9月14日(水)...8日目 「母なる地球、母なる岬」
ライダーなら誰もが一度は憧れる「北海道」!。一度走ったらやめられない「北海道」!。俺も去年初めて走った時、何とも説明の仕様がない感動を覚えた。年がら年中渋滞している都内ばかり走っている、シティーライダーには絶対に味わえない感動がここにはある。
YHの朝食は手作りのパンだった。夕べのミーティング(コーヒータイム)では、手作りのマーブルケーキが出たりして、ここ室蘭YHはそれらを目当てにやって来る人も、結構多いそうだ。そしてここのもう一つの名物が、手作り弁当だ。その名も「ぶりっこ弁当!」。350円ナリ。安い!。昼食用に、買っておいた。
室蘭は、ツーリングコースから外してしまうライダーも多いようだが、ここだけは絶対に行くべきである。「地球岬!」。名前からしてスケールがデカイ!。YHに泊まっていたライダー達と一緒に行った。(千葉の変なあんちゃん、VF1000Rをはじめ計5、6台で走った)。
地球岬
高さ100m程の断崖の上に展望広場があり、そこから見ると水平線が、本当にまあ〜るく見えるのだ。そのすぐ下には真っ白なきれいな灯台がある。
清水談:(かつてマイルドセブンライトのCMに出ていた、ギリシャにある地中海に面した白い建物のようだった)。青い海、真っ白な灯台、大きな広い海、雲一つない広い大空。これぞ北海道!。いんや〜、すばらしい〜。YHからここまで歩いて来た連中を交え、みんなで記念撮影大会をした。各自のカメラを何台もズラリと並べ、一台づつ「パシャ、パシャ」と撮っていった。他の観光客には、ホントいい迷惑である。
ここ地球岬には、ン千万円もかかったという(3千万っていってたかな?)日本一高い(?)公衆便所!!や、地球儀の形をした電話ボックスなんてーものもある。オシャレ!。
(10:30/7Km) 地球岬発
途中、YHのライダー達とは一台づつ別れながら、我々は洞爺湖へ向かう。 → 37号線
主要国道だけあって車の量は多少多めだけど、道路の広さまわりの景色は、北海道独特のものがある。東北の景色とはまたちょっと違う。開放的な雰囲気がある。清水がとても印象的だったという、昭和新山を右手に眺めながら洞爺湖へ。
(12:00/71Km) 洞爺湖 湖の北側にある洞爺村、浮見堂で休憩。 温泉などがある南側の湖畔とは対象的に、この辺はとても静かだ。湖の向こうには、有珠山、昭和新山がくっきりと見える。近くにいた人なつっこい白鳥の写真を撮ったりしながら、のんびりと室蘭YH特製の「ぶりっこ弁当」を食べた。ごはんの上に、おかずで女の子の顔が作ってあった。ナルホド..。
砂利道など走りながら、真狩(まっかり)村へ。
知ってる人は知ってる真狩村!。そう、細川たかしの故郷として、ひと昔前に有名になった真狩村!。なんと「細川たかし記念碑ンKm→」という標識が、「札幌ンKm→」などという標識と同じように出ていた。「よし、行ってみよう!」標識通りにまっすぐ走っていたつもりなのだが、途中から細い砂利道になってしまった。「ありゃ?間違ったのかな?否、でもそんなはずはない!」と、それでもどんどん進む。上り坂が下り坂になって、また上り坂になって、、そこはもうあたり一面、じゃがいも畑!になってしまった。「やっぱり間違えた!」近くに農作業中のおばあちゃんがいたので、聞いてみることにした。
我々のバイクなど気にもせず、黙々と仕事(いも堀り?)をしていたおばあちゃん、親切に近道まで教えてくれた。それをちゃんと清水に伝えたかどうか忘れたけど、清水は今来た砂利道をまっすぐ戻っていってしまった。「お〜い!そこを右に曲がるんだよ〜っ!」ホーンも鳴らしたけど、聞こえなかったようで、じゃがいも畑の中、丘の向こうへ消えて行ってしまった。追いかけていくのも面倒なので(俺、砂利道キライだもん)ここで待っていることにした。「ま、すぐに戻って来るだろう」と思っていたのだが、なかなか戻って来ない。心配になってちょっと走ってみると、やっと戻って来た。「いや〜、わり〜わり〜!Uターンするときコケちゃってさあ!」..「ま、しょうがね〜よ、砂利道だもん」ハハ。二度あることは三度ある...教訓:バイクは何度でもコケる。
「細川たかしを讃える碑」は、村のはずれにポツンと立っていた。銅像でも立っているのかと思っていたので、少々期待はずれではあったけど、せっかくなので羊蹄山をバックに記念写真を撮った。
→ 5号線→ ニセコ町、倶知安町(くっちゃん)を抜け..
