柿田川湧水群・沼津御用邸・大室山

周遊ドライブ

2001年2月、wakwakグループで沼津アルプスを縦走した折、柿田川の湧水の話題が出た。以後、気になっていたが、2002年の晩秋にここを訪れた。7:00自宅発、湘南バイパス→箱根新道→国道1号線経由で朝霧の立ちこめる三島市に9:00に入る。ファストフードにて朝食。市営の駐車場に車を乗り入れると足立ナンバーの観光バスが2台大勢の良若男女を吐き出す。かなりの観光名所のようだ。

湧水が造った渓谷が国道1号線に食い込むように切り込んでいる。柿田川の長さは1,200メートル。渓谷の周辺のあらゆるところから水が湧き出して、集まると幅100メートルにもなる大河となっている。湧水量は日量100万トンという。流域の渓谷の斜面はケヤキ、エノキ、スダジイなどの温帯性広葉樹林となっている。水草のミヤマバイカモが川底を覆い、清冽な流れを彩っている。川面をカワセミが飛び交う。

kakitagawa.jpg (36191 バイト)

柿田川湧水地

観光客を離れ、川岸を散策すれば、数え切れないアユが湧き水のある浅瀬で産卵している。狩野川から遡上してくるのだという。無論禁魚区となって保護されているが、夜になるとサギの大群が訪れ大酒盛りになるという。

fish.jpg (17059 バイト)

産卵するアユ

高度成長期に三島市内に立地した羊毛原糸洗浄工場や製紙業が井戸を掘って富士山の伏流水をくみ上げ、工場廃水をこの柿田川に放流したため、柿田川、下流の狩野川、駿河湾がヘドロで埋まった。 またこの泉の周辺が私有地であったため、クレソン栽培などで荒廃しそうになった。付近の住民が緑のトラスト運動を開始し、工場廃水はパイプで柿田川をバイパスするようにし、川の洗浄を行なってようやく自然が回復し 、駿河湾まできれいになったそうである。この地の出身者の大岡信氏が緑のトラスト運動に送ったメッセージ詩は有名である。

沼津漁港ですし昼食を予定していたが、朝食をとった後のため、修善寺に向け出発。

途中、沼津アルプスから沼津の御用邸記念跡が見えたことを思い出し、そこに(Theme Park Serial No.174)に立ち寄る。この御用邸は東海道線が開通した頃、大正天皇の夏の避暑地として作られたという。戦災で本館が焼失し、戦後、焼け残った西付属邸と東付属邸が平成天皇の御学問所として使われた後、沼津市に寄贈されて公園となった。戦前の皇族が使用した施設を見学できる貴重な施設である。正門近くの松の大木の林は見事。焼け残った付属邸を見学して感じたことは皇族が質素に暮していたなということであった。家具なども、重複投資を避けるため、全てその都度運び込んだとのこと。

goyoutei.jpg (18088 バイト)

戦災で焼失した御用邸本館

沼津市も少し贅沢さが必要と考えたのか、東付属邸の庭園に千利休の茶室の複製を増築して、茶会の利用に供していた。海岸から見える駿河湾は湖水のように静かであった。ここから富士山もよく見える。

teahouse.jpg (21834 バイト)

東付属邸駿河待庵

修善寺をひさしぶりに訪問したが、温泉街に魅力は感ぜられず、駐車料金も不当と感じたので、車で視察するに止める。ここでソバ屋で昼食を摂る。1999年にも通過した湯ヶ島、浄蓮の滝、天城トンネルを抜けてループ橋の下にある河津七滝(ななだる)に立ち寄る。

河津町では河津バガテル公園の看板が出ていたのでチョッと立ち寄ってみた。パリのバガテル公園を模した新設のバラ公園のようである。建物は立派だが、肝心のバラ庭園の方はオフシーズンで開園していない。レストランだけが使える状態であった。開園間際で樹木が小さくまだ原っぱのように見えた。

kawazu.jpg (9916 バイト)

河津バガテル公園

伊豆東海岸に出てからは稲取、熱川と北上し、大室山山麓の泉郷プラザホテル(Hotel Serial No.237)に夕闇せまるなか到着。ここで一泊。ホテルのベランダからは大島と相模湾全域に加え、房総半島の突端が見える。

翌朝大室山(580m)にロープウェイで登り、お鉢めぐりをする。東京湾を出て西に向かうタンカーがよくみえる。対潜哨戒機も海面すれすれにゆっくりと大島西海域を哨戒しているのが見える。ソ連が脅威でなくなってからその任務は不審船監視であろうか?天気の良い日には三宅島も見えるという。北東に1ヶ月前に登った小室山(321m)が見える。薄霞がかかって見えなかったが、この2つの山頂を結ぶ線の向こうには七里ガ浜があるはず。なぜかといえば七里が浜から天城山方向を望めば下の写真のように天城山の左手前に大室山と小室山が重なって見えるからである。中国人の観光客の一団が大室山を訪れていた。ここからは見晴らしもよく、国際観光スポットとしての適地と実感した。今後日本は東南アジアの人々を観光客として受け入れて外貨を稼ぐ必要に迫られると思う。

omuroyama.jpg (9129 バイト)

大室山から小室山を望む  この延長上の相模湾の対岸に七里ガ浜がある

七里ガ浜から天城山左手前に重なって見える大室山と小室山を望む

大室山に引き続き、伊豆シャボテン公園(Botanic Garden Serial No.175)に初めて入園した。もう償却も済んだ古い施設である。これが意外に楽しめた。20haと広いこともあろう。園内に放し飼いにされている100匹に近いリスザルが木から木に移動して木の実を捕食している。特に柵もないのによく園内から逃げ出さないものだ。

帰路、川奈の森永先生宅に立ち寄り、3時間程談笑。2時間で帰宅。伊豆は早くから観光地として開発されたので有料道路料金が安く、リピーター向き。

December 7, 2002

Rev. December 14, 2006


トップページへ