Road to FRANCE PART2 【1998ワールドカップ本大会篇】

5月13日 水曜日

ファックスが届いたが、エアーの確認ファックス(英文。ユナイテッド→代理店のコンファメーション)のコピーと殴り書きのメモだった。以前の担当者は旅程を美しくタイプしてくれたのに。とどめは私が勤める会社名のとんでもない間違いだった(う〜ん、書くと爆笑ものなんだが)。あやふやだったら聞けよ。最近は知名度があがったと思ったのにな。まあ、パリ-ナント間のTGV時刻や、保険の内容、料金内訳を一生懸命書いてくれたので、よしとしよう。

昔の『地球の歩き方 フランス』を引っぱり出して、宿泊と移動について悩む。6月14日の試合当日にパリからトゥールーズに入るのはリスクが高い気もするし、何より試合前の高揚感・一体感を心ゆくまで味わいたい。ここは、13日パリ1泊もキャンセルして、パリ到着・即刻移動を敢行しよう。そのためには、トゥールーズに2時間以内の場所で宿泊を事前に確保するか、ホテル予約なしで移動するか、夜行を利用するかだ。

また、20日のナントでの試合のあと、翌日にパリから発つためにどうするか? ナント1泊・翌日早朝のTGVというのが理想だが、だめなら試合後に即刻TGVでパリへ行く手か。ル・マンやシャルトルに泊まることも考えたが、夜7〜8時からホテルを探して回るのは気が進まない。

最大の問題は帰りの便で、第1希望が取れないと、パリ→ロンドンの飛行機とロンドン1泊で3万5千円余計にかかる上に1日遅くなる。今回はサンフランシスコ、ワシントンDC、シカゴと魅力的な街を経由するのだが、不幸にも空港で過ごすしかない。パリもロンドンも、通り過ぎるだけ。残念だなあ。思い切って帰りを延ばそうか?

夕方、電話があって、確認。キャンセル期限、申込金、最終払い込み、チケット受け取りの日時・場所。保険は携行品が40万円以内の保証だったので、セットでOKする。15日間で7千円台だから、まあまあ、いいところ。

5月14日 木曜日

旅行代理店からファックス。旅程表と請求書なのだが、エアーが14万円になっている。電話があったので、すぐ指摘。13万円の間違いだという。マイレージについて聞くと、自分でユナイテッドに電話して、新規申し込みをするらしい。それなら、とすぐ電話で(ちゃんと公衆電話から)申し込み。会員番号をもらう。念のために、搭乗券の半券と、チケットの残り(チェックインしたあとに残る紙)を保管してくれ、と言われた。そう言われると不安だ。チェックインするごとに、「マイレージ」ととなえて確認しよう。

遅ればせながら、日程を作成。トゥールーズ、モワサック、コンクを回り、ボルドーから大西洋岸を北上してナントへ。エアーの第一希望を明記。わずかな希望をかけて、6月13日ボルドー泊でTGVとホテル、6月20日の宿泊(ナントまたはパリ)とTGVをオファーしてみる。いろいろ書いてファックス。

ウェブ上でも情報収集。まずはフランス政府観光局。ここで、競技場への行き方と地図をプリントアウト。つづいて、ホテル予約可能なサイトへ。しかし、検索しても該当は少なく、すでに満室。苦しいスタート。

申込金5万円は5月22日までの振り込み。ふつうは申し込み1週間以内とかなのに、けっこう余裕をみてあるのがいいところ。

新しい98-99年版の『地球の歩き方 フランス』も買った。あんまり変わっていなかった。カラーページは増えたけど。モワサックについては記載無し。トゥールーズから電車が通っているのはわかってるんだけど。とりあえず、これに載っていないところを歩けばいいわけだ。

また電話。やっぱりホテルとTGVのセット予約が理解しにくいようで、説明。つまり、まずホテルを予約。そのあとで、TGVを予約。もし、ホテルがとれてTGVが取れなければ、両方キャンセル。だめもとなのだが、頑張ってみてね。でも、もし取れちゃうと出費がかさむのだなあ。

ところで、他の試合は? と聞かれた。19日のナイジェリア対ブルガリアと、21日のアルゼンチン対ジャマイカのチケットがあって、航空券購入者には優先されるそうだ。う〜ん、どうしよう。明日まで返事を待ってもらう。アルゼンチン対ジャマイカは、パス。

5月15日 金曜日

申込書の書式も昨日ファックスしてもらったので、パスポートの期限などを自宅で確認して、今日ファックス返信。ちなみに、「たしかにパスポートの期限を確認しました」と署名させる欄があって、きっと行けなくなった人がけっこういたんでしょうねえ。私の知り合いにも1人いますが>ねえ、みちよさん。

ナイジェリア対ブルガリアは断念。19日にパリでナイターなので、20日にパリ-ナント間を往復することになる。現時点では、パリ宿泊でTGV予約を入れれば簡単なのだが、観戦チケットが高い。もし、向こうで取れたら、行こう。むしろ、17日のイタリア対カメルーン(モンペリエ)に行きたいのだが。

ボルドー、ナントのホテルは難しいらしい。やはり、いつものローラー作戦か。

5月16日 土曜日

NHK-BSにて、アイルランド対アルゼンチン、クロアチア対ポーランド、韓国対ジャマイカを続けて観る。

5月17日 日曜日

キリンカップで日本対パラグアイ。1-1で引き分け。

5月18日 月曜日 〜 20日 水曜日

何事もなし。

5月21日 木曜日

早朝、UEFAチャンピオンズ・リーグの決勝を観た。レアル・マドリッド1-0ユヴェントス。

申込金5万円を振り込み。実は、他にも航空券+観戦チケットという商品はあり、それぞれ直行便だったり、観戦チケットが少し安かったりしていて、本音を言えば迷っていたのだ。しかし、長年お願いしてきた信用の積み重ねがものをいった。ジェットツアーの倒産以来、旅行業界では噂が飛び交っている。実績のあるところでも、信用取引から急に現金決済になれが資金繰りが苦しくなる。日本の不況を警戒した海外の業者(航空、ホテル、観光など)が取り引き条件を厳しくしているのだ。1、2万円の違いなら、信用をとろう。

こうして、私は一歩を踏み出した。もう、戻れない。

5月22日 金曜日

振り込み確認の電話。ホテルはパリ以外難しいとのこと。それなら、ホテルもTGVも予約なしで。帰りのエアーは、第一希望の6月21日発シカゴ経由で行ける見通しが出てきた(ということは、ちょうど1か月前のキャンセルが出ていて、順番が回って来そうなのだ)。

5月23日 土曜日

観光局への依頼レターもまだ出来ていない。とにかく、疲れて寝ていた。

5月24日 日曜日

キリンカップ、日本0-0チェコ。

5月25日 月曜日

結局、準備は停滞したまま。よく考えるとメガネも買い換えないと。

電話。帰りの便は、OK。これで3万5千円が浮いた。行きも1回乗り換えも取れたそうだが、パリ到着が遅いので、2回乗り換えにしておく。とにかく、エアー、観戦チケット、入出国税、保険で25万円台になりそうだ。これに宿泊と移動費、食費。11日間の旅行としては、40万円以内に抑えたいのだが。

ついでに、フランス・ヴァカンス・パスの料金表をリクエストした。まだ行程が確定していないのが、辛い。パリ→トゥールーズ→モワサック→コンク→モンペリエ→パリ→ナント→パリという公算が高いのだけれど、トマス・クックの時刻表の6月版がまだ発売されていないのだ。

フランスへの道は確保された。あとは、情報収集と準備だ。

text by Takashi Kaneyama 1998

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