コーヒー・紅茶・茶談義

 

 

コーヒー

グリーンウッド氏はオフィスで働いていた頃はベンディングマシンにコインを投入し、日に4杯はコーヒーを摂っていた、中年になり糖分の摂りすぎで体調がおもわしくなくなった。そこでまず砂糖をやめ、ついでクリームもやめてブラックコーヒーにしてようやく健康をとりもどした。しかしコーヒーそのものは頭脳労働には不可欠であった。

引退して家にこもるようになっても、机(パソコン)の前にすわれば条件反射的にコーヒーがほしくなる。そこでベンディングマシンと同じ味のするインスタントコーヒーを日に4杯飲んできた。ところが腰痛は激しくなる一方である。

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Kalita 102 ドリップ式

インスタントコーヒーに含まれるリン酸ナトリウムがカルシウムを体外に排出するのではとかって話題になったことがあるように記憶している。骨粗しょう症になって腰痛になっているかもしれない。

調べてみるとリン酸ナトリウムをコーヒー豆に加えると抽出されるコーヒー量が増えるのだという。市販されているものはそうしているのかは不明である。メーカーは添加物は入れてませんと主張している。でも 製品に加える添加物の表示義務はあっても原料からのキャリーオーバーの表示義務はないと解釈すれば最終製品に添加していないから合法としているのかもしれない。腰痛の進行を少しでも遅くするため、今後は面倒でもコーヒー豆を挽き(といってもミキサーで粉砕するという手抜きだが)コーヒーを抽出することにした。

だが疑い出すときりがないもので市販されている豆がリン酸塩を含浸させていないともいえない。

サイホンやイタリー式のエスプレッソを試したが、機器の後始末が面倒。結局使い捨てのフィルタを使うドリップが一番。部屋中香ばしい香りで満ちるのがなにより。これで添加物の害からさよならというわけだ。Kalita 102 ドリップ式3穴を使っているが、1穴の方がおいしいという人もいる。

ドリップのコツはまづコーヒー豆を湿らせて1分待ち、ついで熱湯をなみなみと注いだら、全部漉し終るまで熱湯は注がないこと。完全に漉し終ったら二煎目をなみなみと注ぐ。こしている最中は手で少し揺り、コーヒー豆がろ紙にこびりつくのを防止するとよい。

なんと貧しい暮し方をしているとかと同情していただいたのか、このページを読んだご近所のレッドウィングさんからボンベイ・サファイアに加え、ジャマイカ島の5,000フィート以上の高地で栽培されたブルーマウンテンとハワイはコナのマウカ・メドーをおすそ分けいただいた。 コーヒーの香味は70%が生豆、20%が焙煎、10%が抽出技術にあると言われている。常日頃、ノーブランド品で妥協している身にとってはとてもうれしい。ありがとうございました。

焙煎して挽いたものはどう頑張っても味は10%以上は向上しない。時にインスタントの方が旨いと思うこともある。しかし毎回高価な豆を使うわけにもゆかず、自ら抽出することに意味があるとおもって6年間継続している。

さて腰痛との関係だが4年経過してコーヒーと腰痛は直接の関係はないと分かってきた。運動しないで同じ姿勢でいることがいけないのだ。友人の勧めでコンドロイチン硫酸錠剤を定期的に服用するようになって、腰痛の進行は小康状態を保っている。 しかしこれも因果関係は不明。結局、病院で教わった腰痛防止体操が一番いいとわかり、コンドロイチンの服用もやめた。しかし体操も毎日は継続できず、腰に負担がかかる登山時 に腹圧を上げるコルセットをする以外、前かがみになるときグッと下腹に力を入れるということぐらいで対処している。

 

アラビア・コーヒー

サウジ・アラビアに旅すると航空機に搭乗したりホテルに到着するとアラビア・コーヒーを振舞われる。日本製のおちょこのような小型のカップに注がれて何回も御代わりできる。2週間も滞在するとコーヒーにブレンドされたカルダモンの強烈な香に病みつきになる。帰りにミックスを買って帰ったものである。

日本でアラビア・コーヒーを入手する方法を知らない。そこで挽いたコーヒー豆に料理用のカルダモン・スパイスをブレンドして自家製アラビア・コーヒー を作って時々たしなむことにしている。

料理用のカルダモン・スパイス

 

紅茶

さてコーヒーだけ飲んでいるのかと誤解されないように付け加えれば、朝食には必ず紅茶を入れる。上手い紅茶の入れ方はまず新しい水道水を英国式のホイッスル付きのヤカンにいれ、ホイッスルの音が鳴り出したらすぐポットに湯をそそぐ。このとき温度は約95度Cで、まだ溶存空気が残っている。この空気が気泡となって茶の葉に付着し葉を全て浮き上がらせる。3−4分間に茶の葉は開きながら底に沈む。この間茶の葉はあがったり下がったするのでジャンピングするという。湯か完全には沸騰させないためカルキ分がのこるかもしれないと水道水は念のため吸着材でろ過している。英国式の丸型ポットを用意し、これを予熱すれば申し分ないが、ガラス容器でなかの葉が見えるのがジャンピングが観察できてよい。

