ミラークラス・ディンギー

1973年、英国駐在時代テムズ河畔で見たガフリグのミラーディンギーをグリーンウッド氏が自作。 英国ジャックホルト設計のスティッチアンドグルー工法のユニークなディンギーである。ベガII世号と命名し、江ノ島で進水した。この処女航海の時、海側か ら七里ヶ浜の丘の上に展開する住宅地を見て、あのような所に住みたいと思った。その時はただの夢と思ったが、幸運にもその場所に永住の地をみつけることが 出来た。ベガII世号は今もガレージで健在である。

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ベガII世号 (清水広良氏のイラストのカリカチュア)

遠目にはバイキングレッドの二枚帆のスループであるが、ガフリグで伊勢船やジャンク船のようにバウカットされた古式なデザインを楽しめる。ハルからマストまで全て木製である。デッキはニス仕上げで木目が見えるため、心が休まる。

カートップして江ノ島、七里ヶ浜、山中湖、野尻湖で。またミラークラス・オーナーの集まり日本ミラークラス協会が企画した三浦半島の三戸浜・久里浜、霞ヶ浦などでセーリングを楽しんだ。

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霞ヶ浦で

カートップしてどこにでも

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野尻湖の桟橋に着桟

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野尻湖の桟橋

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野尻湖畔でのキャンプ

1973年のロンドン滞在時、近所に住んでいたボルジャー氏もボートを手に入れたと写真を送ってくれたが、セールを除きミラーそっくりである。ボルジャー氏も2001年には帰らぬ人となった。

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ケビン・ボルジャー氏のミラー?

自作の デンギー で相模湾をクルージングしていたら、丁度昭和天皇の崩御の日に眼前を黒い小さな物体が眼前を横切っている。こちらは舵を切ってくれるかと一瞬頭をよぎった がすぐその下には同じ黒い船体が水面下にあることに気がつき、いそいで舵を切った。そのときセールの上から我々を見下ろししていたのは日本士官である。な ぜこの天皇崩御の日にこの狭い江ノ島の奥に入ってきたのかと一瞬おもった。

32年後の2021年にはオーストラリアがフランスとの契約を破棄して従来型潜水艦から原子力潜水艦へのアップグレードを決めた。

1975年に居間で建造したディンギはガレージの屋根裏につるして保管しておいた。2019年に運 転免許免許を取り消し、ジープを手放しため、ボートを地面に降ろして保管することにした。点検するとすべて使える状態である。ただ木製マストを建てるため の合成繊維製のShroudsとForestayは劣化して最近粉となってしまった。しかし5mmのロープで簡単に2本のシャラウドと1本のフォアステイは簡単に作れる。自然素材の木綿のバンドは 44年間 耐えて持った。


2019年の現状



Rev. September 28, 2021


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