北海道ツーリング

2001年

2001年9月中旬、ロータリークラブ・ハーレー会が北海道バイク・ツーリングを行った。全走行距離3,500km。全日程10日間であった。秋雨前線と台風により全行程、雨の中であった。走行距離、期間に関し、前年の米国遠征を上回った。

赤色ルート

今回の携行荷物

第1日 9月7日(金)

6:00七里ヶ浜の自宅発、オドメーター24,971km

久しぶりのバイクでかつ単独行のため、休みを取りながらゆっくり走る。横浜で少雨。平地の気温は22度C。那須高原では17oCまで下がり、雨となる。仙台以北の東北道は初体験。古川近くの平原は美しい。盛岡近くで再び雨になる。

17:30盛岡着、(631km、平均55kmh)、パシフィックホテル盛岡泊 パシフィックホテル盛岡は郵便局の隣のため郵便局の車に先導してもらう。 (Hotel Serial No.193)

第2日(土)

5:45盛岡発、オドメーター25,602km

雨の中の出発。滝沢ICから松尾八幡平ICにかけて交通事故による全面交通止めにより一般道を走る。 岩手山らしき山の裾野がちらちら目に入るが山頂は雲の中だ。予定より1時間早く出発した判断に感謝。滝沢ICから282号線に入るのはしばらく反対方向に走るためむずかしい。

8:20青森着、フェリー切符売り場で女性同伴の中本氏と偶然一緒になる。酸ヶ湯経由で来たという。

9:10青森発(東日本フェリー、予約番号KO-440、電話:青森017-782-3631)フェリー船中で朝食。4時間の船旅では全国の競馬用厩舎に自家製と輸入牧草を供給している中島牧場代表の中島氏に詳しい業界事情を聞く。

hkodate.jpg (12870 バイト)

函館山

フェリーが函館に近づくころには雨は上がった。

12:50函館着、中本氏と函館の朝市で昼食。店はきたないが味は大変よろしい。

14:00函館発。暫定無料の函館新道に入る。小沼付近で雨になる。長万部手前の5号線は美しい海岸線に沿って快適な走行。巨大隕石の衝突跡ともいわれる噴火湾の円形の海岸線に沿っている。

長万部から道央自動車道に乗る。室蘭で札幌に直行する中本氏と別れる。室蘭ICから室蘭市に入るところでは右折すべきと ころを左折し、白鳥大橋に出て町の反対側の祝津に出てしまう。町に不釣合いな白鳥大橋は霧の中に消えており、強い風雨の中をこの巨大な吊り橋を渡るのは危 険と判断。再度渡ることを避けたが、おかげで雨の夜間、余計な回り道をしなければならなかった。おかげで、日本製鋼所、新日本製鉄など北海道の製鉄、重化 学工業地帯をつぶさに視察できた。

18:30室蘭着。室蘭グリーンホテル泊 (Hotel Serial No.194)

第3日(日)

8:00室蘭発、オドメーター26,022km

はげしい雨の中、室蘭から苫小牧まで単独で普通道36号線をノンストップで走破。

9:30苫小牧港着(65km、平均43kmh)

10:45飯塚、斎藤苫小牧港着(仙台発太平洋フェリー)。フェリーターミナルで昼食。12:10千歳着の大須賀氏は中本、押川両氏が出迎える手はず。

12:00飯塚、斎藤、青木組は雨中、苫小牧港発、オドメーター26,087km。暫定無料の日高自動車道を走る。浜厚真付近で雨が上がる。浦河国道235号線を南下開始。汐見付近で汐見港と美しい牧場を視察。

farm.jpg (15473 バイト)

汐見付近の牧場

新冠へ向かう道では折からの秋雨前線の影響で荒れる太平洋の潮を浴びて走行。新冠町でレコードセンターの展望台でコーヒー休止。田舎町にしては10億円を下らない立派な施設でビックリ。競馬馬の生産で潤っているのか?

urakawa.jpg (15828 バイト)

新冠へ向かう道

16:30三石町にある三石温泉着。ここの湯につかりながら中本、押川、大須賀組と合流を待つ。三石温泉は国道235号線沿い海側の大浴場から太平洋が見渡せる風呂。(Hot spring Serial No.161) 近くには三石海浜公園オートキャンプ場がある。(Camp Site Serial No.202)

