ハイブリッド構想を捨てた森永先生は、ソーラーコレクターと温水ダムを組み合わせ、夏季に蓄熱し、冬季暖房に利用する構想を展開し、大谷石採掘でできた地中の空洞に温水を蓄えるという具体的案件を検討した。しかしこれも地元が投資するまでには至らなかった。
この案を実用化するポイントは熱損失を抑制するために温水ダムを巨大化してダム表面とダム容積の比を小さくすることである。
2007年6月20日、グリーンウッド氏は秩父の武甲山の麓にある某セメント会社が石灰石を採掘した後のピットを温水ダムに使ってはどうかと進言した。奥武蔵の武川岳から二子山に向かって縦走しているとき中間点の標高850mの小ピークから覗いたピットである。ソーラーコレクターは武甲山の斜面に設置すればよいが、東京や南関東の熱消費地とダムを結ぶ熱輸送システムがネックとなる。 長距離パイプラインは熱損失が大きすぎる。砂利運搬用に設置された歴史を持つ西武秩父線で温水を運ぶことも可能であるが運賃がネックとなりむずかしい。
武甲山麓の石灰石採掘跡のピット
グリーンウッド氏はこれに発想を得て、安価な温水より高価な冷水の蓄熱ならペイするのではと考えソーラーセル駆動氷蓄熱空調を構想した。
April 7, 2008
Rev. June 18, 2009