sagittarius in the woods Op. 3.2

作曲期間  2000年
編成    パーカッション×3
演奏時間  5分
初演    2000年12月 東京,東京音楽学校旧奏楽堂
      平形真希子, 申秀晶, 則包桜(perc)
      (お詫び:申さんのお名前の漢字がなく、違う字ですみません。本当は「秀」に「王」ヘンがつきます。)

前作「metallic capricorn」でコラボレーションをした平形真希子氏の依頼により、彼女の企画するパーカッション・アンサンブルのコンサートのために作曲。「森の中の射手座」という、いまいち意味不明なタイトルは、前作の「金属の山羊座」に対応したものである。つまり、この作品で用いられる打楽器は、全て木製のものだということである。列記すると次のようになる。
第1奏者:マリンバ、ウッドブロック×5、ログドラム(4音)
第2奏者:マリンバ、ウッドブロック×5、木魚×2
第3奏者:マリンバ、ウッドブロック×5、木鐘

曲は終始幾分速めのテンポで推移し、基本的なアイデアを略言するならば、ひとまずは「3本の細い糸が絡まり合って1本の糸を形成する」様子を色々な形態で描いてみることだと云うことができる。このような、同種のものの絡まり合いによる一つの集合体というのが私の最近の興味の対象であり、これはそれを用いた試作の一つと云えよう。

マリンバによる短い走句のユニゾンから始まり、それから音型が拡大しつつずれ始め、次第にウッドブロックへと移行していく。ウッドブロックのみの走句に落ち着くと、今度は間もなく音程のない楽器によるポリリズムの部分に入る。そのサイクルが伸び縮みした後に、再びマリンバによって3奏者が絡まりながら低音から高音へ向かう一つの大きな弧を描き、不意に終わる。
以上がこの曲の簡単なプロットである。

「metallic capricorn」と比べればだいぶ軽い性格を持つこの曲は、「ポップな現代音楽」への試みも少し入っているかもしれない。実際にやってもらったら、とてもあっけなく終わってしまったので、似たアイデアによってもう一つ二つ楽章を書き足してもいいかなと思っている。(16/01/2002)
 

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