ピアノを弾く人は、知人の結婚披露宴で弾く機会に何度か恵まれるものだろう。それでショパンのワルツとかノクターンとかを弾くことになるわけなのだけれど、ふとした出来心でオリジナルの曲を作ってみようと思ったりすることもあるかもしれない。そもそもはそういう経緯で出来てきた曲集である。４曲出来たところで芸大に入ったりして、少し間が空いたので、とりあえずここまでを第１集としてまとめている。祝婚歌３曲と、それとは別に書いたショパン趣味のノクターンが１曲である。

以後もこのシリーズは続けようと思っていて、実際に作ることを約束しているカップルもすでに何組かいる。(披露宴に間に合わなかった・・・)作るうちに、この仕事が自分にとってスタイル実習の意味を持っていることに気づき、段々意識的に「あるスタイルで書く」ことを心がけるようになった。

ここら辺は私の中でもグレイ・ゾーンで、人によっては「それは本当の意味での作曲ではない」と云うかもしれないことは重々承知しているのだが、一方で私は、全ての作曲はある意味でスタイル実習なのだと思っている。だからやはり、これらの曲もまぎれもなく私の音楽(オリジナルな、という形容詞はつかないかもしれないが)であると云わねばならないものだろうと思っている。詳しくは lab でエッセイの形にしようと思う。(11/2000)