◆ 魔女 第1集 / 五十嵐 大介 ◆
![Witches [1] / Daisuke Igarashi](Witches1_s.jpg)
作品名 : 魔女 第1集
著 者 : 五十嵐 大介
発行所 : 小学館
定 価 : 629 円(税別)
2004/06/01 初版第1刷発行、2004/06/05 第2刷発行
ISBN4-09-188461-X C9979 \629E
- ── 目次 ──
- 第1抄 SPINDLE -前編-
- SPINDLE -後編-
- 第2抄 KUARUPU
- 騎鳥魔女
月刊 IKKI 連載中。第1集となっているが、「魔女」が登場する
読み切りの中編と短編からなる。
五十嵐大介の絵は大好きなので
「そらトびタマシイ」(2002)
以来久しぶりに単行本が読めて嬉しい。
自然物の描写がすばらしく、一段と絵がうまくなっているし、
彼の一貫したテーマである「人間には未知な大いなる力」を感じさせる
ストーリーが深くていい。
「SPINDLE」:
西洋と東洋の向かい合う街に現れた「魔女」ニコラと、
遊牧民の「伝言者」シラルの運命に導かれた対面。
どんなに強大な魔法も、なくしたものを埋め合わせることはできない。
人間に触れることができるもの、できないもの。
この本を読んでしばらくして、
トルコ・イスタンブール
へ旅行しました。この話に登場する建物や街の情景(アヤソフィア、
グランドバザール、地下宮殿、ガラタ橋など)がそのままで、旅行も楽しくなったし、
一段と作品への理解が増しました。
「KURARUPU」:
熱帯雨林に迫り来る開発の波。愛するものを奪われた呪術師クマリが
精霊の力を得て、近代兵器を備えた軍隊を迎え撃つ。
このラストのページ、呪いをかけられるような痛烈さ、忘れてはいけない。
「騎鳥魔女」:
こんな魔女なら会ってみたい。
◆ 魔女 第2集 / 五十嵐 大介 ◆
![Witches [2] / Daisuke Igarashi](Witches2_s.jpg)
作品名 : 魔女 第2集
著 者 : 五十嵐 大介
発行所 : 小学館
定 価 : 629 円(税別)
2005/03/01 初版第1刷発行
ISBN4-09-188462-8 C9979 \629E
- ── 目次 ──
- 第3抄 PETRA GENITALIX
- 第4抄 うたぬすびと
- ビーチ
「魔女 第1集」
に続き、すんばらしい作品が届けられました。
中編の各物語に、異なる場所の異なったタイプの「魔女」が登場します。
第1集に登場した魔女たちは、世界に満ちる力を自らの欲望や復讐のために
利用しようとしましたが、第2集に登場する魔女たちは、
「大いなる力」や「世界のリズム」を体で知り・感じ、一体となって
その「流れ」に従っていきます。
「大いなる魔女」ミラに訪れる運命、「うた」に目覚めた ひなた に訪れる運命、
それは悲劇ではあるけれども、そうなるべくしてなったこと。
彼女ら自身が選んだこと。物語は深い教訓を示唆しています。
相変わらず、五十嵐大介の持ち味である人物と自然の描写がすばらしい。
「うたぬすびと」に出てくる南の島の描写は、
僕が旅したことのあるあちこちの情景 を思い出させました。
第8回 文化庁メディア芸術祭 漫画部門優秀賞 「魔女」
2004/12/15 Takakuni Minewaki
2008/02/14 last modified Takakuni Minewaki
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