読書録

シリアル番号 1276

書名

原発クライシス

著者

高嶋哲夫

出版社

集英社

ジャンル

小説

発行日

2010/3/25第1刷

購入日

2016/05/11

評価



集英社文庫
友人のY氏より借りる。

霞が関の謎の官僚が書いたという福島第一事故後書かれた原発テロ小説「原発ホアイトアウト」 より前にかかれた小説。ライターは慶応工学部出で産総研で核融合の研究をしていたそうだが、結局、作家になった。実務を担当したわけではないため、完全な フィクション。原発が電力グリッドなくして動かせないという事実が完全に欠けている。これを知っていたらこのようなプロットは描けない。私の理系・文系分類に従えばほとんど文系。だから小説書いたんだろう。医者も小説家が多い。むしろ「亡国のイージス」に近い面白さがある。内容はハリウッド・サスペンス張りの戦闘場面が続いて夢中で読んでしまう。ただここにはリアリティーがないのでテロリストにとっても手引き書にもならないだろう。こんな大げさな仕掛けは不要で怖いのは「原発とテロ」に書かれた手段のほうに実行可能性がありよりリアリティーがあると思う。


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