ロンドン , コッツウォルド、ウェールズ

グリーンウッド夫妻は2002年6月、かって滞在した英国に29年ぶりに一緒に訪れた。グリーンウッド氏はビジネスで何度も英国を訪問しているが、古巣の英国に行きたいという夫人の運転手兼ポーターとしてのお供をしての3週間の旅である。１週間はかっての滞在地ロンドンの再訪、その後１週間ずつコッツウォルドとウェールズを廻った。

ルート図

ロンドンではテームズ河南岸が再開発されて大きく変わっていた。かっての石炭火力発電所から機械装置類を撤去して空に なったレンガ建の建物が、レストラン、フラット、美術館に生まれ変わっている。英国航空はロンドン・アイという巨大な方持ちの観覧車をビッグベンのまん前 に作ってしまった。テームズ河南岸から、セントポール寺院に渡る歩行者専用の橋も架けられた。

同世代ですでに引退してハンプトンやデボンで悠々自適のかっての隣人達と旧交を温めて、みなさん結構優雅に余生をエン ジョイしているのを確認した。かって住んだマーブルアーチ付近のフラットやハンプトンの家を見に行って健在であることを確認した。グリーンウッド氏のかっ ての職場であったポートマンスクエアとハマースミスの某米国エンジニアリング企業のオフィスも確認した。

コッツウォルドとウェールズは29年前の滞在時に訪れることができなかったところだからいちど訪れてみたいと思ってい た。ガーデニングに凝っている夫人の希望も入れてコッツウォルドとウェールズの田舎町や主要なマナーハウス(荘園領主の館)、カントリーハウス（貴族や実 業家が田舎に所有する私邸）およびその庭園（ガーデン）をレンタカーで毎日2−3箇所訪問してあるいた。グリーンウッド氏はバイクで走ったら気分爽快だろ うなとおもいつつ、コッツウォルドの丘陵地帯とウエールズの山岳地帯の曲がりくねる田舎をなめるように走行し、モーターウエイではヴォークゾール、オメガ 2.2CDX で時速100マイルの流れるように静かな走行を楽しんだ。ジープではこうは行かない。総走行距離690マイル。地図も持たずに出発し、地図を買い足ししな がら、道を聞きながら、辺鄙な場所の小さなカントリーハウスやガーデンを探し出す自信だけは得た。コッツウォルドは女性専科でハーレー野郎は顰蹙ものだ が、ウエールズはバイク走行に最適との印象を持った。英国滞在中、ハーレーはついに１台だけしか見なかった。ウエールズでは孤独なライダーに大勢会った。 日本人の好きなグループ走行にはなぜか一度も会わなかった。

グリーンウッド氏は乗り物が大好きである。英国には産業革命時代に発達した蒸気機関車駆動の鉄道と運河が今も観光産業と して維持されている。英国での最高峰のスノードン山山頂直下まで小型蒸気機関車が客車を押し上げるアブト式の1896年開通の狭軌の登山鉄道がある。運転 開始直後、機関車が脱線して死亡事故を起したことはあるが、その後は無事故という。山頂近くの痩せ尾根を走るスリルもまた格別。幼年期のなつかしい記憶を 思い起こさせる蒸気機関車の煙の臭いをかぎながら、のどかな往復2時間を楽しんだ。ウェールズの山岳地帯からスレートと石炭をイングランドに運ぶ運河は谷 に橋をかけて渡る。これをアクアダクトと呼び今も使われている。運河専用のナローボートでアクアダクトまで片道2時間の旅も楽しんだ。馬で引くナローボー トもある。

ロンドン滞在中、ちょうど英国がアルゼンチンに勝った。観劇後外に出ると若者が白地の赤十字のセントジョージ旗を振ってトラファルガースクエア、ピカデ リーサーカス、レスタースクエアではしゃいでいた。元隣人が「もし日本と英国が勝ち続ければいずれ対戦することになるね」といったとき「そうなったら旅を 中断して英国を脱出するよ」とおもわず言った位、ボルテージは上がっていた。ワールドカップのおかげで日本は大変好ましい人々の住む国と新聞でもTVでも 盛んに報道されていた。

今回の旅でグリーンウッド夫妻は680枚の写真と5時間を越える記録ビデオを撮影し、3部構成の紀行文を書いた。

ロンドン 紀行 (340kb)

コッツウォルド紀行 (740kb)

ウェールズ紀行 (510kb)

記録ビデオのビデオクリップ

グリーンウッド氏はケンブリッジは前に訪れたが、それより北西のフェンランドという低湿地帯は今だ未踏の地として残されている。ヘミングフォード・グレイのマナーハウスなどいつか訪問してみたいところだ。

6月は日本では梅雨だが向こうでは新緑で、雨が時々降るがすぐ晴れるため、観光には最適。梅雨のため留守宅の庭の花に水 をやらずとも枯れないのも利点の一つ。留守にしておいて困ったことは、庭木がジャングルのように伸びてしまう、スズメの一家がバスルームの換気扇に巣を造 り、雛を孵して、ファンが使えない、洗面の水封の水が蒸発して不足してシールが切れ、下水管の悪臭が手洗い室内に逆流するなどであった。洗面を使えば水封 はただちに確保されるのだが、来客用の洗面台は常時使用しないため、原因解明に時間がかかった。

主要訪問場所

どこを訪れるべきか決めるのに参考とした資料は英国観光庁の発行しているパンフレットである。

B&Bの予約は庭園愛好者のためのベッドアンドブレックファストでおこなった。

June 27 2002

Rev. January 14, 2018