第17章 1980年

天然ガス協会主催

LNG・LPG技術フォーラム

南米諸国と交流

 

私の配下の天然ガスプロセス設計課は国内のLNG/LPG輸入基地、海外の天然ガス処理プラントなどの継続的な仕事を粛々を処理していて問題はなかった。しかし大型のLNGプロジェクトは継続的に受注できない。特にシェルのLNGプロジェクトは入札で わが社が1番札を入れても、競争相手のN社が受注するということが繰り返されたため、天然ガスプロセス設計課は暇である。

このようなとき、天然ガス協会が主催する南米諸国漫遊の技術フォーラムに参加してくれという要請が営業からあった。南米 は米国のコントラクターの商圏でビジネスが予想されることも無いが何せ暇である。旅費はやけに高い。いままで海外旅行は自らカバンを持ち、宿を予約し、と いう貧乏旅行だった。たまには物見遊山も経験してみようと参加した。団長は通産省から天然ガス協会に天下った人で、このフォーラムはこの人のために企画さ れた卒業旅行だったのではないかと感じた。団長さんはやけに気をつかってくれたので多分そうだったのだろう。メキシコとアルゼンチンを回ったが、どこも空 港はVIP用の通 関窓口から直、リムジンやバスに直行という待遇だった。

フォーラムでのメーンスピーカーを勤めさせられたが、なれた話なので、専門家同士、どこでも愉快な時間を過ごせた。

テエオテウカンのピラミッド

メキシコシティーでお決まりの観光旅行、ブエノスアイレスの 観光旅行ののち、バイアブランカでガスプラントを見学した。私が興味を持ったのはターボエキスパンダーを使ったNGL回収プラントとリンデのオレフィン・ プラントだった。NGL回収プラントのケトル型の熱交換器を直列に直結し、レールに乗せた設計には目を見張った。またリンデは小型ではあるが、ハンプソン 型熱交換器を使っていたのが印象的だった。リンデはやがてシェルの競争原理推進策にのり、エアプロダクト社に対抗するLNG液化器メーカーとなるのだ。

ブエノスアイレスで

January 31, 2005

Rev. November 9, 2007

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