Bon Voyage!
ASIA AT RANDOM

WONDER ISLAND BALI with Family

スコールのなかをひた走る。

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3月30日(金)スコール、ガムラン、夜のプール。

ホテル内を探検。

今日の午後は何も予定を入れていない。まだ4時前なので、とにかくホテル内をみんなで歩いてみる。姪だけは眠いのか、ついてこない。レストランでティンクリックを見つけた。聞いたら、もちろん弾いていいがバチ(ハンマー)は弾く人持参らしい。ふうむ。そういえば、私はもう少し重くて柄のしっかりしたバチを買うつもりだったのだ。あとで探してみよう。

エステというかスパというのかマッサージというのか、とにかくそういうパーラーの場所を見つける。ホテルのなかにマッサージの<マンダラ>(有名らしい)という店の支店があるのだ。<マンダラ・バンガロー>とは、たぶん関係ないんだろうな。それはともかく、ここで明日、わが3世代がエステにまみえるのだ。どーでもいいが。

CDを借りる。

ロビーに行ったら本棚はあったがCDの棚はない。フロントで聞くと、奥からラックごと出てきた。しかし、ほとんど(というか全部)がポップスなのでガムランをリクエストしたら2、3枚がようやく出てきた。一応書類に記入してサインして2枚を借り出す。試聴してよければ同じCDをおみやげに買おう、というのが姉の作戦らしいのだが、どうなることやら。

ここで部屋に帰ろうかと思ったら、予想外に元気な母と姉はこのまま外を歩きたい、という。そういうことであれば私が案内しないわけにはいくまい。10歳の甥にCDを託して部屋に戻らせ(こいつはどーせ、ずーっとプールに入っているに違いない)、3人で夕方の散歩ということになたった。

軽い散歩のはずが・・。

幸い、スコールはさっき降ったばかりだ(という油断が敗因だった)。メインロードに出て東へゆっくり20分歩くともう王宮、ウブドの中心だ。右手には市場。さらに東へ。小粒の雨が降り出した。「おいしいパン」まであと少し。しかし、あっという間に大雨になった。あわや、というところで<ガネシャ・ブックストア>に入っていたのだが、傘ももたない私たちは出られなくなった。なんで入ったかというと私がティンクリックのバチを探していたのだが。まあ、ここは面白いショップだし、いろいろあるので入門にはよいところだ。

3人で協議。私は、ここまで来たら本来は定宿にしている某ホームステイに挨拶に行きたい。で、大雨をついて私が姉を<ブッダ>へ連れて行き、そこで姉はパンを購入。母は<ガネシャ>で雨宿りしてもらって、姉が帰りにピックアップしていく。私は<ブッダ>で姉と別れて別行動する。・・という緊急行動計画を立てて実行。この段階に至ってこれぞスコール! という本降り。

さらにひどいスコールになった。

ひとりになった私は走る、走る。いかに雨期用に濡れてもいい格好とはいえ、気持ちがいいものではない。こんな車軸を流すような雨の時間に外に出ている人間はいない。いても傘をさしている。ようやく自分の阿呆さ加減に気がつき、道沿いの家の戸口で雨宿りさせていただく。

少し雨が弱まったような気がしてまた走り出す。やっと某ホームステイに着いたら、誰もいなかった。やっぱり私は阿呆かもしれない。こんなスコールの時には、フツーは屋内で休んでるわなあ。

クトゥと再会。

しばらくフロントで雨を避けていたら、「おにいちゃん」が出てきたので、ヤアヤアと挨拶し、クトゥを呼んでもらうことに。クトゥと世間話。レゲエのマデはいまやレストランを出店してオーナーになっているのだそうだ。このホームステイのマネージメントとバンドは引退したらしい。クトゥが飲み物をすすめてくれるが辞退していたら、「これがいいよ」といってウィスキーの瓶に入った怪しい酒を飲ませてくれた。雨に濡れた体には、たしかに最適。

やっと雨が上がってきた。新しいバンガローが出来たから見てくれ、というので見学。天蓋付きクイーンサイズのダブルベッド、丸石を敷き詰めたバスルーム。扉なども凝った木彫りで、1泊15万ルピアと、ここでは最高額。それでも<イバ>の30分の1の値段なのだが。

