眼内レンズとは

眼内レンズとは、白内障手術で濁った水晶体の代わりに眼の中に挿入する人工のレンズです。

全ての眼科に共通ではありませんが、多焦点眼内レンズ等は患者様が選択出来る場合もあります。

眼内レンズは、眼の中にあるレンズの機能を持つ2つの部位、角膜と水晶体、そのうちの水晶体の代わりとなります。白内障では、水晶体が濁ってしまい、ものが見えなくなってくるため、水晶体を取り除き人工のレンズを挿入します。
眼内レンズは、白内障手術にかかわる様々な物品や機器の中でも最も術後の視機能(見え方の質、生活の質)に影響するものです。
人工のレンズなので、厳密に白内障になる前までの水晶体と同じレベルの機能に戻るわけではありませんが、多くの方は眼鏡等を併用することで、白内障になる前の状態に近い生活ができるようになります。

現在使用できる眼内レンズは機能・形・費用等多種多様で、患者さんはインターネット等でたくさん情報を得られますが、どのレンズが良いのか、何を選べば良いのか、そもそも患者様が選ぶものなのか、そういった悩みや不安も増えてきています。

多種多様な眼内レンズ

眼内レンズの歴史

まだ浅い眼内レンズの歴史

眼内レンズが開発されたきっかけは、第二次世界大戦中のある出来事でした。
イギリス軍の戦闘機が被弾して操縦席の窓(風防と言います)が割れたのですが、その破片がパイロットの眼に刺さってしまったのです。それを取り出すことができないので放置したのですが、感染症等を起こさず眼の中に存在し続けたのです。これをヒントに眼内レンズが開発されました。

この風防の素材が、PMMAと呼ばれるプラスチック、いわゆる硬いアクリル樹脂です。PMMAの眼内レンズは今でも手術の種類によっては使用されています。

PMMA のレンズは、硬くて折り曲げることができず、眼内に挿入するのは6〜10㎜程度の創口を作成して挿入しなければなりませんでした。
白内障手術の進歩の一つに創口の小型化をあげましたが、眼内レンズの歴史の中の最も大きな変革として、折り畳んで小さい創口から挿入できるレンズが開発されたことがあります。しかもこの変革はここ20年程度のまだ新しい出来事なのです。最初はシリコーンと呼ばれる皆さんの身の回りにもある調理器具にも使われているような柔らかい材料が使われ、現在はさらに進化した柔らかいアクリル素材が主流となっています。

眼内レンズの変遷

眼内レンズの素材と構造

主流は柔らかいアクリル製

眼内レンズは、光学部、と呼ばれるレンズの役割をする部分と、それ以外の支持部、と呼ばれる眼の中で動かないように安定させる台座のような部分があります。
光学部は円形で直径5〜7㎜程度あり、少なくとも眼内レンズはそれよりも大きいことになります。これを小さい創口から入れるために考えられたのが、折り畳める眼内レンズです。

折り畳むレンズ、英語でFoldable(折り畳める)IOL(眼内レンズ)と言います。最初に作られたFoldable IOL はシリコーン製でした。その後、より小さな創口から、そして他に様々な機能を持たせることを目的として、素材を柔らかいアクリルで作成した眼内レンズが開発されました。また、光学部と支持部も以前は異なる素材で作られたものが多かったのですが、最近の眼内レンズは同素材のものが主流になっています。

眼内レンズの構造

眼内レンズの安全性

皆さんが生きている間は大丈夫

眼内レンズは、数十年持つとされており、眼内レンズが作られるようになったきっかけにもあるように、今までの実績でもそれは確認されています。

各種の材料はISO という国際基準に則って作られ認証を受けており、様々な試験をクリアーしています。また、眼内レンズは滅菌されているため、眼内レンズそのものの原因で感染症になるようなことも基本的になく、素材自体の生体適合性も良いとされています。

しかし、なんらかの原因で挿入した眼内レンズの位置がずれてしまったり、または、他の病気になってしまった場合には、摘出する場合もあります。

国際基準の認証を受け、様々な試験をクリアーしています

眼内レンズの様々な種類と機能

眼内レンズは、手術の際に作る創口の小型化への寄与だけが進歩したわけではありません。
初期のレンズは、透明で、ピントも1つの距離にしか合わず(単焦点)、レンズの構造的要因からくるボケなども存在しました。しかし、最近のレンズは、薄い黄色の着色、ピントも複数の距離に合うレンズ(多焦点)、元来持っていたボケをより少なくする(非球面)設計、乱視のあった人の矯正用等、高機能なものも出てきています。

