メモ

シリアル番号 表題 日付

1481

都心部水没
2015/09/16

炭酸ガスは赤外線を吸収して宇宙に熱を放散するのを阻害する温暖化ガスではあるが、水蒸気はもっと激しい温暖化ガスだ。炭酸ガスがふえれば水蒸気 も増える。ところが水蒸気は雲になって地球の反射率は増え冷却させるので温暖化するかどうかは微妙だ。ところが炭酸ガスが増えれば雨が増えて洪水がふえ る。世界中で洪水の被害がふえていて、日本でも例外ではなく2015年の鬼怒川決壊が 例だ。そういうわけで適応策は洪水対策が二酸化炭素抑制策より最優先されるべきものだと私はかんがえている。しかし2015/10/24の新聞によると海 外の適応策は洪水、台風対策だが、日本政府がまとめた対応策には洪水対策はない。打ち水や緑のカーテン、夏の軽装といった項目がならんでいる。気候変動の メカニズムも理解できない文系政府の愚かさが出ている。一方政府は世界一の借金国だというのに、中国を囲む国々にご祝儀をばらまいている。こういう政府を えらんだのは我々文系国民だから、なにおかいわんや。

私は東京が水没するのではないかとかねてから危惧して、家康による利根川の鬼怒川への付け替えなどの足跡をおって2013年に利根川と江戸川の分岐点に 自転車ででかけたこともあった。そして2015年の鬼怒川の堤防の決壊を目の当たりにして、東京ははたして大丈夫なのかという疑問が再度湧いた。よく異常 気象という用語を使って想定できなかったことを言い訳にするが、荒川の場合はそうはいかない。すべて想定されているのだ。

国土交通省は荒川のスーパー堤防化をしてきたがそれでも戦前からある鉄道用鉄橋が最新の土手より低く、そこで越流破堤の可能性があると心配し、シミュレーションまで公表している。ここでは2例示されている。

@赤羽駅北

京浜東北線や宇都宮線が赤羽駅をでて荒川を渡る前に新河岸川をまず渡り引き続き荒川を渡る。この鉄橋は戦前に付けられていたため、土手より低く、鉄橋両脇の土手で、越水する。越水した水は新河岸川に 流れこみ、高潮対策しかしてないコンクリート製の土手を容易に超えてしまう。新川岸川は川越周辺の水を集めて、隅田川にそそぐ川である。国に整備責任のあ る一級河川である。江戸時代は水運にも使われた。下流では荒川と並行して東に流れて隅田川に合流する。朝霞市で荒川に放流する地点に は水門があり、荒川の水位があがれば閉め切れるようになっている。閉め切られた新河岸川の水はそのまま荒川の並行して流れ、JR京浜東北鉄橋を過ぎてか ら、隅田川に流入している。この隅田川は200m上流で荒川から分かれていてそこに岩淵水門がある。これらの水門に守られて、新河岸川の土手は荒川程高く ない。



荒川(右)と隅田川(中央)新河岸川(左)

越流水は高島平団地を 水没させ、隅田川にそって流れ下り、地下鉄千代田線の町屋駅から、地下の千代田線のトンネルに流れ込む。この水は千駄木、根津、湯島、大手町、東 京、霞が関と地下を流れ下る。そしてビルというビルの地下の電気室、インターネット接続室などを水没させ、首都機能の息の根を止めることになる。福島第一 事故に学んでいないことになる。怖いのは地震ではない。水なのだ。都合がわるいことに千代田線の地下トンネルに流れ込んだ水は乗り換え通路を使って他の地 下鉄にも流れ込む。地下トンネルのなかに隔壁を建設中だが、不十分。この全体像をGoogle Earthで3D写真にしてみると水門を作り荒川の土手を高くしてもその下流に雨がふれば破綻することがよくわかる。写真手前は旧岩淵水門である。

A京成本線が荒川を渡る堀切橋鉄橋

京成本線が荒川を渡る堀切橋鉄橋は嵩上げした堤防より低い。ここでの越流が破堤に行くという動画(下の写真)で示されている。



京成本線が荒川を渡る堀切鉄橋が堤防より低い

この越流水は千代田線の北千住駅から地下鉄千代田線に流れ込む。または千代田線が鉄橋を渡った後、北千住駅手前で地下に潜る開口部も流入口になりそう。

B 2015年9月28日に赤羽から京成本線鉄橋まで荒川土手を16kmサイクリングし、@とAに加え合計4つの越流可能性ある低い土手を見つけた。

考察

住宅地選定は住民の自由で結果責任も自己責任が原則。だから私は鎌倉の崖下の土地は買わずに、崖上に選んだ。

自己責任としても日本家屋の断熱はガラス繊維の布団を床下と壁のなかに入れるだけだから床上浸水すると床と壁が腐ってしまい。家は大改修が必要になる。

洪水対策としては

(1)へーベルハウスのように重量形鋼と独立気泡のモルタル壁なら水につかっても乾けば問題ないが、高価で、これを採用できる人は限られているし、デザイン的には面白くない。

(2)コンクリート基礎を嵩上げすれば地震に弱くなるし、自治地は床下の面積にも固定資産税かけるから誰も嵩上げなどしない。

(3)浸水の可能性のあるところの全住民がその土地をうりにだしたら、価格は暴落。

やはり橋3本と水門1個を改修して「越流」する可能性のあるところをなくすのが一番やすあがりだろう。古い鉄橋の架け替えはその鉄橋の寿命を待たねばならないので弱点が長年残る。

「越水」に加え、水が地盤に浸透して堤防が落ち込む「パイピング破壊」もみられるという。鬼怒川の決壊場所の上流で堤防の上のアスファルト舗装に亀裂が 入っていたのがこれ。日本の堤防はロックフィルダムと同じく粘土を使った不透水層を作り込んでいるとばかり思い込んでいたが、実はそうではないと判明し た。日本は繁栄した期間にもしっかりした国土造りをせず砂上の楼閣をつくっただけであったということが明らかになった。

今、またヨーロッパ主導の人為的温暖化仮説に盲目的に従い、温暖化防止に有効とは証明されていない炭酸ガス放出削減などにムダ金を使おうとしている。それより早急に温暖化適用策に資金を投ずべきとおもうのだが、国土交通省の河川局は 建設国債乱発の反省から分が悪く、多分そちらに血税は回らず米国主導の集団的自衛出動につかわれるのだろうか。米国は間違いだらけだいうのに。安倍政権は声の大きい方に予算をつけるしか能のない文系支配の国なのだ。

Rev. October 24, 2015


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