ETAP 21iまたはETAP 2iがショートリスティングされたのでこの2種に試乗することにした。
ETAP 21iに試乗したのは湘南港。思ったより大きく見える。午前中の風が弱い時刻であったため、ハンドリングの困難さは感ぜられなかった。船外機の8HP、2サイクルエンジンは比較軽く、手によるチルトアップは可能であるが、4サイクルエンジンは重く大変そう。メーンセールはマストに行って引きおろさないとレージージャックに引っ掛かり降りない。バッテリーチャージはエンジンだけで可能とのこと。ガソリンタンクは海水に浸るためステンレス製か樹脂製にする必要があるだろう。オーナーは予備のガソリンタンクを用意していた。
江ノ島マリーナ在 ETAP 21 (2000/9/9撮影)
ETAP24に試乗したのは葉山マリーナ。午後で風が強くなっていたため、ワーキングジブでもかなりのスピードがでる。舵はバランス型ではあるがワーキングジブを展開していたため、メーン過剰となり、ウエザーヘルムとなって舵は重かった。舵への反応は敏感で、長時間ティラーを握り続けるのは疲れる。パワーチルト機構付き船外機9.9HP4サイクルエンジンは水没しているパワーチルトシリンダーによって生じた波がコックピット内に反流することと、舳先が上がってしまうためフルスピードは出せず、薦められない。8HPで充分とのこと。ガソリンタンクは樹脂製にかわりつつある。
葉山マリーナ在籍 ETAP 24i (AYA号)
ETAPは湘南港に21フィートが、葉山マリーナに24フィートが各1隻であるが、横浜ベイサイドマリーナには22フィート、24フィートが各1隻、26フィート1隻、36フィート1隻、38フィート1隻が在籍している。横浜市民ハーバーにも24フィートが1隻増える予定。26フィートのオーナー氏の証言によれば、ショートリスティングのとおり、帆走性能はETAP24iの方がETAP26iより優れているという。
横浜ベイサイドマリーナ在籍 ETAP 24i (秋葉氏所有 2001/2/25撮影)
指定バースに帰る ETAP 24i (2001/2/25撮影)
(1)ETAPシリーズは全て独立気泡の発泡浮体をビルトインした不沈構造である。ETAP21iとETAP24iも同じ設計思想である。このためヨーロッパでは3割はコスト高とされている。しかし対円ではユーロは3割安のため、輸送費を加えても日本製に比べ安い。
(2)ビーチ材のラミネート合板をインテリアに使用していて北欧風で感じが良い。
(3)ETAP21iはヘッド用の独立の部屋は確保できないが、ETAP24iは可能である。
(4)ETAP21iもETAP24iもバウは垂直に立って水線長を確保している。アンカーがバウを傷つけないようにローラーの付いたバウスプリットは必需品である。
(5)ETAP21iは船外機だけだが、ETAP24iは船外機とインボードエンジンのいずれでもよい。船外機を採用すれば24フィートとはいえ実質インボードエンジン付きの26フィート並の全長となる。船外機の価格はインボードエンジンの1/5であり、漏水のリスクもない。
(6)ETAP21iもETAP24iもシングルハンドでもタッキング可能とするため、味気ないセルフタッキングジブを採用することなく、メーンとのオーバーラップを小さく取って、タッキングを容易にしている。そしてマストを後方に立てることにより、フラクショナルジブでありながらジブ面積を確保している。ジブリードレールはコーチルーフ上に設置。
(7)ETAP24iはETAP21iの後で設計されたため、マストのサイドステーのアンカリングポイントも後方に取り、バックステーを省略してしまった。このためメーンセール上部をフルバテンとし、ローチ(roach)を大きくとり(リーチ,leech部を円弧状に脹らませ面積を増やすこと)短いブームにかかわらず大きな帆面積を確保することに成功している。このためパワーを確保し、かつコックピットには開放感がある。
ETAP21iは湘南港を基地にできる。しかしパワー不足で物足りない。ETAP24iは少しヘビーで丁度適度という感じである。総合判断でETAP24iを選定。ホームポートを横浜ベイサイドマリーナとする場合も24フィートはB区画に該当し経費の節約になる。抽選に当選しない場合は三浦半島突端のコーチヤとした。
購入最終仕様は
(1)ファーリングジブ
(2)レイジージャック
(3)オートヘルム
(4)コストが理由で船外機
(5)標準のディープフィン(鉛製)
(6)ドジャー
(7)ヘッド
(8)バウスプリット
(9)ブルースアンカー
(10)スイミングラダー
(11)コンパスとトライデータ(スピードメータ、デップスメーター、水温)
マリーナ決定後の仕様変更
2000/9/9
Revision 2001/2/25