BON VOYAGE!

「哀愁のヨーロッパ」
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11月21日・(グラスゴー)→ロンドン「なぜかホームズ、そして脳嵐。」

10時間もかかった。

結局、ロンドンに着いたのは1時間40分ほど遅れた。車内で無理矢理寝たが、靴を脱げるような環境ではなかったのでゆるめただけ。着くまでは「ツーリスト・インフォーメーションが開くまで、どうしようか」と思っていたが、着いてみたらヴィクトリア駅ではもはや開いている時間だ。

オクスフォード・ロンドン間の時刻表をもらい、ツーリスト・インフォメーションでホテルを取ってもらう。さすがにブルームズベリでは高くなるのでベイズウォーターにする。1泊43ポンド、最寄り駅はパディントンと好都合だ。

スコットランド紙幣はどこで替えられるか? と聞いたら、イングランドでも通用する、替える必要はない、と断言された。建前はそうだろうけどさあ。まあ、使えそうなところで使っておこう。

やっと休める。

ちょうど9時半で、one day travel cardを買ってパディントンへ。Circle lineで乗り換えなしのはずだが、なかなかやって来ず、アナウンスのすすめに従ってDistrict lineに乗ってEarl's Courtで乗り換える。無事にパディントン駅からホテルに着いてチェックイン。テレビも電話もあるのだが・・・。モデムがつなげない。電話自体が壁に直付けなので、ネジ穴すらない(ドライバーでは役に立たない)。

ううむ。とにかく、PowerBookに写真を取り込んでおき、シャワーを浴びて休憩、着替え。ものすごく眠い。

シャーロック・ホームズはここ。

しかしどういうわけか、12時過ぎには出かけていた。今日のGIG会場の下見にKing's Crossへ行くつもりだったが、電車がベーカー・ストリート駅に止まると、つい降りてしまった。

シャーロック・ホームズ博物館。私が初めてロンドンへ来た頃はなかった。Baker Street 221Bという番地は架空なので撮影もできず、街並みだけ見て帰ったのだった。

おなかが空いた。しかし、ろくなところがない。土曜日のラグビー、England v. Argentinaのチケットを売っていたので値段を聞く。なんと100ポンド! 実際は20〜30ポンドで売り出したものだ。いくらsold outと言っても。電話して値段を確認してもらっても75ポンド。3倍では引き合わない。買わずに去る。

ここがWater Rats。

King's Cross駅から歩いてWater Rats Theatre発見。よしよし。そのときの様子はこちら。向かい側のケバブ屋で持ち帰りを作ってもらう。しかし、雨になったので立ち食いもままならぬ。なぜか、私がケバブを持ち帰りにすると雨が降るような気がする。アントワープでもそうだった。

テート・ブリテンへ。この場所へは14年ぶりか。なぜかテート・モダンへの道を聞かれ、教えてあげる。ちょうどブレイク展をやっていた。ここは、ターナーとかラファエル前派が有名だが、実はブレイクのコレクションが凄いのだ。詩も絵もいいが、今回印象的だったのは「芸術家は貧乏だ(った)」ということだ。

ターナーを流して見てから、お気に入りのロセッティ【プロセルピナ】へ向かうが・・・。ない。なんと時代別からテーマ別の構成に変更されていて、それはいいのだが、【プロセルピナ】がない。展示のローテーションなのだろうが。


これも有名な【オフィーリア】

ちょっと悔しかったので、ショップでポスターを買ってしまう。

ベンチに座ると数秒でウトウトしてしまうくらい眠い。限界だ。しかし、明日のためにインターネットカフェを探さねば。あ、サインをもらうためにノートも買わねば。

ビクトリア駅で降りてWHSmithでノートとサインペンを買う。パディントンの駅からホテルへ向かう途中でサンドイッチとジュースとチョコバーを買い、辺りを偵察して郵便局と(ちょっとぼろいが)インターネットカフェがあることを確認。ホテルに帰って今晩のために休憩。ああしんど。

そして11月最後のGIG。

というわけで、7時半に復活し、Water Ratsへ。ギネスを飲んで待っていたら金髪にテンガロンハット、胸には数珠という男から声を掛けられた。Music Pressを出しているWilliamだと言う。しかし、ジャーナリストというものではなく、日曜日にハイドパークのスピーカーズ・コーナーで演説しているらしい。彼は「音楽がなければ生きていけない」という、まるでTower Recordsの回し者のようなの主張をずっとするのであった。

話をする分には面白かったのだが、最初のバンドTransmissionで彼が孤独に踊っているさまは、哀愁を誘った。路上であれをやったら、絶対に不審尋問される。「できればNO-ARASHIのときにはやめてほしいなあ」と思いつつ、彼は陽気に「なあ、次の日本のバンドは踊れる曲かい?」と聞いてくるのであった。

そうはいいつつ、ちょっとリラックスしてNO-ARASHI3回目のGIGの模様はこちら

photography and text by Takashi Kaneyama 2000

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