言語録

シリアル番号 日付

442

2001/3/1


名言 狂おえる人の群れを遠く離れ
言った人、出典 トーマス・グレイの「田舎の墓地で詠んだ挽歌」第19スタンザ  1750年より

Far from the madding crowd's ignoble strife,

Their sober wishes never learned to stray;

Along the cool sequestered vale of life

They kept the noiseless tenor of their way.

Thomas Gray, "Elegy Written in a Country Churchyard"

あさましく争い狂う群れを遠く離れて、
彼らの願いがただ一筋につつましく、
冷たい、奥まった人生の谷に沿うて
静かな自らの道を歩くにあったのだ。(福原麟太郎)
引用した人、他 ピーター・ミルワード著 「イギリス人と日本人」でミルワードがエクセター大聖堂を訪れると 「狂おえる人の群れを遠く離れ」 安らかな昔の思い出にひたれるという意味で引用

出典不明であったが、中越学園の土田和弘様からトーマス・ハーディの『はるか群衆を離れて』、原題:Far from the madding crowdからの引用ではないかとご指摘をいただきました。

2005/1には野口薫様からハーディはThomas Grayの詩"Elegy Written in a Country Churchyard"(1750)からこの言葉を引用したとのご指摘をいだだきました。ハーディは、この詩に自分の小説の舞台Wessexのイメージを 重ねていたものらしい。

お二方に御礼申し上げます。

その後、トマス・ハーディ作の小説の1967年の映画化も観た。これはイメージしていたものと大分違う。最後にバスシバがようやく気が付くガブリ エルが 「遥か群衆を離れて」という思いを実践していると作者はいいたいのだろうが映画では画面に出てこない人間はいないとおなじなのだ。

同じトーマス・グレイの「田舎の墓地で詠んだ挽歌」の 「美人の栄華 富豪の驕奢(きょうしゃ)」は 第9スタンザである。

Rev. June 16, 2015


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