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1412

メディアの論調
2014/01/01

2013/12/25朝日オピニオン欄、作家星野智幸: 「宗教国家日本」・・・価値観を共有しない他者(中国や韓国)を軽蔑し、自分達を優越視し、自分達の考えを絶対化して 信奉する。安倍政権を支えている人はこのような日本教信者である。このような有権者が自ら主体を放棄した社会では、民主主義を維持するのはむずかしい。民 主主義は、自分のことは自分で決定するという権利と責任を、原則とした制度だからである。日本教信者は一種の依存症なのである。

2013/12/31朝日オピニオン欄、社会学者 大澤真幸 はとてつもない格差を生み、善でも美でもないことを人間に要求する。この船は必ず沈む。だけど他には船 はない。社会主義という船はもっと危なさそうだし、外は嵐だから下船したら即死だと。だからみん必死にしがみついている。
日本固有の問題は新しい国際秩序をもとめてもアメリカという壁が立ちはだかる。そしてこの壁は取り替えられないし、失ってもならない壁とイメージされる。 冷戦期日本はアメリカにまもってもらえた。しかし冷戦終了でアメリカは日本を守らなければならない内在的な理由がないことが明らかになった。アメリカに愛 されるためには何でもやるといゆ思考停止を生んでいる。特定秘密保護法はその文脈で理解できる。この関係が継続するとは考えられない。政治が本来やるべき ことは、人に思考停止させないこと。すなわち道はあるとといって人々に考えさせることが大切。

2013/12/31朝日オピニオン欄、東大経済学教授松井彰彦: 5年以上働いた労働者は無期雇用に転換できるとした改正労働契約法(2013/4)は結果的に雇い止めを招 来させた。二宮金次郎のいう寝言である。公権力が「道徳」や「経済」に不必要な介入をすれば待ち受けるのは歪みだけである。愛国心を強要すれば 全体主義になる。安倍の企業への賃上げ指導は計画経済になる。道徳も経済も民の力で培われる。民の領分なのだ。公権力を黙らせるには、「公」に頼る我我の 気持ちを減らせばいいのだ。

2014/1/2NHK BS1 島耕作アジア立志伝シンポ: 日本企業の過去のビジネスモデルは@官民一体、A年功序列、B垂直統合クローズシステム、現在世界 で成功しているビジネスモデルは@規制緩和、A権限移譲と抜擢、B水平分業オープンシステム。成功例はTSMC。日本企業は経営層の判断の遅れ、ジョーク としてNATOとは北大西洋条約機構North Atlantic Treaty OrganizationではなくNo action talk only 。若者は留学したがらない。

2014/1/4 朝日フロンントランナー欄、メディアラボ助教スプーツニ子: 日本の学校は「正しいこと」を先生から一方的に教わる。アメリカンスクールでは個人の考えと関 係なく、主張を入れ替えてディベートすることを学ぶ。この過程で「何が正しいか」を考えることを学ぶ。優等生ばかりが中枢に集まるシステムは失敗を恐れる あまり、だれも大きな間違いをしない。結果イノベーションが生まれにくくなって組織自体の首を締める。

2014/1/6 朝日歴史欄 日本史相澤理講師 戦中の国家総動員法は総力戦体制を確立すべく、人的・物的資源の動員が議会の承認を経ずに勅令で行えるようにした法律であ る。首相直属の企画院に集められた革新閣僚による経済政策を許す目的をもっていた。戦後の官僚主導政治の源流になったもので特定秘密保護法は官僚が秘密とする案件を決定するという点で国家総動員法に似ている。

2014/1/7 朝日オピニオン欄、映画監督、三谷幸喜: 歴史を振り返ると、節目節目で合戦があり、歴史が転回する。しかしその合戦の前に作戦会議があり、おわれば褒賞分配会議がある。したがって歴史は会議の連続といっていい。日本の三大会議は清洲会議、西郷と大久保が対立した征韓論会議、終戦の御前会議だろう。

2014/1/7 朝日オピニオン欄、作家 和田竜: 先の大戦を題材にした小説は書きたくない。理由は個人として能動的に戦争に関われないから。戦国時代は村上海賊のように 海域の権益を守るために、能動的に戦った。無政府状態の戦国時代も領主と一体になって戦った。ようするに自分の生き死にぐらいは自分で決めたい。

2014/1/7 朝日オピニオン欄、 漫画家 鬼頭莫宏: 戦争の抑止力は「自国民の命を失うのは耐え難い」というエゴイズムだ。ところが無人兵器が実用化され人型ロボットが 開発中であり、抑止力が失われつつある。そしてロボットが人間を襲うという恐怖が現実味を帯びてきた。問題の根は自国民と他国民の生命を完全に分け隔てる 思考法である。他国との関係を考える際も集団と集団ではなく自分と他国の一人一人との関係として考え、自分の幸せのために他人の人権を侵さないというのが 最低限のルールだろう。他国の人権を蹂躙した旧軍のリーダーの墓である靖国に参拝するのは他国の人権に思いをいたすことができない人の行動だろう。