黄色着色眼内レンズ

昔の眼内レンズは無色透明でした。近年、薄い黄色着色のレンズが増えてきています。
その理由はサングラスと同じで、無色透明だと光の入る量が多くなりすぎて、日中等は眩しくなってしまうためです。

実は、水晶体も加齢に伴って少しずつ黄色く着色されてきます。ですから、黄色い着色の眼内レンズの方がより水晶体に近い状態と言えるでしょう。

最近では、濃い着色レンズ、薄い着色レンズ、光の持つヒトの概日リズムと言われる体への影響を考慮したレンズも出てきました。しかし、これらの実際の差は大きくないとされています。どういった着色眼内レンズを使用するのか、興味がある場合は、担当医に質問をしてみても良いでしょう。

様々な黄色着色眼内レンズ

焦点(ピントの合う距離)の数

ピントの合う部分が1個の眼内レンズを単焦点眼内レンズ、複数ある眼内レンズを多焦点眼内レンズと言います。ヒトの水晶体は、様々な部分にピントを合わせることができますが、多焦点レンズとは少し異なり、同時に複数の異なった距離にピントは合いません。様々な距離にその都度瞬時に合わせることができる、ということです。

単焦点眼内レンズの場合

これに対して多焦点眼内レンズは、最初から複数の距離にピントが合っている構造になっています。最近の多焦点眼内レンズは、焦点が2個のものと3個のものがあります。

ボケの程度

光はレンズによって曲げられます。レンズは一見、完全球面体の一部分を切り取ったような感じがしますが、実は完全球面状態のレンズでは、厳密には光が1点に集まらないのです。このレンズを「球面レンズ」と呼びます。これに対して、意図的に光がなるべく1点に集まるようにレンズの表面のカーブに手を加えたものが「非球面レンズ」と呼ばれ、最近の眼内レンズはほとんどがこちらになります。

非球面レンズは日常的に多く使用されており、カメラのレンズや望遠鏡のレンズも非球面レンズです。モノを見る時のボケ具合(どれだけハッキリ見えるか)を左右する技術です。

球面タイプの眼内レンズ

レンズに入る光が斜めであればあるほど、光は強く曲がる。
球面タイプの場合の焦点 球面タイプの眼内レンズ見え方
1点に光が集まらず、ボケて見える

理想の眼内レンズ

レンズのどこを光が通っても1点に光が集まる
非球面タイプの場合の焦点 非球面タイプの眼内レンズ
光が1点になるべく集まるようにレンズの表面に手を加えて微調整

乱視の矯正

眼鏡を作るときに、乱視の有無を言われることも多いと思います。モノを見た時にブレて見えたりする、多くの人が持っている乱視ですが、これはもう一つのレンズである角膜の形状が大きく影響しています。

正常な角膜は綺麗なカーブを描いたレンズですが、レンズのカーブが歪んでしまうと、レンズを通してみた像も歪んでしまいます。これを乱視と呼びます。水晶体を取り除いても角膜で発生する乱視はなくなりません。これを矯正する機能を持った眼内レンズを、Toric(トーリック)眼内レンズと言います。

これらのレンズ選択は、多焦点眼内レンズ以外は眼科医が選択するものです。
単焦点眼内レンズは基本的に保険診療の対象となっており、実際の日常生活上では大きな差が無いという意見が多くあります。
また、眼内レンズの種類は多岐に亘りますので、必ずしも国内で使用できる眼内レンズが全て眼科にあるわけではありません。

ただし、多焦点眼内レンズや乱視用眼内レンズに関しては、患者様の意向を伺って使用する場合が多くあります。
多機能な眼内レンズが近年増えてきており、その中には保険が適用されないものや、海外製で輸入を必要とするものもあります。これらを選ぶ場合は特に、そのレンズに対して知識を持っている眼科や眼科医に相談をする必要があります。
医師から紹介されない場合もありますが、ご自身で質問してみるのも良いでしょう。

多焦点眼内レンズ

近年、多焦点眼内レンズの特徴や良さが理解され始め、急激に使用数が伸びてきています。多焦点眼内レンズも最近は複数の種類が出始めていますが、どこの眼科でも扱っているわけではありません。また、必ずしも全ての患者様に多焦点眼内レンズが向いているわけではないところも、難しい部分です。

