善光寺・渋峠・芳ヶ 平・草津温泉・法師温泉

長崎出身の原氏から「スコットランドの友人が信州にほれ込んで移住した。信州はあなたの郷里だろう。どんな ところか案内してくれないか」と要請されたのが 事の発端。『そんな素晴らしいところなら東京に出てはこないよ』と思いつつ。標準コースとして善光 寺に参拝し、志賀高原に遊べばよいだろうと判断。ただこの歳で志賀高原の沼地の散策など無理。そこで渋峠まで長野電鉄とバスを乗り継いでゆき、山小屋一 泊。そこから芳ヶ平(よしがだいら)を 下って、草 津温泉で汗を流すのがよかろうと考えた。ただそのまま帰るのも少し物足りない。若い時スキーの宿とした法師温泉のあの「法師の湯」につかりたい。草津から 法師温泉にJRとバスを乗り継いで移動する計画をたてたが、草津から参加する安井さんがバンで法師温泉への移動をしてくれるという。ならば、もう一度志賀 高原に戻り、奥志賀に渡り、雑魚川を下って秋山郷にでる。ここから中津川沿いに北上し、信濃川に出て、反転、十二峠と三国峠越えて法師温泉に至るルートを とることにした。回り道で走行距離は2倍以上になるが、高原走行を堪能できる。

渋峠と草津の距離7km、標高差900m、草津から法師まで186km、標高差2,000mである。


第一日(2015/7/29 水)


東京駅7:52発→(新幹線はくたか553)→着9:19長野駅 7,680円

コインロッカーにザックを預け、サブザックにペットボトルを入れて徒歩で善光寺参詣。駅から中央通りを登り参詣するのは二度目の経験。途中、刈萱山に 参拝。頼 朝の駒返り橋から入り、宿坊街を通り、大本願→仁王門→仲見世→釈迦堂→釈迦堂→大勧進→山門→本堂と歩く。本堂は撞木造りで東日本一の規模。全部歩いて みると、さすが552年の仏教伝来の折りに百済から日本へ伝えられた日本最古の仏像といわれている 本尊阿弥陀如来を抱える大寺院であることが実感される。本堂では内陣参拝とお戒壇めぐりをした。お戒壇めぐりは2度目だが、U字型になっていることが分 かった。



善光寺本堂 2002年8月撮影

仲見世街で長野北高時代の同期生原氏が経営する「つち茂」 物産店で「やま柿」という菓子を土産に買う。



つち茂にて 榎本撮影


蕎麦屋は定休日のためかほとんど営業しておらず、駅ビル内のグリル「ザ・ブッチャー」でカレーライスの昼食を急いで摂って長野電鉄の特急に乗る。



長野電鉄特急 和田撮影


長野駅13:28発→(長野電鉄特急)→着14:15湯田中駅  1,269円

湯田中駅14:20発→(長野電鉄バス)→着15:18渋峠  1,650円

バスの切符は湯田中駅でしか売っていない。高原だけ走るローカル仕様のためか空調機無しのバスであった。快晴では停車中は車内の温度が上がる。長野 駅からのバスなら空調機がついていたであろう。蓮池ターミナルに立ち寄った後、木戸池にも立ち寄る。木戸池温泉ホテルは2010年8月1-2日に志賀山登山の基地に したところだ。

バスは渋峠ホテル前につく。荷物を置いて渋峠」ロマンスリフトで志賀高原最高峰の横 手山(2,304m)山頂に向かう。午後4:00にはリフトが停まるというので片道切符で上り、ホテルに歩 いて戻ることにする。ロマンスリフトを降りて横手山スカイペアリフトの展望台に向かう。山頂はガス におおわれ、眺望は絶望的。



展望台にて 和田撮影

天気がよければ展望台から西側に見えたであろう景色は2001年の発哺温泉・横手山周遊の 折り撮影した下の写真のとおり。眼下に熊の湯、硯川、渋池 中景の左端は笠ヶ岳(2,075m)。笠ヶ岳の向こうに飯綱山 (1,917m)。その右手のスカイラインは戸隠山(1,904m)、焼山(2,400m)、妙高山(2,454m)。妙高の 右下は、斑尾山(1,382m)。飯綱山の背後に白馬連峰の稜線が見える。



横手山山頂より西方を望む 2001/10/15撮影

展望台から南側に見えたであ ろう景色は下の写真のとおり。左より褐色の白根 山その。奥に本白根山、中央に根子岳と四阿山。右端は笠が岳。はるか彼方に浅間山・前掛 山・篭ノ登山・湯ノ丸山。



横手山より南方面を望む 2001/10/15撮影 

帰路、渋峠ホテルに向かってリフトに沿って下り始めたが、途中、道を間違え、横手山三角点 (2,305m)のある横手山神社に出てしまった。



横手山山頂にて


山頂直下は絶壁となっている。あわてて戻り、リフトにそって斜面を下る。ニッコウキスゲが真っ 盛り。



ニッコウキスゲの咲く斜面を下る 和田撮影

暗くなる前に無事、渋峠ホテルに帰着。(Hotel Serial No.535)宿泊者は我々だけであった。トイレ付8 畳和室x2 税込み料金11,340円x5名。15:00チェックイン、10:00チェック アウト。