明日、ワヤンとアグースの写真を持ってまた来るよ、と約束する。雨上がりの道を<ブッダ>までクトゥがオートバイで送ってくれた。もちろん、すでに姉はいないので早足で追いかける。・・が、途中の楽器屋でティンクリックのバチを買う。店頭で少し叩いたが、あまりに下手で情けなくなった。しばらく遠ざかっていため、演奏に自信がもてないので思い切って叩けないのだ。

なにはともあれ素早く<イバ>に帰るとすでに6時10分過ぎ。みんなで<ブッダ>のパンを食っていた。私は急いでシャワーを浴びて着替え、出かける準備をする。

人気のガムラン「ティルタ・サリ」へ。

今日のメインイベント、「ティルタ・サリ」の公演へお出かけ。最大公約数でいえば、いまウブド、プリアタン界隈で(ということはバリ島で)もっとも人気・評価の高いガムラングループだ(個人的には「ヤマ・サリ」が演奏レヴェルとしてはトップだと思う。踊りは専門外なのでよくわからない)。

6時半にマデに来てもらう約束で、てんやわんやの末5分遅れでフロントへ行くとすでにマデが待っていた。会場のダラム・プリまで歩けば25分、車なら10分足らずで着く。が、ダラム・プリには人の気配がない。・・どうやら「ティルタ・サリ」の公演会場は去年の夏とは違っているらしい。近所の人に聞いてさらに車を走らせて、着いてみたらあまりに道が細くて車が渋滞していた。いくら生真面目なマデでも会場まで車で行くのは無理なので、途中で降りて歩く。帰りはプリアタンの通りに出たところで待ってもらうことにする。

開演35分前ですでに会場はかなり埋まっている。右手に少し高くなった席があったのでそこに4人座ってもらい、私は開演までは後ろの階段に座った。撮影をほぼ真横から狙うつもりなので、いまはどこでもいい。あとからどんどん客が増え、みんな勝手に椅子を持ってきて座っていくので、スペースがなくなっていく。そういう手もあったのか。客の半分以上は日本人。

なかには撮影のたびに前にでていくおじさんがいて(この人やたら目立っていた。5分に1回はフラッシュたくんだもの)、とくに若い踊り子だとニコニコしていたらしい(姉によれば)。

最後のバロンダンスが終わって外に出ると、星がきれいだった。スコールが雲を吹き飛ばしてくれたようだ。いまの日本ではなかなか体験できない暗闇のなか、人混みにまぎれることなくマデにも首尾よく落ち合って夕食へ。

幸せな時間。

私がたぶんウブドで一番好きなレストラン<バタン・ワル>だ。ここのルンダン・サピは絶品である。ヒンズー教なのに牛肉食っていいのか? と思うが、うまいから許す。すっかりいい気持ちになり、「なんでも質問していいぞ。ただし、オレの知らないことは聞くな!」と大言壮語する。いや、これは脅しか?

明日の夜はケチャ・ダンスを見に行く。歩いて行けないこともないが、帰りが暗くて心配なのでやっぱりマデに送迎を頼むことにする。明日はキンタマーニまで行く仕事が入っているそうなのだが「ダイジョーブよ、ダイジョーブ、じゃ6時ね」と屈託がない。

満足して帰ったら、プールには照明がついている。少し火照った体には冷たい水は気持ちよかろう・・と思うよりも先に、みんなプールに入っていた。わはははは。爽快だ。夜の谷に水しぶきをかけまくる。もちろん一番はしゃいだのは10歳の甥なのだが、こいつは私がひと睨みするだけで「あ、危険な感じがする」と言って逃げていく。こっちはゆっくり流れに身を任せているだけなのに、慌てるさまがおかしいので、ダースヴェイダーのテーマに乗って追いつめるとメチャクチャ受けた。明日は、もうちょっと演出を考えよう。ああ、阿呆な一家だ。

さすがに体が冷えたのでバスタブでお湯につかろうとしたら母と姉に先をこされた。さらに問題のエキストラベッドに横になったら、あまりにマットレスがふにゃふにゃで論外。結局キングサイズベッドの真ん中にクッションで壁を作って母と寝た。姉はリビングのソファで寝る、と言っていたがそれは寒いと思うぞ。

(3月30日の項、了)

photography and text by Takashi Kaneyama 2001


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