Bon Voyage! HOME > PRIVATE DIARY > 2003年1月中旬

迷狂私酔の日々


1月11日(土)下田合宿・初日

本日より、下田合宿。いちおう、「講師」というハナシになっているが、実は「海から歩いて5分」につられて会社の後輩の家へ遊びに行くのである。

「踊り子」と「音楽ディレクター」と私の3人が後輩およびそのご主人の出迎えをうけて、下田のメインストリートを案内してもらう。椿展にて、椿よりもそのダイナミックなインスタレーションに感嘆する。のち、「カラスミと水菜のスパゲティ」などを食し、海岸を3つ回って家へ。

玄関がなく、デッキテラスからすぐリビングへ。うわははは。いい感じの家である。

いちおうミーティングして写真を選んでスキャンし、布もスキャンし、なんとなく「カタチ」はできる。名前も決まったし。

6時になってホテル・ジャパンへ。ここのロビーでジャワ舞踊を披露することになっている。会員制ホテルなのでアプローチに検問がある。

なんと、控え室としてスイートがとってあった。槇文彦の建築とかで、贅沢というかもったいない空間の使い方。屋外プール、波が打ち寄せる浜、半屋外の大浴場と「ゴージャス」な気分を味わう。

で、メイクが遅れて支配人に催促される。急いで行けばロビーには100人近い観衆が。うわああああ。1曲20分ほど。スタティック、というか。ゆったりと空間を変質させるような優雅さ。全然違うが太極拳を彷彿とさせる。それは比喩がまずいか。

観衆に2月11日公演のパンフを配って、遅れて到着した「マネージャー」を迎えてみんなで洞窟風呂へ。私は必要もないのにシャンプーもリンスもした。私がルームキーを持っていたのに、私が一番遅かった。「ブローまでしていた」という噂が流れているようだが、それは嘘である。ブローなんかしたら頭皮がヤケドするではないか。

それから<美松寿司>へ。トコブシから刺身から寿司から、あまりにうまくて失神しそうだった。金目鯛の刺身もヅケの寿司も、タコの卵も、ぶだいの煮付けも。本マグロのトロ、クロムツ、アジ、ナマコの軍艦巻き・・・。

それで1人5千円、代行運転つき。おなかいっぱいで死にそうになって帰る。

1月12日(日)下田合宿・2日目

6時に起きて、朝のお散歩。歩いて5分の浜辺に行って、日の出を見る。

わあああ〜い。パノラマを撮影。しかし、逆光なのできつい。

朝食はほうれんそうのバター炒め、オムレツとブロッコリー、ポタージュスープ、トースト、コーヒー。

その後、2階にてAirMacでつないで仕事。写真の取り込み、ファイリング、そしてロゴづくり。どーにか「Warung Melati」というロゴを作ってみる。

お昼にインドネシア料理ということで、踊り子自ら作り始める。サンバルを作るところから始まるので、すううっっっっごい時間がかかるのだ。そういうことで、午前中は料理するヒト、サイト作りするヒト、ギターを弾くヒト、それを聞いて寝るヒト、ひたすら「バガボンド」を読むヒト・・・という構図で過ごす。

暖かいぞっ! と外のデッキテラスでランチ。あまりにおいしそうな料理なので、わざわざサルンを敷いて写真を撮る。昼からビールやワインを飲めて嬉しい。

カレーに似た鶏肉のココナッツ煮(さわやかに辛い)、コロッケ(と呼んでいるが実は違うジャガイモのマッシュを揚げたもの)、砂肝とインゲンの炒め、えびせん(クルプック)、テンペ(納豆に似た匂いの大豆発酵食品)を揚げたもの、トマトのサラダ、緑豆のココナッツミルクお汁粉などなど。

もはや、気分は熱帯。

午後、後輩の作業に茶々を入れたり、寝たり、急に呼び出されたりして過ごす。いちおう「講師」なので非常時には働くのだ。

本日の踊りは家で着替えてからの出発なので、5時から踊り子はメイクに入る。そのあいだに、とりあえずサイトの表紙は出来る。そのテキストがダミー原稿のまま後輩はアップロードしてしまう。何はともあれ、記念すべき初回アップロードがあっという間に・・。

