カメリア氏提起の討論

21世紀の人類の課題

Monday, January 10, 2011 6:54 AM

ラウンドテーブルの皆さん、

坂本竜馬が人気を集めるのは、運命共同体を、薩摩や長州ではなく、日本全体に拡大し自分を捧げたことではないかと思われます。そこには黒船の存在があったわけですが、敵を共有するとき、人は運命共同体を拡大できるように見えます。今は、運命共同体を国レベルにおいて、日本だ、中国だ、北朝鮮だ、イラクだ、と争っているわけですが、恐らく宇宙人が攻めてきたら地球人は団結すると思われます。宇宙人の代わりに、地球の資源・環境問題が攻めてきていると考えたらどうでしょう。今の世界人口68億が100億になると問題解決は一層難しくなります。21世紀は、地球の資源・環境問題を共通の敵として意識して、国益を超えEUや東アジア、さらに人類全体を運命共同体と考えるべき時代ではないでしょうか。

カメリア

 

 

2011年1月10日 8:49

カメリアさん

その前に「日本沈没」を心配しています。

パイントリー 拝

 

 

2011年1月10日 10:54

カメリアさん、

おっしゃるとおりで、この人間の性向を利用してヨーロッパは「共通の敵」として炭酸ガスを認識して共同戦線をと呼びかけているのが京都プロトコル以降の世界的な政治的動きだと私は認識しています。私も大賛成でしたが最近ふとしたことでその科学的根拠が薄弱すぎると考えるようになりました。無論、炭酸ガスを敵と認識すれは正否は差し置いても資源枯渇というこれも共通の敵と戦うことと同じで半分は問題ないのですが、炭素の隔離(CSS)はいただけません。資源の枯渇を加速させるからです。というわけで「共通の敵」の認識が間違っているのではという疑義を晴らさないで、ヨーロッパの呼びかけに無批判に応ずるのは危険と思っているわけです。こういう理由で毎日私は戦っているわけです。

問題は日本政府と学会がヨーロッパと学問的な検討もせず、唯々諾々と従うどころかIPCCは正しい。だから原発が必要なのだと税金を使って言い募る宣伝パンフレットを発行し、TV、新聞などのメディアで広告していることです。一見、民のためのようにふるまっていますが、どうみても一部既得権益擁護のように見えます。国民のためではなく、一部の勢力のために我田引水をしているわけです。亡国の政府です。

昨夜も友人の息子さんがNHKのディレクター角氏の部下で新資料を基にNHKスペシャル「なぜ日本人は戦争へと向かったか」という特集番組を製作したというので観てくれと連絡をもらいました。4部シリーズの@外交敗戦をみていたのですがなにやら寒気がしてきました。なぜというに現在の日本政府は当時と基本的になにも変わっていない。組織が縦割りで情報の共有はなく、すべてを掌握して判断する人がいない。国をどうするかという基本的な理念がなく、当座しのぎの状況判断で行動し、結果として漂流をしている。内向きにしか考えず、人気取り政策を採用したがり、外国がどう考えるかには思い至らず、希望的予測で行動するため、諸国の信頼を失ってしまう。などなどなどアブナイですね。世界共通の利害などというのん気なことを言っておれないという危機感を持ちました。幸いなことにもう世界大戦などはもうできないとだれも感じています。日本人のだれも認めませんが水爆を複数国が持って互いに抑止しているためです。せいぜい日本の敗戦 があるとして辺境の島のいくつかをとられ、ますます貧乏になるということではないでしょうか?

皮肉なことに、この日本が貧乏になるということの真の敵は「帝国以降 アメリカ・システムの崩壊」を書いたエマニュエル・トッドが指摘するように残念ながら「自由貿易」という経済思想なのだと私も思うのです。フランスの法制史家にして精神分析家ピエール・ルジャンドルは「独裁とは繰り返し語ること、あるいは繰り返し語る立場に身を置くことである」といっているそうです。過去数準年間「自由貿易」という言葉が魔法のように世界を支配してきました。そのおかげで少なくともアジアと中南米は西欧に追いつきましたが、まだアフリカは植民地時代の貧困から抜け出られておりません。この事態をやはりNHKのディレクターだった友人 小笠原さんが教えてくれたHans Rosling製作のビデオが簡潔に教えてくれます。スエーデンの人口学者ハンス・ローシングは見事なアニメーションです。Visualizing Mortality History by Hans Rosling, a guru of data animation, is at it again. Here is a very cool video showing 200 years of mortality/wealth progress in just four minutes:

縦軸は平均寿命、横軸は年収、円の大きさは人口、米大陸:黄色、ヨーロッパ:黄土色、アジア:赤、中東:緑、サハラ以南:青色です。

ではどうすればよいか?国の舵取りはこれからますます難しくなります。自らの頭でとことん考えることのできる真の賢人をそだてないとこの国は救われないのではないでしょうか?
 

