ビーツ料理

鎌倉浄妙寺在住の料理家辰巳芳子女史がはじめた”大豆100粒運動”に賛同して自ら製造するコンポストを使い、無農薬・有機栽培農園を維持している西沢重篤氏にたのまれて、2006年の暮れ、ロンドン郊外のウィズリーの王立園芸協会の売店で仕入れたニンジンの種を4種類お土産に持ち帰った。

この4種類のタネを撒いた中で最も早く成長したものをいただいた。形はニンジンににているが、味と色はビーツである。種苗メーカーのThompson & Morgan社の袋をよくみれば1袋だけAlto F1 Hybridという新種のビーツと書いてある。ビーツは普通球状であるがこれはニンジンのような細長い外見をしている。 自分用にセレリアック、スプラウツと一緒に買ったビーツをラベルをよく見ないであげてしまったようだ。

ビーツ料理はこれをゆでてビフテキに温野菜としてそえれば肉の味を引き立てる。西沢氏はニンジンと間違えてスティックにして酒の肴にしたというので試みてみたが、これもいける。ぬかずけにしてみたらこれも悪くない。しかしなんといってもゆでたものが甘みがあって一番美味。

西沢氏が辰巳女史に試みに使ってもらったらなかなかよろしいと評価されたという。ホテルに納入したら悦ばれるのではないかと言われ、その気になったので種を沢山注文してくれとたのまれた ので3,000粒発注した。

さてビーツの根を沢山もらってしまったので余ったものを保存食とするためにスパイス・ビネガー漬けにすることにした。

材料

ビーツの根 7本
ビネガーまたは米酢(酢酸濃度5%程度) 1リットル
ホール・オールスパイス 7グラム
グローブ(丁子) 7グラム
シナモン 7グラム
黒コショウの実 6粒
ニクズクの葉から作った香辛料 7グラム
砂糖 適量

ニクズクの葉から作った香辛料とはblade maceのこと。ニクズクの実はナツメグなのでナツメグの葉ということになる。ナツメグの粉で代用。グローブとblade maceは手元にないので、代わりに自家製の月桂樹の葉と砂糖を加えた。

英国で購入したレシピーでは砂糖は加えないのだが好みに応じて加えた。

準備作業

中華鍋に水をいれ、そのなかに耐熱ガラスのボールを置き、ボールにビネガーとスパイス類を入れて煮立てる。蓋をして約2時間放置し、スパイス類を取り出す。抽出液がスパイス・ビネガーである。

料理プロセス

ビーツの根を皮をいためないように洗い、中華鍋に水をいれ、塩少々をくわえて30分から1時間煮る。市販されている丸いものなら1時間以上煮る。茹で上がったら手で薄皮をむき、好みの厚さに輪切りにするか角切りにする。

ガラス瓶にゆでたビーツを入れてスパイス・ビネガーを流し込んで漬け込む。1週間程漬け込むと、高貴なスパイスの香を吸収して肉料理に付け合せれば、下品な肉の味を中和して食欲が増進することを請合う。

西沢さんに一瓶進呈したら、辰巳女史のところに届けて、どこかの女性雑誌の料理取材に使われたと報告があった。

ゆで卵のビーツ・スパイス・ビネガー漬け

スパイス・ビネガー漬けしたビーツを食べつくすと綺麗な漬け液が残る。これにゆで卵を入れておくと一晩で右上写真のように漬け上がる。保存食としても使える。

July 25, 2007

Rev. March 9, 2008

料理のページへ


トップページへ