秩父札所『午歳総開帳』巡礼記(平成14年3月1日〜11月30日)

秩父34ヶ所観音霊場を気の向くまま、のんびりと歩きます。
午歳は観音様を開帳するので、にぎやかさのなかでの巡礼となります。
一巡すれば100キロとなりますが、時間的な制約もあり交通機関も利用しますが
風光明媚な巡礼道に身をまかせて・・・

第1回目(3月10日・日)

四番(金昌寺)は、1319体の石仏で有名で多くの写真マニアが訪れる場所である。また、子育観音がな
んともいえない微笑ましさがある。


 
 
 
 

石仏の寄進者は江戸をはじめ関東各地からの商人、武士、百姓、奥女中と様々な人々であるといわれ
ている。その一体一体には寄進者の思いが込められている。
喜怒哀楽が心に迫ってくるようだ。

『小学4年生の頃だったろうか、大晦日の紅白歌合戦が終わってから数時間後、父に連れられてこの会
社の恒例の行事に駆り出された。5,60人も集まってきた。あらかじめ決められた班に分かれて箒と雑巾,
バケツを持ち、それぞれ暗い市中を一列になって黙々と歩き始めた。
父の班は途中道路を掃き清めながら着いたところは、私の通っている学校だった。そしてお便所を清掃し
始めた。
私がいつも使っている便所を雑巾で拭き始めるのである。大きいところも戸を開けて拭くのである。
驚きでいっぱいだった。大の大人がかがんで一生懸命に拭いているのである。
誰もいないところで黙々とやっていることに奇妙な思いを抱いた。
この会社の方針で、研修(人間修業)を兼ねた行事であったのだろう。その後秩父神社に集合して、新年
の祈願、お払いをしてから、一列に並んで、何かを唱えながら集合場所に戻った、その後、参加者にはミ
カン等配られて、三々五々家に帰った。
神社にお参りにきた人々は、奇怪な集団に見えたであろう。』