読書録

シリアル番号 731

書名

ジャン・クリストフ

著者

ロマン・ロラン

出版社

みすず書房

ジャンル

小説

発行日

1957/12/20第1刷

購入日

1958/1/1

評価

原題:Jwan-Christophe par Romin Rolland

大学教養部時代に買い求めて読んだ本である。当時の金で1,200円を支払っているので、1万円以上の豪華本である。まずしい学生の身分でなぜこのような高価な本を買う気になったか思い出せないが折角 買ったので兎に角読破しようと努力した記憶がある。

辞書に使うインディアン・ペーパーに小さな活字で2段印刷した1,744ページの大著であった。読破に1年かかった記憶がある。アントワネットやグラチアという登場人物がどうだったかも記憶の彼方である。ベートーベンをモデルにしたというが全く別の人格についての話と思った。兎に角長い。

作家の森村誠一が「この作品は、特に人生の仕込み期間の学生時代に読んでおくと、人生航路を支える極めてオクタン価の高い燃料になるようである」と述べている。今思い返すと、確かにそのようなエネルギーをもらったような気がする。情感として忘れられないのだ。人生のたそがれ期になってもう一度読み返す気力はないが、学生時代に自己形成のための教養書として本著にめぐり合わせた幸せを感じる。

訳者のあとがきにロマンロランは1944年、ブルゴーニュの「聖なる丘」ヴェズレーの自宅で亡くなると書いてあった。


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