その名も「アマンダリ」というインドネシア料理プラスアルファのレストランにて、十数人が緊張して見る中、静かに踊りは進行。

いったん帰ってから、「サニーサイド」へ歩いて出かけて食事。

帰って家でひとしきり飲む、マティーニもどき(チンザノ・ロッソとジンをシェイク)を作って振る舞う。

その後、ギターを弾いて歌の大会。みんなが知っていた曲は青い三角定規の「太陽がくれた季節」だけである。まあ、たぶん、私に常識がないのだろう。「LOVEマシーン」も「アジアの純真」もほとんど知らないし。

しかし、音楽系が集まっただけあって、ハモリは完璧。「ウェディングベル」のイントロのアカペラをその場でできちゃうんである。そうして3時間以上弾き続けた結果、左手の指が腫れ、握力が持たずに痙攣しはじめた。

今度はもう少し鍛えてきますです、はい。

1月13日(月・祝)下田合宿・最終日

7時過ぎに起きたら、後輩がキッチンでiBookに向かっていた。負けじと私も作業。

写真を渡そうと、CF経由でコピー。だが、CFリーダーが抜けないトラブル。アイコンをゴミ箱に捨てても、またFinderに戻る。ううむ。悩んだ末にゴミ箱に捨てた途端に引っこ抜く作戦を実行したら、アラートが出なかった。ときどき、Macには人格があるような錯覚に陥る。

その間、他のゲストは9時過ぎても起き出さない。「死んでも起きるもんか!」というほど寝ている。

ブランチに卵、ツナのオープンサンド、スープ、サラダほか。今日もテラスのテーブルで食べる。非常に幸せな気持ちにひたる。

そうして、いつのまにか気だるい午後が過ぎていき、約束の「ナシゴレン・オムライス」を作り始めたのが午後2時半。「音楽ディレクター」は4時の踊り子号で帰るので、3時半には家を出ないといけない。げげっ。ゆっくりしている場合ではなかった。

非常にあせる。「踊り子」と「マネージャー」両氏の協力を得てミネストローネとローストポテトまではどーにか作る。が、オムレツに失敗してトロトロにならず。修行が足りない。まあ、ミネストローネとローストポテトが望外の好評でよかった、よかった。にしても、久しぶりに真剣に料理したような気がする。

そういうわけで、帰る時間になり、下田駅まで送ってもらう。結局、水仙も見ず、千人風呂にも入らず、ケグラニアン(というガラス工房)にもお邪魔しなかったが充実した連休であった。めでたし、めでたし。

帰途、<インドネシアラヤ・新宿店>が1月15日までなので、そこに寄る。さらに、家に帰る途中で<戎>にたむろする連中に引き留められる。結局、焼き鳥などを食す。<インドネシアラヤ・新宿店>で食べたサテ・カンビン(ヤギの串焼き)につづいて日本の焼き鳥も連覇、ということか。

1月14日(火)

マンションの部屋のプレートを作り直す。途中まで作って放っておいたマッキントッシュ書体でプリントし、手で修整する。

2時過ぎに出社。4時半から打ち合わせの予定。その予定を大幅に遅れて、社長および担当者との会議。そこで企画自体をやめる意志決定で合意したので、撤収に入る。

問題は・・いろいろあるのであえて書かない。

某所にて飲む。「いらないストーブない?」と聞かれる。電気ストーブならあるが・・。なんとエアコンが故障して寒いのであった。さらに別の某所へ。

1月15日(水)

起きて朝食を作ろうとしたら、ごはんが炊けていなかった。なんと予約し忘れ。急いで炊いてニュースを見てメールチェックして出かける。

電車のなかで体操するじいさんあり。吊革や柱を使って器械体操を一心不乱に。どこか異常な集中力というか、回りがまったく目に入らないあたりは、車内で化粧する女性らと同じ自己中心的な空気が。

2時20分に出社。昨日の合意では、今日と明日で最後の提言をまとめ、請求金額を知らせて勤務終了の予定。だったが、3時間ほどで提言も請求もできてしまったので、メールで送って社長に挨拶し、お茶とマグカップを持ち帰ってさようなら。

夕食にミートソース炒飯、ソーセージ、キムチスープなど。

『チベット旅行記』(四)を読了。

1月16日(木)