4:30に日の出をみようと起きてみたが濃いガスのため何も見えず。ホテルは大型のゴールデ ン・レトリバー2匹が門番をしていた。



日の出をみようと起きてはみたが


第二日(7/30木)

渋峠から草津にいたる国道は4月24日(金)冬季閉鎖を解き、再開通したが白根火山周辺の国道292号は 交通規制のため、定期バスは走っていない。白根火山のや周辺が立ち入り禁止でも、芳ヶ平から草津温泉には直接徒歩で下れる。1 週間前に芳ヶ平ヒュッテ(090-4060-6855)に営業確認したところ、30日は薪を取りにでかけるので昼食の用意はできないとのこと。したがって 渋峠ホテルで弁当を作ってもらう。渋峠ホテルは群馬県と長野県の境に建っている。固定資産税はそれぞれに支払っているという。9:00ホテル出発。

今日のコースは

渋峠ホテル発⇒芳ヶ平散策(標高差340m)⇒12:00芳ヶ平ヒュッテで昼食⇒草津高原ゴルフ場→草津温泉湯畑近くの「一井」。総距離7.92km、累 積下り900m、累積登り49mである。ひざ痛が予想されるので、サポーターで固め、スパッツを着用。白根山の噴石防護として登山用ヘルを着用。



草津から参加の鎌倉在住の安井氏は「圏央道」を使って、北上し、 富岡製糸場を経由、草津温泉のホテル「一井」で合流予定。



渋峠ホテルに

渋峠ホテル前から芳ヶ平に向かって下り始める。長野に里帰りした帰り道にこの国道の最高 点を通過したことがあり、そのとき、国道最高点 (2,170m)から俯瞰した芳ヶ平(下の写真)をみていつかここを下ろうと決意したのが実ったのである。ちょうど今年の5月にラムサール条約に登録され た記念すべき時にここを歩くことができたのだ。下の写真は2010年11月8日にハーレーダ ビッドソングループの旅の折り撮影したものである。

渋峠からの下りはしかし樹林帯のなかで見晴しはよくない。



国道最高点から俯瞰する芳ヶ平 2010年11月8日撮影

途 中、芳ヶ平への中間点でダマシ平を通過する。スキーヤーがここを芳ヶ平と勘違いして危険なガラン沢に降りて遭難するのでそう名付けられたという。ここか ら噴煙を上げる白根山が眼前に見え、芳ヶ平が眼下に見える。



ダマシ平から白根山と芳ヶ平を望む


更に木道を下る と芳ヶ平に出る。ここからは白根山は辛うじて頭を出している程度。



芳ヶ平から白根山を望む


一旦、沢に下って登りなおせば芳ヶ平である。



木道を登る


芳ヶ 平とは葦の生える平という意味がわかる。ギボウシの咲く、葦原の向こうに国道が走る山が見える。



芳ヶ平の芦原から国道を見上げる


芳ヶ平ヒュッテで昼 食をとる。

白根山方向の散策路は通行禁止となっている。草津高原ゴルフ場に向かって下りを続行。桜清水、横笹分岐を過ぎて毒水沢を渡る。一本松を過ぎ、香草にいたる とナイフエッジ状の地形を通過する。やがて左側にゴルフ場が見えてくる。

参加メンバーのほとんどは900mの下りに起因するひざ痛に苦しんだ。できるだけゆっくり下り、休憩をたくさんとる。電話で安井氏に連絡し、草津高原ゴル フ場に迎えに来るように依頼する。

めでたく草津高原ゴルフ場アクセ ス道路で安井氏に拾ってもらい、 湯畑近くの「一井」着夕食時にい た だいた、フローズン・ビール が絶品。

6名。4月朝・夜バイキン グ +部屋の好みなし、最悪食堂までエレベーター乗継8分、2部屋最低料金で4名部屋(11,500+150)x4、2人部屋(13,500+150)x2。 車1台駐車可。チェックイン2:00、チェックアウト10:00
(Hotel Serial No.536)



湯畑の石灯篭 2010年11月8日撮影

第三日(7/31金)

今日は安井氏の8人乗りのワゴン車で志賀高原経由法師温泉温泉まで全員異動。そのルートは

草津温泉→(国道292)→渋峠→志賀高原→奥志賀→雑魚川林道→切明温泉→(秋山郷中津川下り 国道405)→(信濃川流域下り 国道117)→(国道 353)→十二峠越え→塩沢石打→(関越自動車道)→湯沢→三国街道→三国峠→法師温泉

国道292号(志賀草津高原ルート)の白根山頂付近(群馬県)は、草津白根山の火山性地震の増加により2014年8月5日から全面通行止めとなっていた が、火山活動が沈静化したため、2014年8月23日から自家用車の行が可能となった。朝8:00-夕5:00のみ通過は OK。しかし停車禁止。道路工事が進行中でかつ監視員も多いのでもくもくと通過することになる。