グリーンウッド

 

 

2011年1月10日 12:36

グリーンウッドさん、

私の言いたいこと、つたわってるのかなあ。黒船が来なければいつまでも、藩レベルで争っている。これを日本という1階層上に、運命共同体を格上げしたので、藩レベルの争いが事実上なくなった。今は国レベルで争っている。もう一階層上に運命共同体意識を格上げできれば国レベルの争いは消えるのでは?そのためには敵がいる。それは何か。どうもこの有限な地球ではないか。皆がこの問題を解決すべきだという同じ認識でに立てるかが課題なのではないか。

この認識に立てれば、日本が沈没するかどうかは気にならなくなるのではないか。わが社が、わが家庭が沈没するかもと心配しなければならない人もいる。だから、この認識に立つのは難しいに相違ない。時間もかかるだろう。全員がその認識に立つことはありえないだろう。しかし大多数がそう認識すれば、解決に向かうのではないか。お国のためにと多くの人が戦争に行った。何がそうさせたか。やはり国レベルで運命共同体を認識したからではないだろうか。

カメリア

 

 

2011年1月10日 12:36

カメリアさん、

カメリア さんのいわんとすることは分かっているつもりです。数学的・物理的構造論とちがい、無数の利害が反する人間社会をまとめて世界国家の構築をしたところで上手くこれを運営するなどということはほとんど不可能だと思います。日本ですら大きすぎてだれもコントロールできない。だから地方自治などをしっかり考えなくてはならないのではないでしょうか?欧米が日本より、少しましなところはこの地方自治が日本より上手く運営されていることだと感じています。まあ階層をうまく使うということですか。ここら辺はコンピュータの世界とおなじですよね。カメリアさんは共通のデータベースで世界をコントロールすることを夢想されているのでしょうけれど、わたしにとってはそれは専制政治の恐怖そのものです。日本の失敗は中央集権をすすめすぎてにっちもさっちも行かなくなっていると私はにらんでいます。知識は確かに中央集権的にあつめなければ大切な遺伝子外情報は失なわれますがそれはもう世界のコンピューターネットワークが収集・保存・リトリーバルしてくれています。この成功はどの国も規制できない、コントロールできない仕組みだからではないでしょうか?すなわちカメリアさんのような全てを自分の思想の管理下の置こうとする衝動のある人から自由であったことが肝心なのではないでしょうか?国の垣根を減ずることは必要でしょうけれど、全く撤廃したらカメリアさんの 鎌倉のお宅は上海の金持ちに買い取られて、カメリアさんは北海道に逃げるなどということが生ずるのではないでしょうか?

私の伯父はカメリアさんが想像するようにお国のためにと思って戦争に行ったのではありません。旧制松本高校受験の日に雪が降って受験できなかったからです。 当時の長野から松本への交通機関は鉄道だけですから手のうちようもありません。やむを得ずただで済む海軍兵学校に入り、パイロットになって 日華事変の折、青島から香港をカバーしていた第3艦隊を中心とする支那方面艦隊の空母龍驤(りゅうじょう)に乗り組み、最若年大尉の爆撃隊長として南京爆撃などやらされた後、1938年2月4日、広東省西江遡航中の敵武装ジャンクに急降下爆撃を加え、熾烈なる敵防禦砲火をあび、指揮官機は火を噴きました。「生きて虜囚のはずかしめを受けず」の戦陣訓に縛られていた時代ですから、そのまま川岸に突っ込んで自爆したと副官が伯母に書いた手紙で読みました。お国のためなどというロマンではなく、腹を満たすためだったというまことに散文的な理由です。

残された遺児の従兄弟は戦陣訓などに縛られて自決せずに、辻参謀のようにしぶとく中国で生き延びていてくれたらと思うと言っています。

グリーンウッド

 

 

