワンへ向かう車が複数台ありました。そのため、コンボイ(Convoy;護送船団)方式で、隊列を組んで移動することになりました。したがって、280km、約3時間ほどの間、トイレ休憩はないことになります。ひたすら我慢です。9時45分、バスやトラック、乗用車など10数台が一列になって走り始めました。よく見えないのですが、恐らく車列の前後を、警察の車が挟むように走っていたと思われます。道路は人家のない広漠とした砂漠の中をまっすぐ走っているだけなので、退屈するだけでした。

 13時頃、何とか無事に?アスワンに到着しました。ランチの前に、アスワン・ハイダムを見学しましたが、落下水量もそれほどでもなく、見ても何の感激もしませんでした(黒部のダムのほうがよほど迫力があります)。ただ、ハイダムはソ連の援助によって作られており、その記念碑がさびしそうに建っているのが印象的でした。

 14時過ぎにランチを食べ、15時にナイル川の島にあるイシス神殿の見学に向かいました。この神殿は、デンデラやエドフの神殿と同じようにプトレマイオス朝時代に建てられた神殿で、原型をよくとどめた神殿だそうです。30分ほどバスに乗って船着場に到着。小さなボートに乗ってアギルキア島に向かいました。実は、イシス神殿はフィラエ島にあったのだそうですが、ハイダムが出来て半ば湖に沈んでしまったため、解体して現在のアギルキア島に移築、再建したのだそうです。ここでは、写真撮影がOKだったので、内部の至聖所なども撮影することが出来ました。壁のレリーフが素敵だったのが印象的でした。

アスワン・ハイダム記念碑
フィエラ島(イシス神殿) イシス神殿第1塔門 第2塔門のレリーフ 神殿外庭の列柱
神殿内列柱   =>至聖所への通路 至聖所の壁のレリーフ カイロ行き夜行列車

 やや日が落ち始めた頃、ボートでアスワンの町に戻り、アスワン駅に向かいました。途中、スーク(マーケット)に少し立ち寄った後、18時過ぎに駅に到着し、そのまま列車に乗りました。部屋は二人で1室となっており、2段ベッドが取り付けられていました。そして、19時ちょうど、遅れることなく列車はカイロに向けて動き始めました。今日の夕食は列車の食事です。西洋料理のサービスがあるのかと思ったのですが、あまりおいしくなかったという印象しか残っていません。でも、異国の列車の旅は、子供時代の旅行を思い出し、わくわくするような気分でした(ヴェトナムを旅行したときも列車に乗り、わくわく気分だったことを思い出します)。疲れているためか、すぐに寝入ったようです。


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