ユーで蚤の市が開かれました。
広場には多くの人々が集い、鍛冶屋が、冒険家が、詩人が、思い思いのものを売り、戦士の町はいつにない活気と賑いを見せています。
あまりの人の多さに、私は仲間と離れて一人、広場から外れたところでその光景を眺めることにしました。
ふと気が付くと、黒い鎧の騎士が人ごみを抜け、私の横に馬を進めてきました。手に一枚の古びた地図を持って。
「ジギー、白髭のオヤジから宝の地図を買ってみたんだ。今度一緒にどうだい?」
その黒い騎士は、一緒にユーに来たマスターでした。もちろん、私の返事は決まっています。新たな詩の題材を得て、私が断るわけがありません。
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