読書録

シリアル番号 1057

書名

魔女の1ダース

著者

米原万里

出版社

読売新聞社

ジャンル

随筆

発行日

1996/8/24第1刷

購入日

2010/7/21

評価

鎌倉図書館蔵

著者はロシア語通訳にして井上やすしの義姉。

旅行者の朝食」と同時に借りる。

著者の渾名「シモネッタ・ドッジ」の由来が分かるネタ満載。

異なる言語で偶然の一致で特定の発音が別の意味をもつことがある。

カツオ:イタリア語で男根

カカア:ロシア語でウンコ、日本の某映画で子供がカカアというたびに著者は身をちじめたという

ホイホイ:ロシアの俗語で男根、日本の民謡でこの合いの手を入れるものがある。これを聞くとロシア人は抱腹絶倒する。この本の直後たまたま「ノモンハン戦争」を読むとフイ高地の話しがでてくる。この高地の標高は721mであったことから日本軍は下2桁の21をヒフミ読みしてフイと呼んだ。もともとモンゴル人はホロー高地と呼んでいたのでロシア軍はロシア語訳のパーレツとした。しかし日本捕虜がフイ高地と呼んだため、彼らの地図もたちまちのうちにフイ高地となったという。ソビエト軍兵士にとって「ちんぼこ山」は一度聞いたらわすれられない名だったためだという。

芙蓉の間:フヨーヴィイはロシア語で男根あるいは最低のの意味であるから「チンボコの間」となる

エビス:ロシア語でfuckの命令形、ロシアで恵比寿ビールは売れない

チム・ボコ:ベトナム語で鳩、ちなみにチムは鳥の類冠詞であるから全ての鳥はチム・・・となる

固有名詞の偶然の一致

モスクワ市ヤキマンコ通り ここはイギリス大使館のある一等地でロシアは日本大使館用地としてすすめてくれたが、地名を理由に断る 。このためにモスクワの日本大使館はいまだにパッとしない場所にある。

シリミエタ大将:ロシアの実在の将軍。社会主義労働英雄、陸軍大将シリミエタ同志・・・と訳すと以後通訳不能に陥る。

この他傑作笑い話2件収録。笑い話162, 笑い話163

ちなみに魔女の1ダースとは13のこと

Rev. August 4, 2010


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