292号線とロープウェイ 2010年11月8日撮影

ロープウェイは部分的に稼働している。坂を上りきり、白根山の西側に出ると山田峠のなだらかな草原とその 向こうに横手山の山頂が見える。東 側 の荒涼として風景から緑の絨毯におおわれた心休まる景色にかわる。



山田峠


山田 峠を過ぎ、白根山がよく見える路 傍に駐車して記念撮影。



白根山を背に


渋峠ホテル前を通過して横手山山頂直下の路肩に駐車して山 頂を見上げる。横手山三角点直下の崖が見えた。



横手山山頂を望む


更にしばらく行くと「のぞき」に横手山ドライブインがあった。1998年8月にハーレー ダビッドソンで小休止したところだ。ここで小休止。



横手山ドライブイン


丸池に立ち寄った後、奥志賀に向かう。メンバーの一人が知っているホテル・グランフェニッ クス 奥志賀に立ち寄り、ロビーで小休止。(Hotel Serial No.537)



ホテル・グランフェニックスにて


雑 魚川の北岸に付けられた雑魚川林道を下り、大滝に向かう。林道脇の駐車場に車を止め、案内地図を見たのち川原に下る。雑魚 川 は奥志賀の水を集めて秋山郷の中津川に流れ込む川である。ならば水 は左手に向かって流れるはずなのに右に向かって流れている。 アレ!秋山郷のほうが奥志賀より標高が高いことになると頭の中が混乱。後で「山と高原地図」を見てわかったのだが、降りた川は雑魚川ではなく、その支流の サラサラ川であった。案内地図に 従えば左手に大滝があることにな るのでサラサラ川を遡ることにな る。しかし大滝は本流の雑魚川に かかる滝なのだ。反対側に30分 も歩いてこの大滝を見つける。滝は石灰岩層でできたようだ。



大滝


雑 魚川林道を更に下ると路傍に鳥 甲(と りかぶと)山 の鬼沢に雪渓を見つけた。近寄ると冷たい空気が流れだしてくる。



鳥甲
山の雪 渓 安井撮影

雑魚川が人造湖の野反湖(の ぞりこ)か ら流れる魚野川とに合流して中津川になる地点に切 明温泉がある。巨大な水力発電の 水管は東電の切明発電所 (20MW)のものだ。切明発電 所は野 反湖から放流された水を渋沢ダムで取水している。雑魚川大滝の下流にも雑魚川取り入れ口があるがこの水は渋沢ダムの取水と混ぜて使われるのだろうか?

切明温泉では河原の露天風呂を楽しむ。




河原の露天風呂  榎本撮影

国道405で秋山郷を北上、苗場山登山口に向かって登り、大ゼンノ滝(大瀬の滝)を見る。 苗場山登山者のための駐車場はこの上にあるので、2004年10月の苗場山登 山時は気が付かず通り過 ぎたと思われる。

苗場登山のために、軽井沢から飯山経由中津川流域に入り、夜間走行して秋山郷に分け入った時は、中津川の川底を走ったとい う認 識は全く間違いで、かなり高い斜面を走っていたと初めて知る。鋭いV字渓谷で下には道はつけられないのだ。




大ゼンノ滝


信濃川流域にでて国道117号を 下り、中里町で右折し国道353 号を十二峠に向かう。塩沢石打で国道17号に合流。湯沢から三 国街道を登り三国峠に向かう。そこでガソリン切れの警告がでる。苗場でようやく給油できる。三国峠のトンネルを出て法師温泉に向かう途中、小熊が道路を横 切るのを目撃。

法師温泉長寿館泊。(Hotel Serial No.538)午后3:00チェックイン、午前10:30 チェックアウト。予約完了。2食付税別2人部屋8畳 18,000円 x2名、4人部屋8畳14,000円x4名、宿泊代金は全員で均等割りとする。合計6名。

第四日(8/1土)

早 朝、法師温泉周辺を散策。長寿館は大きく3つの部分から構成されている。中心が本館で受け付け、売店、法師の湯、食堂はここにある。我々が泊った部屋は 川を渡った別館にあった。法隆殿は本館を挟んで鏡像の位置にある。

法師温泉は国鉄が1982年に放映した上原謙(72才)と高峰三枝子(62才)のフルムー ンCMで有名なところだ。その撮影がされた法師の湯がそのままの状態で現役である。



法師の湯


ロビーでは薪で沸かした湯で茶をたててくれる。



囲炉裏でお茶のサービス




法師温泉

法師温泉9:00→(ワゴン車)→ 上毛高原

上毛高原10:41発→(上越新幹線とき320号)→着13:20 東京

参加メンバー

和田、榎本、小粥、安井、原、青木 6名

2018/1/23 本白根 山の鏡池と白根火山ロープウェイ付近で水蒸気噴 火があり死者もでた。1,500年ぶりの噴火と言う。下の地図は
2015年当時、我々が通過した草津から渋峠に登る道路は本白根山が危険地域にしていされていなかったのだが本当は 危険だったということになる。




March 9, 2015

Rev. January 25, 2018