肝炎ウイルス検診を受けられる方へ Q & A 

                                                                         

 

 平成14年度より市町村で行われている基本健康診査に肝炎ウイルス検診が追加されました。肝炎を起こす原因の多くは,B型やC型等の肝炎ウイルスによるものとされています。肝炎ウイルスに感染しても無症状のことが多く、また慢性肝炎から高率に肝硬変、肝癌が発生することもわかっています。日本では,B型肝炎ウイルスやC型肝炎んウイルスに感染している人は、それぞれ100万〜200万人と推定されています。一度、血液検査を受けて感染の有無を早期に発見することが大切です。

1: B型肝炎ウイルスの検査について 

@ B型肝炎ウイルス(HBV)の検査とは?
  
B型肝炎ウイルスに感染しているかどうかは,HBs抗原というウイルスの表面にあるタンパク質が血液中にあるかどうかを採血して調べます。HBs抗原が陽性と判定された場合にはB型肝炎ウイルスに感染していると考えられます。
A B型肝炎ウイルスの持続感染者とは?
  
献血や検診等でHBs抗原が陽性と判定された人のほとんどはB型肝炎ウイルスの持続感染者(HBVキャリア)と考えられます。出産時の母子感染によるものとかんがえられており、1985年からは赤ちゃんへのワクチン接種などの対策が講じられています。
BB型肝炎ウイルスの持続感染者の経過は?  B型肝炎ウイルスの持続感染者(HBVキャリア)の約9割の人は10〜30歳代で軽い肝炎(急性肝炎)を経て健康な状態に戻りますが、約1割の人にB型慢性肝炎がみられ、その一部の人は肝硬変や肝癌へと進行することがあるので定期的な経過観察が必要です
C B型肝炎ウイルスの持続感染者であることがわかったら?
 
 「食欲がない」、「体がだるい」などの自覚症状がなくても、医療機関を受診して定期的に肝機能検査や必要な治療を受けてください
D 日常生活で注意する事は?
  
B型肝炎ウイルスは主に感染している人の血液が体の中に入ることによって感染しますが、ごく常識的な注意事項を守っていれば周囲への感染はほとんどありませんのであまり神経質になることはありません。
  (イ)血液が付着する可能性のあるカミソリ、歯ブラシ等の日用品の共用は避ける。
  (ロ)血液や分泌物がついたものはしっかりくるんで捨てるか流水でよく洗い流しましょう。
  (ハ)外傷、皮膚炎、鼻血などはできるだけ自分で手当てし、また手当てを受ける場合は手当てをする人が、血液や分泌物をつけないように注意を促しましょう。
  (ニ)口の中に傷がある場合は、乳幼児に口移しで食べ物を与えないにしましょう。
  (ホ)献血はしないようにしましょう。
  (ヘ)性行為で感染することもありますので、配偶者が免疫を持っているかどうか検査し免疫がない場合にはあらかじめワクチンを接種することをお勧めいたします。
2: C型肝炎ウイルス検査につい     

@ C型肝炎ウイルス(HCV)の検査とは?
 
C型肝炎ウイルスに感染しているかどうかは採血して調べます。検査はHCV抗体の量を測定して必要に応じてHCV抗原検査(肝炎ウイルスのコア蛋白を測定)、HCV核酸増幅検査(ウイルスがいるかどうか)を行います。HCV抗体の多い場合やHCV抗体の量が中力価、低力価でもHCV抗原が陽性やHCV核酸増幅検査が陽性の場合はC型肝炎ウイルスに感染している可能性が高いと考えられます。
A C型肝炎ウイルスの持続感染者とは? 
C型肝炎ウイルスに感染すると「食欲がない」、「体がだるい」、「吐き気がする」、「皮膚が黄色くなる」など急性肝炎の症状がみられます。中には症状が軽かったり、症状がまったくない場合も多く治癒するのは約30%で、残り約70%の人は、C方肝炎ウイルスの持続感染者(HCVキャリア)となります
B C型肝炎ウイルス持続感染者の経過は?
  
C型肝炎ウイルスの持続感染状態からC型慢性肝炎となる人も多くさらに一部の人では肝硬変、肝癌へと進行することがあるので定期的な経過観察が必要です。
C C型肝炎ウイルスの持続感染者であることがわかったら?  C型肝炎ウイルスの持続感染者であることがわかったら全く自覚症状がなくても、医療機関を受診して定期的な肝機能検査や必要な治療を受けてください。
D 日常生活で注意することは?
  
C型ウイルスは主に感染している人の血液が体の中に入ることによって感染しますが、ごく常識的な注意事項を守っていれば周囲への感染性はほとんどありませんので神経質になることはありません。B型肝炎ウイルス検査での注意事項の(イ)〜(ホ)を参考にしてください。現在、C型肝炎の感染を予防するワクチンはありません。


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