東京長高会講演会

2006年6月12日

東京長高会主催の定例の講演会にでかけた。才口、飯田、加畑、小沢、小林などに会った。

秋葉俊著「帝都東京・隠された地下網の秘密 」を読みながら霞ヶ関ビルの33階から国会議事堂や首相官邸を興味深げに見下ろしていたら東京長高会の前幹事長で今、才口がポンと肩をたたき「最近どうだい」と聞く。「この本(秋葉の本)読んでいるんだが面白そう」というと「 君らしい」と。「夏の同期会ゴルフに参加するか」と聞くので「腰痛でやめにしようかと思っている」と応える。彼も実は腰痛で最近は立ち机で仕事をしているという。スプルーアンス提督が立机で仕事をして日本に勝ったことを思い出し、アグレッシブな判決が出そうだねと言うと「イヤー、複数の判事が担当するので妥当なところに落ち着くのさ」という。

 「最近は日本は検察と裁判所でもっているようなものだ」と、持ち上げると「確かに検察は元気いいね」と同意した。

猪瀬直樹氏の前座として31回卒業生のジャーナリスト、林克明(まさあき)氏から今生存している約10万人の元日本兵が生きているうちに見た、聞いた、やった、されたことの証言を影像記録として残しておく活動の紹介があった。2010年までのプロジェクトである。 元日本兵26人と50人程の若きボランティアがつくる「戦争体験放映保存の会」だ。本来NHKなり厚生省がするべき事業なのだ。

作家の猪瀬直樹氏は長野高校の8期後輩で講演というより漫談であったが、マスコミが伝えない肉声を聞くことが出来てよかった。その要旨は:

バブルがはじけてプライマリーバランスが取れなくなってからも竹下以後の政権が利権にまみれて出費を抑えることができなくなっていた。思いもかけず小泉が首相になったが小泉は権力はないのでなにもできない。唯一の権力の源泉はマスコミを動かして世論を見方につけ選挙に勝つことしかない。勝ってようやく郵政改革ができた。猪瀬も小泉に道路公団の無駄使いを止めさせる役をおおせつかったが、小泉に権力がないので彼にもなにも出来ない。そこでマスコミを取り込もうとしたが、マスコミの記者諸君が高給取りなので道路公団傘下の企業群の職員の高給を指摘してもボツにされて大変苦労した。日本に残された最後の構造改革は朝日新聞、NHKなどの給与レベルを下げることだが、これがうまくゆかないとなげいていた。

首席で高校に合格し、東大法学部を出て朝日新聞社の記者になった友人がいる。若き頃は左翼だったのが長く外国にいるうちに中道化し本社の社風に会わなくなったのであろうか?早々に朝日に見切りをつけて50歳代でやめ、某大の教授になった。その彼でさえ朝日新聞の体質は国民の気質に会わせて売り上げを伸ばすためにそうなったという。 我々が望んだことなのだというわけだ。

猪瀬の指摘する日本に残された最後の構造改革は朝日新聞、NHKを変えることだとすれば、購読料、受信料を唯々諾々と銀行振り込みしているようではダメだということか?

マスコミが機能していれば、特定集団の違法行為もその集団が一斉にパソコンの情報を消去したタイミングで検察が捜査に入ると、消去した重要書類をたちどころに特定することができる。消去という作業がかえって重要書類だと教えてくれるわけだ。

用意されていた猪瀬の著書「道路の決着」に話の内容は全て含まれているということでたちまち売り切れてしまった。

次期長野県知事はぜひ長野高校から出したいという地元が猪瀬直樹氏を担ぎたがっているが、本人は大分困っているようであった。

パーティーでは特許庁長官を歴任して現在内閣官房・知的財産戦略推進事務局長の荒井寿光氏が会長としての挨拶をした。

小泉さんが日本をバルブに導いた張本人である福井氏を日銀総裁を指名したとき、ついに焼きが廻ったかと思った。その後うまくやっているなと思っていたのだがやはりその福井氏がボロを出した。それだけの人のようだ。

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June 15, 2006


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