メモ

シリアル番号 表題 日付

1001

イーミアン間氷期

2005/12/11

グリーンランドの氷床コアは最も深い3,000mは25万年前に相当する。2,800mは今から12万年前に相当。酸素の同位元素の比率から11-13万年前は、気候が温暖であったことを示している。この時期をイーミアン間氷期(第3間氷期)といい、クロマニヨン人が出現した時期である。ちなみに20万年前の第2間氷期にホモサピエンスが出現し、その後の15万年前のリス氷期にネアンデルタール人が絶滅した。深さ1,500mのコアは1万年に相当する。ちょうど1万年前から現在まで は第4間氷期とよばれ温暖であった。過去100万年間、約10万年周期で温暖な時期が短期間継続するようだ。そして過去1万年間の第4間氷期に人類が農耕を発展させたのだ。

グリーンランドの氷床コアから過去の高解像度な気温推移を復元したのはダンガードとエシガーらである。彼らはさらに約10万年を周期とする氷期/間氷期サイクルの中に、さらに、1,000年オーダー で周期で急激な気候変動が繰り返されていることを示した。わずか数年〜数10年の間に10度以上も急激に気温上昇があり、その後緩やかに寒冷化するもので、ダンガード/エシガー周期又は「ミレニアルサイクル」(Millenial Cycle)と呼ばれている。その一つの例がヤンガードライアス寒冷期で1.2万年前から1,000年間継続した。氷期に発達する大陸氷床が不安定に消長を繰り返すことと、海洋大循環の停止が深く関係していると見られている。

グリーンランドの氷床コアと共に南極大陸の氷床コアや大西洋洋深海の石油・ガス掘削によって得られた堆積物コア(過去5万年まで)も10万年周期は一致している。しかしミレニアルサイクルに関しては南半球のほうが北に比べ変化は穏やかで南半球の昇温の位相が1,000〜2,500年ほど先行することが発見されている。グリーンランドと南極大陸が同位相である場合と逆位相である場合とがあり、そのメカニズムとして、南北のシーソーの支点に位置する熱帯が何らかの役割を果たしている可能性が指摘されるようになった。

10年サイクルで生じるENSOサイクル(El Niño - Southern Oscillation)は太陽黒点と関連があるとされている。熱帯がこのENSOサイクルをくり返していると考えられている。

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日本財団図書館の海洋研究開発機構作成図参照

-西村屋による地球と海とバリアフリーを考える web site

-マイケル・クック「世界文明の一万年の歴史

2006/1/23付け新聞報道によると南極観測隊が南極のドームふじ基地で3,030mの氷柱の掘削に成功したと報じられたこの深さは過去100万年に相当するという。79万年前には地磁気の反転があったときであり、強い宇宙線や太陽放射光に生物が晒されたとさてているので、その痕跡を探るのが目的の一つという。

Rev. July 12, 2008


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