読書録

シリアル番号 831

書名

ローマ人の物語 XV ローマ世界の終焉

著者

塩野七生

出版社

新潮社

ジャンル

歴史

発行日

2005/12/30発行

購入日

2006/12/28

評価

過去14年間年末の読み物としてつきあってきたローマ人の物語の最終編。I巻目は2,200円だったのが人気が上がるにしたがって価格は上がって3,000円となった。ウーム文庫本が出るまで待てないのでやはり買うか。

膨大な歴史を詳細に記述している。なかでも興味を持ったところは、2005年のシャンパーニュ、ブルゴーニュ地方の旅で通過したエペルネーの東側にある現シャロン=シュール=マルヌ(シャロン=アン=シャンパーニュ?)でフン族のアッティラとローマ軍のアエティウスとの間にシャロンの会戦(カンピ・カタラウニチの会戦)が行われたという史実である。アッティラはマインツでライン河を渡ってガリアに入り、ランス→パリ→オルレアンと侵攻したのち、ラインの東に撤退していた紀元451年6月24日この地で会戦をしたのだ。

紀元451年は中国では五胡十六国が終わって北魏が興ったころで隋や唐が建国されるのは紀元600年以降である。草原を本拠地とする遊牧民族がユーラシア大陸の中心から東西にむけて膨張していた時代であった。

民族大移動があってローマ帝国が滅んだ後、ゲルマン民族の一つフランク族がフランス王国をつくるり、アングロ・サクソン族がブリテン島に入りイングランド王国を作ったことは知っていたが、西ゴート族がイベリア半島に入り、ヴァンダル族がアフリカに入ったことは知らなかった。そして東ゴートがイタリア半島を支配するに至るのである。

東ローマ帝国の皇帝ユスティニアヌスはハギア・ソフィアの建立、「ローマ法大全」の編纂、旧西ローマ帝国領の再復をおこなった。、「ローマ法大全」は後世にナポレオン法典に影響を与えたものである。かってブルガリアでナポレオン法典にであったことが懐かしく思い出される。旧西ローマ帝国領の再復はベリサリウスという非常に有能な指揮官が居たが故の快挙ではあったが、ながい目でみればそれはヨーロッパに一層のカオスをもたらしただけであた。


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