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ホイッスル付きヤカン

グリーンウッド氏はベルガモットという香料が入っているアールグレイがお好みだ。ベルガモットは小さなオレンジのような実から抽出するという。花のような、かるい柑橘系 の香りが朝の気分を高揚させ、リフレッシュしてくれるからだろう。

だがしかし、英国での本式な茶の選び方はもっと凝っている。トワイニング社の会長サミュエル・トワイニング氏は朝はイングリッシュ・ブレックファスト、午前11時のお茶の時間はオレンジペコー、昼食時にはダージリン、午後4時のお茶の時間には暑ければアール・グレイ、涼しい時はダージリン、寒い時にはプリンス・オブ・ウェールズ(中国茶)、夜はジャスミン・ティー、赤ワインの後はプリンス・オブ・ウェールズ、白ワインの後はウーロン茶を選ぶということだ。

そういえば、ロンドン滞在中はモーニング・ティー、アフタヌーン・ティーを毎日いただいたものである。

これだけ凝っても英国でいただく紅茶の味がでないのはなぜだろうか?林望の「イギリスは愉快だ」によれば英国の水は非常なる硬水のため、茶の中の渋みが溶け出さないためとのこと。ならばやむを得まい。

 

テルモス

コヒーにしても紅茶にしても冷めないないようにテルモスを使っている。クライスラー社が用意しているジープ用のテルモスは円錐形をしていて外壁は透明なプラスチック製のため手に持った時の感触が冷たくなくて心地よい。

ジープ用のテルモス

 

抹茶

仕掛けが大げさなため極くまれになるが、気分転換に抹茶をいただくこともある。ただ面倒なので、茶碗と茶筅だけでいただくのだ。

茶の湯道具一式

茶道具をそろえるのは男の高級カメラと同じ。眺めてさすって楽しむもので茶の味を楽しむものではないようだ。

 

自家製煎茶

茶の木の苗を2本買って庭に植えておいたら新芽を摘めるくらいに大きくなった。そこで手もみ茶作りに挑戦してみた。

摘んだ新芽を洗い、葉を枝から採る。蒸し器で10分間蒸す。蒸しあがって葉をガスで加熱したフライパンの上にステンレス金網をのせそこで乾燥させながら手もみする。完全に乾燥するまで約1時間かかる。

乾燥した葉を更に手もみすると細かくなる。

これで煎茶をいれてみたが、まあままの味だった。

摘んだ新芽

蒸し器で蒸す

フライパンの上に金網を載せて干しながら手もみ

完成した茶の葉

すり鉢茶

2011年1月、NHKの「ためしてガッテン」で掛川の長寿の秘密を紹介していた。掛川周辺は一般茶の産地で、宇治茶のように直射日光をカバーをかけて遮り渋みを抑える高級茶の製法は取らず、日光をたっぷり浴びせて、硬くなった茶の葉を深蒸しにして粉茶にする製法を採用している。これを深蒸茶という。これは安価なため、掛川の人々は毎日10杯以上飲んでいるという。こうすると心筋梗塞など生活習慣病を予防できるため、掛川の平均寿命は長い。

NHKの放映後、たちまちにして掛川の深蒸茶は入手難となった。しかし掛川の深蒸茶でなくとも、一般茶をすり鉢に入れて湯を1滴かけてペースト状になるまですり潰してから湯を注ぐ方法でも同じ効果が得られる。これを「すり鉢茶」という。3ヶ月毎日10杯飲んで血液検査すれば数値が向上することをうけあうとNHKは言う。信州人の長寿も安い茶を濃く入れて楽しみながら議論する習慣にあるかもしれない。

すり鉢茶

後日、NHKはすり鉢茶を上回る方法を紹介した。電動コーヒーグラインダーを使って乾燥状態で粉砕する方法である。溶け出るカテキンやビタミンEの量が2倍に増える。カテキンの分子径は大きく腸壁を通過しにくいが、これにミルクを加えるとなぜか分からぬがカテキンの腸への吸収量を増すことができる。英国のミルクティーにはそういう根拠があったのだ。 グリーンウッド氏は循環器系に弱みを抱えているからお茶は最適の飲み物だ。毎日、すり鉢茶 を大変おいしく楽しめたので、早速、鎌倉の紀伊国屋でNHKが使っていたメリタの電動コヒー・ミルMJ-516を購入した。構造はミキサーと同じで切り羽が高速で回転する簡単な構造である。小型ゆえに茶葉を粉砕するのに適している。これで無論コーヒー豆も挽けることになる。

メリタの電動コヒー・ミル

ついでに記せば、胃癌を治すには3ヶ月間、毎日ニンジン・ジュースを1-3リットル摂取し、他の食事を一切しないと直るとか、前立腺癌にはザクロがいいといわれている。

April 7, 2003

Rev. March 10, 2011


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