2011年1月11日 8:09

グリーンウッドさん、

すなわちの後は文字化けで読めませんが、私の言ってることはかなり誤解されているように思われます。人間にはいろいろあって、伯父さんのように腹を満たすだけのために行動する人もいるでしょう。正規分布ではないにしろ、ある分布をもって行動は行われるでしょう。ただ運命共同体のスコープが、江戸時代と明治時代では平均値として拡大しているのだと、私は考えます。意識する共通の敵がインパクトだと言いましたが、交通や通信の発達で住んでいる世界が広がっていることも要因だと思います。運命共同体を国レベルでしか考えないところから、世界全体で考える人が50%を超えればかなり世の中は変わってくると思います。その時でも、自分だけ、自分の家族だけ、自分の会社だけしか考えない人もいるでしょう。要は平均値がどうかだと思います。
私のデータベースはより広いスコープで変換無しで誤解のないコミュニケーションができる通信場の提供を狙ったもので、専制政治を目論んだものではありません。目先の利益をねらって、孤島システムを無統制に作って、メンテや相互コミュニケーションに困っている会社がたくさんあり、これを解決する方法論を提供しているだけです。

カメリア

 

 

2011年1月11日 15:14
カメリアさん、

価値観が多様化してしまって、運命共同体という概念で人々を縛る、または統治する?ことは難しくなっているのでは思います。

企業にいるときは企業を運命共同体と考えるしかありませんでした。

しかし今の我々引退者にとっては年金を払ってくれる国家のみが運命共同体であることは理念的には明らかですが、残念ながら国家のために我々が出来ることは何もありません。せいぜい税金の無駄使いがないかはらはらしているだけです。

北方領土をロシアに取られようと、尖閣列島を中国にかすめとられようと愛国心など湧いてきません。そもそもサハリンのLNGプラントの製品を日本の電力会社が買い取り、千代田がプラントを受注しても日本政府はこれを領土問題と絡めることはなく、黙認。あまつさえその開所式には麻生総理が嬉々として出席するわけですから、いまさらロシア大使を更迭したって北方領土が帰ってくるものでもありません。竹島はすでに韓国のもの。沖縄に米軍基地を確保できなければおいおい尖閣列島は中国のものになるでしょう。しかし慌てることはありません。その中国はいずれ貧富の差を解決できず分裂するでしょう。

というのが私の読みです。

運命共同体???

運命共同体の敵は外にいるというより内にいるのではないでしょうか?

即ち既存産業の既得権擁護しか考えず、新しい産業の創生を妨害している政府そのものです。これこそ打倒しなければならない敵ではないでしょうか?

グリーンウッド

 

 

2011年1月11日 17:19

グリーンウッドさん、

僕は運命共同体はそのスコープから考えています。たとえば、自分ひとり−自分の家族−自分の所属する藩や会社−自分の国−地球のような階層を考えています。自分ひとりではさびしいし、生きがいがないと思う人が 多いので、これは例外でしょうが、どこまで拡大できるかが問題なのではないでしょうか。政府の問題はこれとは別の問題でしょう。またあまり短期的に考えるのではなく、20−50年単位で考える問題ではないでしょうか。

カメリア

 

 

2011年1月11日 17:3

カメリアさん、

そういう意味なら納得です。政治は権力を伴いますから安易に共同体などといわれれば一言申さずにはいられませんでした。

とはいえ20−50年単位とはいえ世界が単一の権力の下に統一されるというのは私にとって悪夢ですね。逃げ場がありませんから。政治亡命もできないし。陰湿な公安警察にびくびくしなければならないなんて真っ平御免です。

グリーンウッド

 

 

2011年1月12日 5:33

グリーンウッドさん、

そうなると国益優先でやっている今が最善というわけですね。人間が増え、食べ物を食べ尽くして、環境を破壊し、戦争で人を殺す以外方法がなく、大発生のいなごのような最期を迎えるわけですね。

カメリア

 

 

2011年1月12日 10:42

カメリアさん、

世界統一政府がなければ「人間が増え、食べ物を食べ尽くして、環境を破壊し、戦争で人を殺す以外方法がないとでもいう単純な理論がなぜいえるのか私にはわかりません。あまりめざましい機能はしていないが一応国連というものが各国間の利害調整をしているではないですか?IPCCだってその一つです。問題はIPCCがオープンではなく、閉鎖的で官僚機構の悪い面を代表してしまっていることです。

国家というものの基本的役割は国境を守ることです。住民の福祉はむしろ地方自治体または地方政府がいいわけです。世界単一国家に国境はない。宇宙人などというのが空想の産物でしかない。したがって外敵と戦う国防軍は不要。したがって武力は警察力となって内に向かいます。したがって世界国家などというのは内部を権力でしめつけるしか意味のないものになりさがるのではないでしょうか。

