読書録

シリアル番号 991

書名

藤沢周平 残日録

著者

阿部達二

出版社

文芸春秋

ジャンル

評論

発行日

2004/1/20第1刷
2006/5/30第2刷

購入日

2008/12/9

評価

店頭で見て衝動買い。著者は藤沢周平の全てを読破して五十音順に整理したキーワード毎に薀蓄を傾けて解説している。

なかでも上杉鷹山が残した「伝国の辞」は福沢諭吉の先をゆく先進的思考であること、

三屋清左衛門残日録」に登場する「けろろ」、

蓑つくりの村として「次年子(じねんご)、たらのき代(だい)」 が実在したこと、

戊辰戦争時の某参謀の放言「白河以北一山百文」 が原敬の号が「一山」と宮城県の地方紙「河北新報」の由来であること、

また城山三郎「」に藤沢周平が深く共鳴したこと、

など印象に残った。

藤沢周一は信長ぎらいであった。 理由は不要と思える大量虐殺である。残虐な個性は直しようがないのだ。信長がもし死ななかったら鎖国はなく、日本が西洋に遅れをとることもなかっただろうという大局的見地から信長を評価する司馬遼太郎とこの一点で 異なる。


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