シリアル番号 | 表題 | 日付 |
821 |
属人思考 |
2004/06/16 |
「無責任の構造」が起こりやすい組織風土は組織の属人思考が行なわれているところである。
属人思考とは、事柄の評価の際に、誰がそれを行なっているのかという「人」情報を重視する組織風土である。このような「人」に対する志向性の高い風土では、職場への忠誠心や所属意識が重んじられ、上下関係のけじめが甘くなる。
属人風土では、社内の会議で新しい企画の採否を決めるような場合に、その企画の立案者はだれか、他に関わる人が誰か、その人は社内では誰の派に属するのか、など、企画内容以外の「人」に関する事項が意志決定に大きな影響を及ぼしがちと考えられる。
属人風土では、個人のキャリアへの悪影響や、人間関係の不調和を回避するためにすべての物事が決められる。
三菱自動車のリコール隠し事件、JCOのファットマン事故、考古学会の旧石器捏造事件がその典型例 。
ー東洋英和女学院大学人間科学科 社会心理学者岡本浩一著 社会技術研究論文集Vol.1,239-247,Oct.2003 組織風土による違反防止ー「属人思考」の概念の有効性と活用ー
属事主義が属人主義の反対語 岡本浩一著「無責任の構造」モラル・ハザードへの知的戦略PHP新書141