(14:30/167Km)
ウイスキーの町、余市町
に入る。ニッカウイスキー工場の前でバイクを止めて、小樽の「天狗山YH」に予約の電話をする。
→ 299号線→
走り出して間もなく、ホンダVT250とすれ違う。「塩川!今のあいつだよ!くまもとくん!(二日前、青森うとうYHで一緒だった奴)」「ホントに!?」急いでUターンして、信号待ちの「くまもとくん」に追いつく。「やあ!!」。彼は、俺達がこれから行く「カムイ岬」から戻ってきたところで、今夜は俺達と同じ「天狗山YH」に泊まるという。いや〜、それにしても偶然!。「じゃあ、またあとでね〜!」。広そうで狭い北海道。
積丹半島(しゃこたん)カムイ岬までは、異様な形をした岩が見え隠れする、海岸線の道をくねくねと走る。そして、積丹のどんずまり「カムイ岬」だ。
(15:45/217Km) カムイ岬
半島の南からは道がつながっていないので、車では来れないという、秘境ムードが漂う「神威岬」である。ここは、去年北海道に来た時も寄りたいと思っていたんだけど、結局時間が無くて余市あたりで諦めたので、今回は絶対に行ってみたいと思っていた場所の一つなのだ。
バイクで行けるのは駐車場までで、そこから岬のさきっぽまでは歩かないと行けないようだ。片道約2キロ、30〜40分。このあと小樽のYHまで戻ることを考えると、ちょっとキツイかな?と思ったけど、せっかくここまで来て、行かない訳にはいかない!「よ〜し!レッツゴー!!」。..と、はりきってはみたものの、山道をライディングブーツで歩くのはちょっとしんどかった。今日も既に200キロ以上走ってるし..まさか、ここまで来て登山するとは思わなかった..少々汗ばみながら、やっと到着!!。
「いや〜、素晴らしい!」見事な景色だ。わざわざ歩いてきた甲斐があった。180度以上に広がる、広い広い水平線。そしてきれいな海。カムイ岬のまさに先っぽの断崖絶壁から真下を見下ろすと、数十メートル下の海の水は、見事なまでに透き通った、きれいなきれいなエメラルドグリーンをしていた。なんと海の底まで見える。ここの海水はその日の天候や時間によって、いろいろな色に変化するらしい。そして数十メートル先には、米粒を半分に切ったような形をした大きな岩が、海面から突き出ている。そうそう!これなんだよ!!この岩見たかった訳よ!ホントここまで来てよかった。
この辺は、砂岩になっている部分もあり、あちこちに落書きがしてある。落書きといっても、石で掘るのだ。「よし、俺達も」と、砂岩の上に石でがりがりと、でっかく落書きをして遊んだ。「しお川くん、太田市、大好き」なんて、くだらない事を書いた、否、掘った。清水は「NAOKI」と掘っていた。何日もたたないうちに消えてしまうんだろうけど「俺達はここまで来たんだぞ〜!」っていう証明のようなものを残せたようで、気分が良かった。
駐車場の脇にある食堂「うしお」でメシを食った。俺は期待していた「生ウニ丼」を注文したのだが、夏の間だけしかやってないそうだ(まだ夏は終わってないと思うんですけど〜)。ガッカリ..。1400円もする「うしお丼」とやらを食った。清水は、実はイクラ嫌い、ウニ嫌い、魚嫌いという事でわざわざここまで来て「親子丼」を食っていた。
(17:50) さてと、今日の宿泊地、小樽までいかねば..
