シリアル番号 | 774 |
書名 |
千利休 無言の前衛 |
著者 |
赤瀬川原平 |
出版社 |
岩波書店 |
ジャンル |
芸術論 |
発行日 |
1990/1/22第1刷 |
購入日 |
2006/5/16 |
評価 |
良 |
岩波新書
妻の蔵書
白洲正子の「いまなぜ青山二郎なのか」で赤瀬川原平の本著の一読を薦めていたので読みはじめる。
「トマソン物件」の概念が面白かった。利休もこの延長上にあるというのが著者の見方。
森の文化が日本的感性の温床で、砂漠、草原の文化の対極にある。木が生えていると人は態度をはっきりさせない。木にごまかされて境界があいまいになる。木がなくなるといろんなものが見え、理性的になってくる。砂漠に一人立てば、自己を強く意識し、主張することで生きていくほかないという。
最後にトマソン物件にしても、利休の侘び茶や切腹にしても一種の他力思想であるとして筆を置いている。