良く聞かれる宣伝として「眼鏡が不要」という文句がありますが、すべての人が眼鏡が完全に不要になるわけではありません。しかし、精度の高い検査と、優れた手術、そして適切な多焦点眼内レンズを使用することで、ほとんどメガネが不要になる事はあり、それによって患者様は非常にハッピーになります。レンズの種類によって、利点・欠点がありますので、その人のライフスタイルや目的にあわせた選択が重要な要素となります。

多焦点眼内レンズの種類

回折型多焦点レンズ

商品名構造&焦点エネルギー
配分
特徴選定
療養

テクニス
マルチ

テクニスマルチ

構造&焦点

回折型
2焦点
∞・50cm
∞・42cm
∞・33cm

エネルギー配分

遠41%
近41%

光学ロス
18%

特徴

国内で最も使用実績がある多焦点眼内レンズ。近方焦点が50cm・42cm・33cmの3タイプあり。米国Johnson & Johnson VISION社製。厚生労働省認可レンズ。エイエムオー・ジャパン株式会社での取り扱いとなります。国内在庫あり。

選定療養

アクティブ
フォーカス

アクティブフォーカス

構造&焦点

アポダイズ回折型
2焦点
∞・50cm

エネルギー配分

遠70%
近18%

光学ロス
12%

特徴

レンズ周辺部が遠方の単焦点になるアポダイズ回折型で薄暗い環境での遠方~中間が他の回折型多焦点レンズより質が良い。遠方・中間重視の方にお勧めのレンズ。米国Alcon社製。厚生労働省認可レンズ。日本アルコン株式会社の取り扱いとなります。国内在庫あり。

選定療養

テクニス
シンフォニー

テクニスシンフォニー

構造&焦点

エシュレット回折型
焦点拡張
∞~50cm

エネルギー配分

遠~中への
連続配分

光学ロス
8%

特徴

エシェレット回折型による焦点拡張のレンズ設計のレンズです。遠方から中間までの見え方の質がよいとされています。米国Johnson & Johnson VISION社製。厚生労働省認可レンズ。エイエムオー・ジャパン株式会社での取り扱いとなります。国内在庫あり。

選定療養

ファイン
ビジョン

ファインビジョン

構造&焦点

回折型
3焦点
∞・60cm・40cm

エネルギー配分

遠43%
中15%
近28%

光学ロス
14%

特徴

遠方・近方だけでなく中間距離も見やすい。欧州での使用実績が多い。ベルギー PhysIOL社製。ベルギーからの直輸入となります。

選定療養

×

パン
オプティクス

パンオプティクス

構造&焦点

回折型
3焦点
∞・60cm・40cm

エネルギー配分

遠44%
中22%
近22%

光学ロス
12%

特徴

欧州で先行発売され2019年6月に厚生労働省認可されたAlcon社の3焦点レンズ。日本国内で最も使用実績の多い3焦点レンズ。米国Alcon社製。日本アルコン株式会社の取り扱いとなります。国内在庫あり。

選定療養

アルサ
フィット

アルサフィット

構造&焦点

フーリエ回折型
3焦点
∞・70cm・35cm

エネルギー配分

遠33%
中32%
近26%

光学ロス
9%

特徴

フーリエ光学により回折型の欠点であったハロー/グレアが少なく、遠・中・近、明所・暗所ともにコントラスト感度が良好で、見え方の質が高い。2018年9月ヨーロッパCEマーク取得。ドイツ ALSANZA社製。ドイツからの直輸入となります。

選定療養

×

インテン
シティー

インテンシティー

構造&焦点

フーリエ回折型
5焦点
∞・133cm・80cm・60cm・40cm

エネルギー配分

遠42%
中25.75%
近25.75%

光学ロス
6.5%

特徴

DLUテクノロジーを採用した最新の5焦点眼内レンズ。従来の3焦点に比べ光学ロスが少なく、あらゆる場面で見え方の質が良い。2019年11月ヨーロッパCEマーク取得。Hanita Lenses社製。

選定療養

×

分節屈折型多焦点レンズ

商品名構造&焦点エネルギー
配分
特徴選定
療養

レンティス
Mplus

レンティスMplus

構造&焦点

分節屈折型
2焦点
∞・40cm

エネルギー配分

遠55%
近45%

光学ロス
5%

特徴

従来の回折型に比べて暗所での光の滲みが少なくコントラストが良い。0.01D刻みの精度でオーダーメイドで1枚ずつ製作される。 ドイツ Oculentis社製。ドイツからの直輸入となります。