18:00浦河着、浦河ウェリントンホテル泊(143km、平均24kmh)玄関の軒下駐車であったが、潮風で愛車は一 晩中濡れていた。ウェリントンホテル建設時、道路の幅を広げ、道路沿いの家を補助金で新築したとのことで田舎町に不釣合いな真新しい町並みとなっている。 JA経営のスーパーも驚くほど広い割りに客数は少なく、他人事ながらいささか心配。 (Hotel Serial No.195)

第4日(月)

8:00浦河発、オドメーター26,230km

雨の中、336号線を南下。日高耶馬溪という難所を通過。花で有名なアポイ岳が海に削られて崖になっているところだ。襟裳の町は思ったより大きい。ここから県道34号線で襟裳岬を訪れる。深い霧でなにも見えず、走行も超低速。

erimo.jpg (16079 バイト)

襟裳岬で (中本氏撮影)

襟裳岬の東海岸はNHK-TVでも紹介された植林地帯が育ちつつある。これは育った暁には普通の森林のようになるだろう と予感された。風景としては現在の荒涼とした荒地の方が見晴らしもきき、異国情緒があって好ましい。黄金道路経由十勝港のある広尾町に向かう。途中荒れる 海岸でコンブ取りをしている人々を散見する。黄金道路は黄金を敷き詰める位金がかかるという意味でつけられたと言われるが、今も落石シェルターを追加中で いずれ全て落石シェルターの中を走ることになりそう。太平洋の荒波が岸で砕け、発生したシブキの中を走行。広尾から釧路に至る336号線と38号線は雨も 小降りとなり、何もない原野の中を快適に走行。

白糠町で昼食。

釧路を過ぎ、44号線沿いには自然のままに厚岸近くの原野の中を蛇行する川と湿原が広がりすばらしい。霧多布岬はパス。根室直前で飯塚氏の弱っていたバイクのバッテリーがランプの点灯し過ぎで上がる。押しがけでエンジン始動。

18:30いさり火で空が明るい根室着(387km、平均37kmh) イーストハーバーホテル泊。 (Hotel Serial No.196) イーストハーバーホテルには雨除け駐車場がないため近くのサービスステーションにバイク保管とバッテリー充電を依頼。

根室への低い丘がうねるアプローチはアンカレッジを連想させた。

第5日(火)

8:00根室発、オドメーター26,617km

雨のため、納沙布岬、野付半島、知床半島は全てパス。根室を出てすぐ温根沼を渡るがここの風景は寂寥としてよい。風連湖 は道路からは見えない。244号線野付国道を海岸にそって北上。台風が東方海上を通過中のため海は荒れ、潮がスプレーとなってふりかかる、野付半島まで休 憩所もない。すぐ東側はソ連という国境地帯。北方領土返せというかんばんだけ目に入る。斜里町に向かう野付国道(244号線)は10キロに及ぶ直線道路 だ。後日、同244号線でも斜里町無いを東西に走り涛沸湖に至る斜里国道(244号線)は28kmキロに及ぶ直線道路でかつ年1回直線道路上に太陽が沈む ことでも有名となった。

じ斜里町で昼 食後、涛沸湖(とうふつこ)で小休止し、網走に入る。気温は20oC。

abashiri.jpg (21600 バイト)

涛沸湖にて (中本氏撮影)

14:00網走着(191km、平均32kmh) ホテルサンパーク泊 (Hotel Serial No.197)  台風のため層雲峡に入る39号線が秋雨前線と台風の影響で閉鎖という。一日順延の覚悟をきめる。コインランドリーで洗濯。台風情報を見ようとして米国の連 続テロ襲撃をライブで夜半まで見る。9/11事件として歴史に残るテロである。人間はとんでもないことを考え実行するものだ。

第6日(水)

10:30雨のなか網走発、オドメーター26,808km

台風が東海上にそれたため39号線の閉鎖が解かれたことを当局に当たり確認。寝不足のまま、雨の中を出発。屈斜路湖、摩 周湖周りは雨のため中止。美幌バイパスから北見町に入る。ここも暫定無料だ。北見で昼食。北見町は街道に沿った町だ。街中の信号が同期していなく、往生す る。通過車に不利になるように故意にしているとしか思えない。敵意を感じる。気温14oC。道の駅「おんねゆ温泉」で小休止。この 広場には巨大なハトが時を告げるからくり時計があった。石北峠に向かってゆるやかに谷間を登る39号線はおりからの雨で増水した川ともつれあうように敷設 されているが、増水してはいるが、おだやかな流れで危険も感ぜずやさしさがある。石北峠では10oC。峠では焼モロコシを食す。

sekihoku.jpg (7230 バイト)

