ぴー・チョー

 Railayに到着した夕方、北海道のクライマーから紹介されていた、ガイドとクライミング用品の店 KingClimber を訪ねた。

 店には上半身褐色で長髪を後ろで束ねたいかにも「登れそう」なクライマーが店番をしていて、やさしそうな顔とギコチナイ微笑みで応対してくれた。

 Mikiは当初計画していたように、さっそく「子供を見てくれる人か、ビレーヤーを探している」とアジアイングリッシュで、訴えた。
しかし、彼はわが家の『子供に危険が無いように、クライミング中に見てくれるだけでいいので、誰か適当な人は居ないだろうか』という要求を正確に理解できないようで、『半日、一人で1000B』『クライミングギアのレンタル』など必要だと、営業話が帰ってくる。ん・・・話が見えない。

 Mikiのアジアイングリッシュが通じないのか、彼の認識に「子供を見てくれる人を雇用する」などという概念が無いのか・・・結局、話はきまらないまま・・・・

 こまったスタッフ曰く『あした八時半にここ来れば、僕の友達が来て、君を助けてくれるかもしれない』
 「僕のともだち」・・・って誰?(?_?;)「まあいいや明日のお楽しみ」とMikiは言って、最新のガイドブック「KingCkimber4」を600Bで購入し、その場を離れた。


 次の日、言われた通りにわが家は、再度、KingClimberの店を訪ねた。

 店には昨日と別人の、でもやっぱり登れそうなクライマーが真っ黒の上半身を見せて座って居た。Mikiがその男性に話をしていると、昨日の店番をしていた彼が話に混じり、そうこうしているうちにMikiの背後にいたもう一人の青年も会話に混じってきた。

 その間、3人の会話はタイ語だったので私達には解らなかったのだが、3人の協議の結果、ショップの青年達は「彼に相談しろ」と背後男青年を指差した。

 この男は、顔立ちはタイ人だが、体の色は、真っ黒で、背中、腕、足に刺青、怖面の年頃は20台の’おあ兄さん’である。どうやら、彼もクライミングガイドらしく、Mikiとかなり怪しい英語で気迫に満ちた会話を展開している。

彼の名前はCho
Cho 「私はフリーランスだから、貴方たちの希望に添える」
Cho 「登りに行きたいか?」
Miki 「今日からでも登りたい」
Cho 「Okay じゃあ、今から行こう」「お金のことはそれから、相談しよう」
Miki 「Okay」
私達は30分後に待合わせをして別れた。

Match 「あのChoの風貌に驚かなかずに、よく決めたね」
Miki 『目を合わせて話すので、信用できると思った』
だって・・・(^^♪

※miki曰く「日本国内ないならいろいろ判断の仕方があるけど、外国などで瞬時に人間を見分けるには、目を合わせて話をすることと、的確に解答する人を選ぶのだ」そうです。


 その後、船着場で再開して、Choは早速、岩場に連れて行ってくれました。彼の口調は「なんでも要求することがあれば、言ってくれ」「希望するエリアに連れて行くし、リードしたいのか、先に登ってほしいのか言ってくれ」というものだった。
ってなわけで・・・「クラビでマンゴー買ってきて」「明日はマンゴスチン買ってきて」とかまで、頼んでしまいました。
Choとの契約は、一日800Bで2時間という破格のお値段で決定した。多分彼らの世界では高いであろうし、もっと安い値段でも引き受けてくれたであろう。それでも、我家の希望をかなえてくれたので、気持ちよく契約しました。
※今の北海道の最低賃金は時給645円、彼の時給は1200円、相当良い仕事でしょうね)

 彼はYU君ととても楽しく接してくれ、YU君も毎朝の待ち合わせ場所に『ピーチョー』(チョー兄)を連発して、かけて行き彼を向かえるのが滞在中の朝の日課となりました。

 彼はクライミングでも我々の調子を見ながら、ルートを選定して、時には先に登ってクイックドローを掛けてくれたり、YUの機嫌を取ってくれたり、新ルートを紹介してくれたりでとても役に立ちました。 

 Mikiは『クライミングに集中することができて、こんなに登るのが楽しかったのは初めてかもしれない』と感想を述べています。Choの素性はわかりませんが、フリーのクライミングインストラクターで4年半仕事をしている事、毎朝、クラビから通ってくること、仕事以外で週に3日ほど登ってトレーニングしている事、弟は修業中であることなどを知りました。


 最終日には約17,000円=7日間×800B/日+100B(本人がお釣りを所持していなかったのおまけした)を支払いました。
※インストラクターの相場は、半日で1000B/一人でしたが、もしも、ビレーヤとしてお願いするなら、もっとリーズナブルな価格でお願いしたら良いでしょう。

 日程が十分でない人、初めて訪れる人、子供連や単独の方には、このようなインストラクターの雇用方法はなかなか有効だと思います。なぜならルート探しに苦労しませんし、いろいろ便利です(わが家はクラビからの買い出しパシリまでさせてしまいました)。

 しかし、北海道の著名なクライマーのように『クライミングは自分でするもの』(誰も言ってないけど)とバリバリの人には、許せないでしょうが・・・


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