沈む夕日を背中に浴びながら(かっちょいい〜)、「ILoveカムイ岬」をあとにする。途中、清水が左コーナーでスピードを出しすぎて、右車線にはみだしてしまった。「あっ!」。センターラインをオーバーした時、ちょうど運悪く、対向車線をサニーの「パトカー」が来た。清水は、通行区分違反か何かで捕まると思ったそうで、とっさに右ウインカーを出してそのまま右側の民家に入るように見せかけたが、スピーカーで注意された。このことは内緒にしておこうと思ったけど書いちゃった..。ゴメン!。でもたまたま右側に、脇道や民家があったから良かったようなもの、もしガードレールだったら..否、それよりパトカーより前に対向車が来てたら..ゾッ!。
安全運転、安全運転!。ゆっくり走ろう北海道!。
小樽に着いた頃は、もう真っ暗だった。駅の近くでラーメンと餃子を食ってから(当然、ビール!といきたいところだけど、そこはほら安全運転、真面目なライダーである)、小樽・天狗山YHへ向かう。
YHまであとほんの数分、今日の走りもおしまい..というところで..
ガンマくんの前を走っていたVFくんが、突然「ドカッ」と、何かを踏んでしまった。「なんだ?」うしろを振り返ると、「ぎょえ〜っ!」ネコである。せんべいネコではなく、まだひかれたばかりって感じのやつだ。あ〜あ、今日も一日気分良く走り終えようって時に、ついてねーなあ。死んでいたとはいえ(ホントに死んでいたんだろうな〜?)ネコくんゴメン!。いや〜脇見運転してた訳じゃないんだけど、暗かったし急いでたからさ〜...言い訳...。
( 20:10/290Km) 天狗山YH着。
小樽天狗山スキー場内にある、山小屋風のシャレたYHである。ここのYHには、北海道を走りまわったライダー達やツーリスト達が多く集まる。新潟、関西方面のフェリーの基地なのだ。「くまもとくん」のように、まだまだこれから北海道を走ろうという奴は、珍しい方だ。予想通りバイクもたくさん止めてあった。俺は、ここに泊まるのは二度目である。「やあ、やあ、くまもとくん!」いたいた。ハハ。知り合いは「くまもとくん」だけかと思ったら、夕べの室蘭YHから洞爺湖まで一緒に走った、スズキの「GFくん」までいた。ハハハ。
風呂から上がると、遠野YHに続く「不意打ちコンサート第二弾!」とばかりに、堀内なんとか?という人が、3曲ほど歌っていた。曲は、オフコースっぽい感じだった。やっぱりYHっていうと、フォークやニューミュージック系なのだ。
それと、車数台で北海道をまわっているという、関西大のサークルの連中(室蘭YHで噂を耳にした奴ら)が偶然一緒だった。遠野YHの同志社大サイクリング同好会の連中といい、今日の連中といい、団体さんと一緒というのはどうも落ち着かないものである。
そんな訳で、あっと言う間の北海道だったけど、天気にも恵まれ、北の大地は俺達の期待に十二分応えてくれたようだ。思い切って北海道まで足を延ばして、本当によかった。俺達が今回走った北海道なんて、で〜っかい北海道のほんの一部分だけど、その風景の一つ一つが北海道らしさを感じさせてくれた。できれば、北の大都会、札幌に寄って、清水を案内してあげたかったけど(それ程詳しい訳じゃないけどね..)今回は、是非カムイ岬に行きたい!という俺のわがままを聞いてもらったので、札幌はまた今度ということで..。
本日の走行距離...290Km