9月15日(木)...9日目 さよなら北海道
(8:10) 小樽天狗山YH発。
新潟行きフェリーの出航時間は10時30分。一時間前にフェリー乗り場に行くとしても、まだ1時間半ちかくある。ちょっとだけ市内観光しない?な〜んて! まず、小樽駅へ。(それにしても、とりあえず駅に行くというのは、我々の習性というか習慣というか、なぜかとりあえず駅である。町の雰囲気が分かるので良いことだとは思うけどね)。駅舎は明治36年築という歴史的建造物である。もうじき新しく生まれ変わるという?上野駅と良く似た駅舎である。石造りの洋館や、レンガ造りの倉庫などがたくさん残っている、旅情あふれる小樽の顔にふさわしい駅だ。
駅のすぐ脇にある「三角市場」へ。函館の市場などと比べたらすごく小さな市場である。新潟の連中(明日会う予定)への手土産に、イカなど買っておいた。
そのあと、小樽の観光名所である「運河」に寄ってから、「北一硝子」へ。
あまりに有名で、そして素敵な「北一硝子」。所狭しと並べられたガラス工芸品の数々。魅力的にゆらめくランプの灯り。どれも手作りの暖かさがじんわりと伝わってくるようだ。ここにいると、時間が経つのが本当に早い。観光客としてではなく、従業員として一年くらい働いてみたくなる程、俺としては大好きなお店である。みやげをたくさん買い込み、後ろ髪を引かれる思いで「北一硝子」をあとにする。(また来年も来れたらいいけどな〜)。
町のみやげ屋にも寄って、フェリー乗り場に急ぐ。「わ〜っ、もう9時半まわっちゃったよ〜」。
(9:45/10Km) フェリー乗り場着。
予約No77(ラッキー!)を受付で告げる。二等寝台6700円、バイク料金4500円(勝った!)、学割で1000円引きになって、計10200円ナリ。二等の、ざこ寝部屋でも良かったんだけど(去年はそうした)、寝台の料金と1700円しか違わないので、今回はゆっくり休める寝台を選んだ。
敦賀行きフェリーと並んで停まっている、でっかい「ニューしらゆき号」。その横(下?)には、たくさんのバイクが乗船待ちで並んでいる。夏の間、北海道を走りまわってきたツーリングライダー達である。「宗谷岬」だの「網走刑務所」といった旗を付けたバイクが数十台並んでいる。どのバイクもその汚れ具合や、荷物の多さなどから「夏の北海道を満足いくまで走って参りました」とでもいいたげな、バイクどうしがツーリングの自慢話しでもしているような感じだった。たった一日半で北海道をあとにする俺達には、とてもうらやましく見えた。
そんな中で一台、バイク屋さんの軽トラックに運ばれてきたバイクがあった。125ccか250ccのカワサキの古いバイクで、たしか関西の人(おっちゃん)で、せっかく北海道まで渡ってきたのに、エンジントラブルか何かで、すぐにUターンしなくてはいけないらしい。かわいそうに。俺達のバイク二台とも、ここまでトラブル無しで走ってこれて、本当によかった。これから先も最後までトラブらないで走ってね。
(10:30) ニューしらゆき号、出航!!
大間崎の出航の時と比べたら、見送りの人も何人かいて、多少華やかな出航の場面だった。「紺碧の海と澄み渡った青空。そのはざまを、鮮やかな軌跡を残して航海する純白の船。小樽〜新潟間、約19時間の快適な船旅です。食べる、遊ぶ、くつろぐ..充実した船内設備の数々。ウッドを基調としたクラシックインテリアの(ニューしらゆり)がご案内します」と、フェリーのパンフレットには書いてある..。まさにその通りである。
二人で船内を散策した後、久しぶりの卓球で汗を流す..って程は真剣にはやってないけど..。食事はレストラン(バイキング)で海を眺めながら、優雅にゆっくりと。(決して安くはない)。昨日行った「カムイ岬」が遠くに見える。そう!あそこまで行ったんだよな〜。フェリーは、カムイ岬をぐるりとまわるように進むので、例の米粒のような形をした岩も良く見えて、感慨深いものがあった。
午後は、清水が昼寝をしている間、俺は映画館に行った。「夜汽車」という、萩原健一や十朱幸代が出ている映画が上映された。ずっしり重い悲しい映画だった。まわりのおばさん達も泣いてたりして..。映画を見ている途中、グラッ!グラッ!と揺れて「おっ、地震か?」なんて一瞬驚いたけど、よく考えたら船の中でした。大きなフェリーなので、揺れはそれ程ないんだけど、やっぱり揺れることは揺れるのだ。夜、風呂に入った時も(銭湯のように広い)お湯がまるで海の波のようだった。ナイトタイムは、高級クラブ風の広〜いラウンジで、カラオケでも..というところを我慢して、缶ビールを飲んでぐっすり眠った。
清水くん、本日のクルージング、ご満足頂けたでしょうか?
本日の走行距離...たったの10Km!(船の走行距離は入ってないよ!)