読書録
シリアル番号 |
1234 |
書名
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墓畔の哀歌
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著者
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トーマス・グレイ
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出版社
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岩波書店
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ジャンル
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小説・詩・戯曲・文芸
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発行日
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1958/11/5第1刷
1973/10/10第4刷
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購入日
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2015/06/16
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評価
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優
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福原麟太郎訳
岩波文庫
友人から借りる。
田舎の墓地で詠んだ挽歌
いままでグレイの詩は断片でしか知らなかった。たとえば
「狂おえる人の群れを遠く離れ」
「美人の栄華 富豪の驕奢
熟づれか無常の風に逢はさらん 栄光の路 向ふ所は墳墓のみ」
であった。それはすべて本著のトーマス・グレイの「田舎の墓地で詠んだ挽歌」の一部である。なぜかトーマス・グレイの詩が好きかといえば、似たような気質にあったためかと思う。ケンブリッジの隠者となったのもそういうことのようだ。
田舎の墓地と
はロンドンの西20マイルにあるスロウの北ストーク・ポージズ(Stoke Porges)の教会St. Giles's
Churchyardで、彼自身ここに葬られている。
イートン学寮遠望のうた
きみたち、はるかな尖塔よ、古(いにし)えの高塔よ、
河ぞいの森に聳(そび)えて
学芸にいそしみつつヘンリー王の御霊を尚もあがめているか。
またウィンザーの丘のいかめしい岩角から
広野を見下ろしている堂塔よ、
君らの眺める林や芝生や牧場の
その青草や下かげや草花の中を
年老いたテムズは流れてゆくのだ、
トマス・グレイはイートン校で学んだ。
詩仙ービンダロス風頌詩(しょうし)
冷酷なる王よ、滅亡の手にかかれ。
なんじの軍旗の群れに混乱よ襲え。
戦勝の血みどろな翼にあおられて、はためいてはいても、
ただ徒らに虚勢を張っているだけだ。
・・・・
スノードンのけわしい山腹を下る道で
王が長蛇の軍を進めなやんでいた時だ。
剛胆なグロスターも、思わず立ち止まってその声に固唾を呑んだ。
「戦闘準備」とモーティマーが叫んだ。そしてふるえる槍の穂先をかまえた。
頌詩とは」(オード、ode, 古代ギリシア語:ὠδή、または頌詩(しょうし)、賦(ふ))は壮麗で手の込んだ抒情詩(韻律)の形式。
エドワード一世がウェールズを征服したとき現れた詩人の伝説
自画像
余りに貧しくて賄賂は出せず、懇願するには誇りが高過ぎ、
出世の道が彼には無かった。
愛し得、憎み得、すこし変人だと考えられた。
大して智者でもなかったので、神の存在を信じていた。
地位とか年金とかは望まなかった。
教会と国家とはチャールズ・タウンゼントとスクワイアとに任せていた。
ここでチャールズ・タウンゼントは時の大蔵大臣で政治の悪を代表するとグレイが考えた人物。
スクワイアは教会の悪を代表するとグレイが考えた人物