この前、ジンさんの修行に付き合ったときのことです。
向かった先はロング。私たちはその異様な門をくぐり、さらにダンジョンの奥へ、暗がりの中へと歩を進めました。
…その時です。突然、私は体の自由が利かなくなっていました。まるで時が止まったかのように、私の体は暗がりの一歩手前で動こうとしません。いや、体の自由だけではなく、感覚そのものが喪失していました。
手前で止まった? いや、前に進んでいる!
長い空白
…そして………動ける!
同時に襲ってきた突然の激痛。…驚きとともに開いた私の目に、ロングのダンジョンの薄暗い景色と、高笑いを上げるジュカロードの姿が飛び込んできました。
そして、足元にしたたる自分の血も。
昏倒し、崩れ落ちた私は、空白の時間のうちに自分がすでにダンジョンに足を踏み入れていたこと、そしてその間にジュカロードに襲われていたことに気付きました。
…その後、私はジンさんに救われましたが、あの体験を、体の自由がなくなり感覚が消え失せてしまった時間を、今でも忘れることはできません。
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