◆ そらトびタマシイ / 五十嵐 大介 ◆
作品名 : 五十嵐大介作品集 そらトびタマシイ
著 者 : 五十嵐 大介
発行所 : 講談社
定 価 : 876 円（税別）
2002/08/23 第１刷発行
ISBN4-06-334583-1 C9979 \876E (0)
月刊アフタヌーンでの「はなしっぱなし」 の連載が終ってから、作品がなかなか発表されなくて残念でしたが、 １年に１作品くらいづつ、アフタヌーンに不定期で中編が掲載されていました。 それらをまとめて、やっと６年ぶりに単行本が出た。嬉しい。
1998〜2002 年の４作品がメインで、すごくいい。 自然物の描写のうまさは相変わらずだが、その上にストーリーがいい。 時間をかけただけドラマが練られているということか。 あちこちに非日常的な怪しいものたちが登場します。 人間達はそれぞれ誰も心底悪くはないんだけど、それぞれの思いが絡み合って、 切ないストーリーが展開されます。
特に「すなかけ」は心を打つ。貧しくても夢を追いかけるイトーさん、 生まれつきの辛い体質を抱えて生きる珠子さん。 優しい２人のお互いへの強い思い、それゆえに起こってしまう、 どうしようもない事件。その一瞬の美しさ。胸が詰まる。
- 産土 ［モーニング 1998/02,03 合併号］
- そらトびタマシイ ［アフタヌーン 1998/05号］
- 熊殺し神盗み太郎の涙 ［アフタヌーン 1999/06号］
- すなかけ ［アフタヌーン 2000/08号］
- le pain et le chat（パンと猫） ［アフタヌーン 2002/06号］
- 未だ冬 ［アフタヌーン四季賞1993冬大賞］