4時過ぎ、あまりの寒さに目覚める。しょうがないので、オイルヒーターを使用。起きて朝食つくって食べてiTunesでMP3化作業を続行。

図書館で調べものをする予定だったのだが、あまりに寒くて中止。

昼食はアジフライ、ニラのおひたし、ソーセージ、揚げニンニクなど。ウドとおからを料理する。ふう。ウドは湯がいて酢味噌和え。おからはひじきや鶏肉などと合わせる。

iBookがスリープから復帰せず、いよいよ臨終かとあせる。なんてことはない、電源プラグがわずかにはずれていた。ううむ。

夕食は塩サバ、おから、ネギとワカメのスープなど。

1月17日(金)

J-WAVEで目覚めて、気になったんでそのまま仕事部屋にCDラジオを持ち込んで聞く。

朝食におからとか、ソーセージとか。

荻窪まで歩いて往復。住民票を取り、MUJIに寄る。この道筋は面白い住宅建築が多いので飽きない。

昼風呂、そののち昼食。ウドとゴボウのきんぴら、ウドの酢味噌和え、ソーセージ、キムチ、おからなど。

CDセットを入れ替え。久しぶりにモンテヴェルディのヴェスプロを聞く。

4時過ぎに出かけてお茶の水で下車。まずは弦を2セット買う。散歩しつつ神楽坂へ。<ギャラリー・ムウ>を経て<泥味亭>へ。

1月18日(土)

12時過ぎに遅い朝食。ウド、おから、きんぴら、キムチ、塩サバなど。

『チベット旅行記』(五)読了。これにて河口慧海師は帰国の途に。あまりに入れ込んだので、もう少しで断食生活に入るところだった。少なくとも肉食は相当減ったような気がする。

昨日の話で思い出したので、『パタリロ!』の「Fly me to the Moon」を再読。これは、パタリロが泣いて終わるという、感動悲話なのである。信じてもらえないかもしれないが。

今日の夕食は、某テニスコーチのお宅にてご馳走に預かる。ボルグとの記念写真が大きなパネルに。さすが。砂肝やウドや天ぷらなどをおいしくいただく。シメは天丼。

1月19日(日)

起きてからiBookをベッドに持ち込んでメールとwebのチェック。

遅い朝食。炒飯、鶏のパン粉焼き、ネギとワカメのスープ、その他常備菜などで。

MacEXPOの記事を、いまさらではあるが、系統的にチェック。しかしながら、先立つものがまったくない。

昼食に焼きそば。photoJam3で下田合宿の写真を素材に遊ぶ。

夕方、駒場へ芝居を観に出かける。楽日である。ギリギリに駆け込んだら、演出の荒木氏に出会い、挨拶。

劇団1176エグリントンの「コンクリート・オペラ」。美術史かぶれからすると、三美神とかパリスの審判という主題が想起される。全然、関係ないかもしれないが。たぶん、「画家」や「彫刻」というメタファーを通じて、想像力とか、表現とか、人間関係とか、そういうものを寓意と即興という手法でやってみました、ということなのか、とも思う。

わかりにくいわけではないが、解釈の相当部分が観客自身に委ねられているので、考えすぎるヒトは、いろいろ理屈を考えつくだろうし、それが面倒なヒトは面食らうだろう。まあ、演劇という形態は、観客が構成するパーセンテージがもともと高い筈なのであって、観る者が意味を再構成するのなら、それもまたよし。

終演後、挨拶もせずに帰宅。テレビの「劇的! ビフォーアフター」を観たかったのであった。すみません。

夕食は鶏肉の残りで和風炒め煮を作る。下田のアルバムが一応完成する。

1月20日(月)

NFLのポストシーズンも大詰め。フィラデルフィア・イーグルスがタンパベイ・バッカニアーズに10-27で敗北。あの寒いスタジアムでフロリダのチームが勝ってしまった。

ホットミルク、カズノコ入り雑炊などで朝食。いったいどういう取り合わせだ?

昼食に焼きそば。もうひとつの準決勝はオークランド・レイダーズがテネシー・タイタンズに41-24でスコア以上の圧勝。だが、タイタンズの不死身のQBが捨て身で走るランは印象的であった。だが、その名前を覚えていないあたりが不覚。

どーでもいいが、レイダーズのサップと日本で売り出し中のボブ・サップは従兄弟同士らしい。


最新の「迷狂私酔の日々」へ
2003年1月上旬の「迷狂私酔の日々」へ戻る
2003年1月下旬の「迷狂私酔の日々」へ進む
過去の「What's New」という名の日記へ

All Rights reserved by (C) Takashi Kaneyama 2003