ECなどはカメリアさんと同じ発想をもったボヘミアの貴族グーデンホーフ・カレルギーにみそめられた渋谷の骨董店の娘ミツコの息子(映画カサブランカのスエーデン美女イングリッド・バーグマンの旦那のモデル)の理想を実現したといわれていますが、まだ地域連合にとどまり、警察力は内に向かう弊害には陥っていませんが。

ブリュッセルにゆくとECの巨大な官僚機構を収納するビル群が林立していますが、これをみると果たして世界単一国家がよいものか疑問を持ちます。

中華帝国は今のECに匹敵する単一国家でしたが、歴史をみると300年毎に官僚機構の機能がガタガタになり(皇帝が天命を喪失するとされた)崩壊してはゼロからやり直すことの繰り返しでした。明治革命150年で日本の官僚機構も機能不全ですね。

ヨーロッパはギリシアの伝統で小国が分立し抗争に明け暮れしていましたが300年まえに崩壊した中華帝国の間隙を縫って世界制覇したわけです。ECはしかし中華帝国に近づいていますが今後どうなるのでしょうか?一時期世界帝国を構築したかと錯覚した米国はただ沈下してゆくだけです。

コンピュータシステムですら世界を制覇したシステムはIBMのような閉鎖的システムではなく、インターネットという分散的なシステムでした。

椿さんの単一世界国家という思想はナイーブ過ぎるとおもうのです。環境保護は規制ではなく、自由な個人が思いつく新しい技術で克服してゆくというのが、遺伝子外の進化を選んでしまった人類の宿命なのだと思います。

グリーンウッド

 

 

2011年1月12日 11:10

グリーンウッドさん、

私は「世界統一政府」が必要と言ってません。これはグリーンウッドさんがあるイメージを持ってこう表現したものと思います。北朝鮮ほか価値観の共有がないままではまずいと思います。なんらかの価値観を共有し、これを試行錯誤的にでも改善するまたこれに反する場合これをチェックする機構が必要だと思います。それが世界政府なのかどうか、私もわかりません。

国連を発展させて行ければそれでも良いかと思いますが、やはり価値観を国レベルでなく世界レベルに拡大するキャンペーンが必要になるでしょう。自分の評価がどのレベルなのか、50%の人が意識するように持っていくことが必要なのではないか

そんなに短期的な話ではありません。20−50年かけて取り組む課題と言っているわけです。われわれはもう生きてませんから、孫たちへのメッセージとして残すものと考えます。

私の発想はどうも30年くらい経って理解されるもののようです。システムの在り方も、MDMなど私が言い出したことは今頃皆さんが騒いでいます。私の言うことを素直に受け入れたN社が元気の良いのがその結果かどうかまでは分かりませんが。

カメリア

 

 

2011年1月12日 11:46

カメリアさん、

カメリアさんが「世界統一政府」が必要といっていないことは分かりました。しかし価値観を共有し、これを試行錯誤的にでも改善するまたこれに「反する場合これをチェックする機構」というところが引っかかりますね。「反する場合これをチェックする機構」とは国家権力そのものではありませんか?

北朝鮮ほか価値観の共有がないままとおっしゃいますが、北朝鮮の価値観は血による権力の維持です、他国によるどんな説得をしても価値観は共有できません。中国ですらお手上げでえすね。ほうっておいて自壊するのを待つしか手はないのでしょう。価値観の共有など無駄な努力というものです。

フランコ・カッサーノは「南の思想 地中海的思考への誘い」で真実が複数あり、しかも対立する場合、ロゴス同士の関係(対話)は必ずしもロゴスの自由になるものではない。この関係のひとつの局面としてはつねに戦争(ポレモス)がある。アゴン(対立) はかならずしも共通する規範ないにとどまるとはかいぎらない。自由が制海権による擁護を必要とし始めるとき、帝国が必要とされ始めるとき、ギリシアの知のすべての富は失われ始め、相対的、かつ普遍的な支配として蓄積できる部分のみがわずかに救われることになる」と言っています。

わたしがしつこいのは千代田が崩壊したのがまさに北朝鮮と同じ血による権力の維持だったわけで、自壊でしか解決できなかったという苦い経験があるからです。「反する場合これをチェックする機構」とは恐ろしい ことですよ。こころある役員や幹部社員はたちまちにしてくびか左遷が待っていたのですから。

データベース云々などといことは関係ないでしょう。今の株価の差はこの歴史を引きずっていると思います。

グリーンウッド

January 12, 2011


トップページへ