読書録

シリアル番号 863

書名

空海の風景 上下

著者

司馬遼太郎

出版社

中央公論社

ジャンル

小説

発行日

1978/1/10初版
1984/4/30第10版

購入日

2007/7/2

評価

中公文庫

家人の蔵書

丸谷才一、山崎正和の「日本史を読む」に触発されて読み始めたが、若き頃、満濃池の事に関しては朝日の訪問記で読んだことを思い出す。グリーンウッド氏がバイクで四国一周したとき、空海の誕生地にある善通寺を訪問したが、満濃池には思い至らなかった。地図で調べると善通寺より金刀比羅宮に向かって山に分け入るとそこにある。

冒頭の「僧空海が生まれた讃岐のくにというのは、茅渟(ちぬ)の海をへだてて期畿内に接している。野がひろく、山がとびきりひくい。野のあちこちに物でも撒いたように円錐形の丘が散在しており・・・」は実際四国一周時に讃岐を旅して「この界隈は平野に急斜面のオムスビ型の山が点在する特異な地形である」と描写したのと同じである。

司馬遼太郎が空海を普遍を知ってしまった天才として描いている。


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