石北峠で (中本氏撮影)

長いトンネルを通って16:30層雲峡着。雨は上がる。(151km、平均25kmh)

層雲峡観光ホテル泊 (Hotel Serial No.198)

第7日(木)

9:00層雲峡発、オドメーター26,959km

台風一過、久しぶりの晴天。旭川から美瑛町経由、237号富良野国道で富良野に入った。深山峠からの富良野盆地の景観は すばらしい。富良野自体は普通の水田地帯で、富良野のイメージであるラベンダー畑(この季節には花は無い)は山沿いの丘の上にある。またうねる丘の畑はむ しろ深山峠の旭川側、美瑛町にある。ふらのワインハウスで昼食。 (Restaurant Serial No.166)

furano.jpg (12563 バイト)

富良野で全員集合 背後の十勝岳は雲の中

237号線を更に南下して夕張に出ようとしたが急な道路封鎖によりできず、とって返す。倒産騒動のあった南富良野のトマムリゾートは訪問せず。

富良野盆地を流れる空知川は芦別町、赤平町を貫流して砂川町で層雲峡から流れ出し旭川を貫流する石狩川に合流する。この 空知川沿いの38号線を北に走ったわけである。芦別町は北の京都と自称していると案内があったがどこが京都か?赤平町にはかって炭鉱があり、いまでもシャ フトの構造物が残っている。滝川で道央自動車道にでる。石見沢で再び雨になる。小雨のなか札幌に入る。時間不足で小樽はパス。

かなり道に迷ったすえようやく18:30新札幌着(338km、平均29kmh)

シェラトンサッポロホテル泊 (Hotel Serial No.199) 地下鉄で大通りに行き、ススキ野で深夜まで遊ぶ。ススキ野の繁栄に驚く。

第8日(金)

フェリーで苫小牧から仙台に行く、飯塚、斎藤氏とホテルで別れる。飯塚氏は札幌でバッテリー交換。

10:00札幌発、オドメーター27,297km

千歳空港で大須賀氏とバイクを見送る。

12:00中本、押川、青木は千歳空港発、支笏湖、昭和新山、洞爺湖、有珠山経由函館に入る。支笏湖で昼食。昭和新山は いまだに木も生えず、異様な岩の塊をみせていた。有珠山噴火で閉鎖された230号線を迂回する暫定道路で噴火口から立ち上がる噴煙を見ながら「とうや駅」 近くで37号線の合流。この山越えの道からの景観はすばらしい。豊浦ICから道央自動車道に入る。

18:30函館着(336km、平均40kmh)ホテル第2オーシャン泊 (Hotel Serial No.200) 五稜郭近くの天ぷら店 田ざわ (Restaurant Serial No. 165) で中本夫妻の御招待で押川夫妻共々会食。

第9日(土)

9:40函館発、オドメーター27,633km

東日本フェリーの4時間の船旅は米国の連続テロ関連のニュースを見るか、ほとんどまどろんで過ごす。津軽海峡のパトロールに出る海上自衛艦2隻を至近に見る。米国のテロと連動か?

tsugaru.jpg (6047 バイト)

平館海峡を通過する海上自衛艦

13:20青森着。フェリーターミナルで昼食。

14:00青森発。他車のいない雨の道路を150kmノンストップで走る。午前の天気図を頭に描き、仙台では雨だが、福島まで南下すれば雨が上がると踏ん で暗くなるまで走り続けたが、予想を裏切り雨足は激しくなるなかり、視野不良に付き、ついに80キロの速度維持も難しくなり、追突の危険を感じる。ヘル メットの風防を外しようやく車の流れにのることができるようなる。

ようやく20:00福島着(456km、平均76kmh)。予約なしで最初に発見したホテルサンルート福島泊 (Hotel Serial No.201)

第10日(日)

8:00福島発、オドメーター28,089km

晴れのなか、紫外線よけの化粧をし、サングラス、軽装で出発。気温は異常に高い。ベストも脱ぎシャツ1枚となる。東京ではにわか雨に遭遇。自宅に着くころには完全に乾いていた。昼食も休憩もとらず走行。

13:00自宅着、オドメーター28,456km(367km、平均73kmh)

10日間雨と潮にたたられ、前輪のリムとハブにさびが浮く。エンジン冷却後、完全水洗をし、潮抜きをし、ワックスがけして保管。さび落としは後日とする。

 

「天高く北海の大地鉄馬駆ける」 バッテリーこと飯塚盛夫

2001/9/20

Rev. September 27, 2017


トップページへ