経産省不要論

経産省は戦後の疲弊している時、吉田茂に見込まれて 側近として終戦処理を裏方で支援し、 新憲法作りに立会い、輸出立国のために通産省を構想して作り、電力業の分割民営化し、自ら東北電力の会長となり、只見川系の水力発電の開発を指揮した白洲次郎が造った役所だ。しかし、今ではその役目を終え、日本の足を引っ張るだけの役所になりさがった。一種のガン組織のため、切除が望ましい。

いかにくさった官庁であるかの実例を上げよう。スパコン、半導体、液晶などを滅ぼしたのも経産省。つぎは電気自動車?そして、自動運転車と待っている。自動車がきえれば日本に製造業は無くなる。

経産省が発表した高速炉開発計画はまさに経産省の、経産省による、経産省のための、高速炉計画だ。その心は「六ヶ所村に廃炉した原発の使用済み燃料を持ち 込む権利を確保しておきたい」だ。経産省は原発の廃炉後はグリーンフィールドにすると公約していることを忘れていないのだろう。そんなこと不可能なのに。 熱力学第二法則は冷酷な真実などということは頭に入らず、言葉の芸でなんとか突破しようという典型的な悪しき文系脳集団だ。

半導体や情報産業で米国に負けた企業を金融面で救済する逆噴射型組織である産業革新機構は失敗であったと認めて米国での先端分野の独走態勢をささえたベン チャー投資集団に対抗すべく、2018年5月革新投資機構なるものをでっち上げ、そのトップに三菱銀行の副頭取だった田中正明氏に年収1億円に給与を約 束して座ってもらった。しかし、もし田中氏が本当に目利きなら革新投資機構なるものを作らずとも、日本にも先端技術はすでにいくつか育っていただろう。だ から田中氏に大金の管理をまかせても新規事業が育つわけではない。

経産省は再生可能エネルギーでもFIT政策に失敗しつつある。市場に任せすべきことに介入して火傷したばかりでなく、この分野で日本が落伍者にあるように しっかりがんばっている。そもそもFIT制は人為的高価格を制度化して投資を呼び込むという限りなくヨーロッパ的な社会主義的な考えではじまったのをまね たものだ。ととが再生可能エネルギーの価格低下が予想より早くすすみ需給バランスが逆転してしまった。あわてて設定価格を下げて法的な補償問題が生じてい る。こういうものを制度化せず市場にまかせていた米国では再生可能エネルギーの価格低下のため急速に普及し、安い価格の電力を享受している。結局アダム・ スミスの神の手はここでは作用したのである。ヨーロッパとそれをまねた経産省の敗北である。

地球温暖化対策のための「パリ協定」実現のために経済産業省は新たな小型原発の開発を進め、2040年ごろまでに実用化を目指す方針を固めたとぶち上げて いる。これは外国のものはなんでも先端だろうと飛び着く経産省の浅智慧ためだ。少し冷静に考えれば小型原発が安全かといえばそんなことなない。Probability of Nuclear Power Plant Accidents with respect to Radioactive FalloutのFig-1のようにメルトダウンの事故確率は小型の方が高いのだ。そしてプラントコストは規模の0.6乗になるため高価で事故確率が高いという最悪な炉となろう。

太陽光や風力などの再生可能エネルギーが世界的に普及している中、経産省は温室効果ガス削減には原発が必要と判断したという全くアナクロな宣伝をしている。なにせ文系脳は宣伝しか能がないのだ。そしてその金は国民の金だ。かえせといいたい。

フランスではマクロンが「パリ協定」実現のために炭素税を自動車燃料に適用するとしたが、強固なフランス市民の隊に負けた。あえなく黄色ベストを着た市民の抵抗に降参。さすがバスティーユの襲撃をしたフランス。ビバ、フランス!

安倍政権はこの傲慢・無能集団にクリンチしているのだ。命運は決まったようなもの。

December 5, 2018


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