2014/1/7 朝日終わりとはじまり 池澤夏樹: 特定秘密保護法は「何が秘密であるかは秘密である」という原理的な矛盾を含んでいる。「すべてのクレタ人は嘘つきである、とあるクレタ人が言った」 と同じ撞着。違反者が裁判にかけられたとして、その裁判の要点は秘密になる。民主主義国の公正な裁判ではなく、ほとんど軍法会議ということになる。日本の 政治の基本原理は主権在民だ。だからこの国でつくられたものは情報も含め国民の資産である。それを官僚が独占し、60年に亘って隠すとは国民の資産の横領 に他ならない。安倍は靖国に参拝して中央政府間の意思の疎通を阻害した。もし係争地で偶発戦争が発生したたこれを止める手立てを自ら放棄したと同じ行為 だ。石破幹事長は「デモはテロ」といって主権在民の基本を理解していないことを吐露した。尾が犬を振ってはいけない。決めるのは彼らではなく、我々であ る。

2014/1/8 朝日オピニオン欄、評論家福嶋亮大: 創造的な文化は戦災や災害からの復興期に出現する。白村江の後の白鳳文化、源平合戦の後の平家物語、南北朝の後の太平 記、関東大震災後の川端康成、江戸川乱歩、第二次大戦後のもろもろ。中国程多くの滅亡を体験した国家も少ない。暴力に耐えた文化しか生き残れない。楚の屈 原、宗の文天祥。

2014/1/8 朝日オピニオン欄、編集者・写真家: 日本の企業(大阪万博)の失敗は人々の暮らしへの愛情が欠落しているからだと思う。スティーブン・ジョッブズはそれが できた。以前は政府やマスメディアが独占していた不特定多数への情報発信力をインターネットが一般人が手に入れたので、マスメディアが一方的に情報を流し て人々を動員することが不可能になった。

2014/1/8 朝日オピニオン欄、歴史地震研究会北原糸子: 東日本大震災後の復興は過疎化の田舎に同じ予算をつけるという愚を犯している。自然災害の場合、人はもといた場所で生活を再開するが原発事故後はそれができない。

TV番組:Marshall GanzのTELLING YOUR PUBLIC STORY 人を動かすにはself - us - nowのシーケンスが必用。

2014/1/9 朝日オピニオン欄、フランス文学者 鹿島茂: フランスの人類学者トッドは日本は、韓国、ドイツは直系家族型(権威主義家族)、イングランドや仏北部は核 家族型。これを男女間に拡大解釈すると、直系家族型では親がパートナーを見つけてくれる。核家族型では自分でさがさねばならない。ハリウッドはこの恋愛と いう面で世界に貢献した。日本、韓国、ドイツで人口は減少しているのは直系家族型社会で相手を探さねばならないからである。加えて思春期に男女別学校に学 ぶという時代錯誤がまかりとおっている。昔は会社が男女の出会いの場であった。婚活は露骨すぎる、対策はまず男女共学を義務化する。そして舞踏会のような 男女出会いの場を増やす。

2014/1/10 朝日オピニオン欄、京大人文科学研究所長 山室信一: 特定秘密保護法やTPPで日本はアメリカの傀儡国家の性格がつよまった。かっての満州国に似てい る。もういちど、戦後民主主義から日本をとりもどして国家主導体制をつくるのが安倍政権の目的。かって満州帝国を作った岸と安倍は多元的な勢力の存在が嫌 い。権力が一元化されていないと物事は上手く進まないと考える。満州国では関東軍と革新官僚だけで全て決めた。小選挙区制がはからずも自民・公明の独裁を もたらした。満州国にいた革新官僚は戦後の経済安定本部に沢山はいった。満州国で試みたことを戦後実施し、高度成長の基盤を作った。満州国は軍を持たず警 察組織だったため、関東軍に牛耳られるようになった。こえは戦後の日本の警察予備隊と米軍の関係ににている。日本には自立できる軍組織がない。日本人 は、国家というものは与えられたものだという意識が強い。欧米では国家は人々が契約でつくるという意識があるが、日本では国体が連綿と続いてきたとされ て、人がつくる余地がない。明治憲法も新しく作ったものではなく、あくまでも「皇祖皇宗の遺訓」を明文化したにすぎないと説かれた。しかしこれは明治期に 造られたものだ。満州国は関東軍がいなくなったら、消えてしまった。日本も米軍がいなくなったら消えてなくなるのか?日本独自の対アジア関係を構築しない と国内産業は崩壊しかねない



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