選定療養

×

ピンホール型焦点拡張レンズ

商品名構造&焦点特徴選定
療養

IC8

IC8

構造&焦点

ピンホール
∞~40cm

特徴

ピンホール効果により焦点深度を拡張するレンズ。通常は優位眼に単焦点、非優位眼にIC-8を挿入する。円錐角膜等の不整乱視眼に適している。米国AcuFocus社製。米国からの直輸入となります。

選定療養

×

累進焦点EDOF(焦点拡張)レンズ

球面収差を利用して連続的にピントの合う幅を広げるEDOF(焦点拡張)構造となっています。ピントを遠方と近方に振り分ける回折型と違い、特に遠~中までの見え方が自然で単焦点レンズと遜色ないコントラスト感度やシャープさ、夜間や暗がりでのハロー・グレアも出にくいため、夜間運転される方にも選択肢になり得るレンズです。

商品名構造&焦点エネルギー
配分
特徴選定
療養

ミニウェル

ミニウェル

構造&焦点

累進焦点
焦点拡張
∞~45cm

エネルギー配分

遠~中への連続配分

光学ロス
5~6%

特徴

球面収差を利用した累進焦点設計。他のレンズに比べてハローグレアが非常に少ない。他のレンズに比べて自然な質のよい見え方だが、手元の見え方はやや弱い(※初期の老眼のイメージ)。夜間の運転が必要で遠方・中間重視の方にお勧めのレンズ。イタリア SiF社製。イタリアからの直輸入となります。

選定療養

×

プレミアム白内障手術

FLACS(レーザー白内障手術)を用いたプレミアム白内障手術

FLACS(femto laser assisted cataract surgery)とは、フェムトセカンドレーザーによる白内障手術です。従来は術者の技量に委ねられていた前嚢切開(水晶体嚢に円形の窓を作る)、水晶体の核の分割、角膜の創口作成、乱視矯正角膜切開といった過程をミクロン単位の非常に精密な精度でおこないます。

これらの過程は白内障手術後の「裸眼視力を左右する屈折矯正の精度」を上げるために特に重要な部分ですが、FLACSにより「熟練した術者以上に非常に緻密な手術」が可能で、特に多焦点眼内レンズの効果を最大限引き出すことが期待できる技術です。

従来のマニュアル手術

  • すべての手術工程を医師の手で行う
  • 水晶体の分割などリスクが生じる
  • レンズの中心がずれやすく、多焦点レンズの見え方が低下することがある

従来のマニュアル手術

レーザー手術

  • リスクの高い手術工程をすべてレーザーで行う
  • 難易度の高い工程をレーザーで行うため、安全性が高い
  • 多焦点レンズの効果を最大限引き出す

レーザー手術

FLACSにさらに白内障手術ガイダンスシステムと術中収差測定診断ツールを組み合わせたプレミアム白内障手術では、さらに精度をあげることが可能となります。

従来の白内障手術プレミアム白内障手術
  • すべての過程を医師の手でおこなう。切開位置、方向、幅などの正確性は術者の勘や技量により左右される
  • 術中に屈折状態をチェックする方法がないため、眼内レンズは術前データから術者の経験や勘で選択

  • ×難易度の高い過程を手でおこなうことによるリスク。術者の技量で差がでる。
  • ×レンズの中心がずれやすく、多焦点眼内レンズの見え方が低下することがある。
  • ×術後の屈折ズレ、乱視のコントロールはいまいち
  • 手術費用は健康保険適応
  • 術中デジタルイメージガイドと、リスクの高い過程をレーザーがおこなうことでミクロン単位の精度の高い手術が可能
  • 術前データだけでなく、術中に屈折状態を計測し、世界中から集められたデータベースの分析結果を元にAIが最適なレンズ度数を提示

  • 難易度の高い過程をレーザーで器械が成業することにより正確で安全性が高い
  • 熟練した医師よりも切開がはるかに正確であるため、屈折ズレが少なくなる。
  • 多焦点眼内レンズの効果を最大限に引き出すことができる
  • ×手術費用は健康保険適応外で高額

プレミアム白内障手術システムのメリット

最新鋭白内障手術システムのメリット

  • 手術の正確性・安全性が格段に上昇
  • 術後の屈折(遠視・近視・乱視)のコントロールが良い
  • 多焦点眼内レンズとの相性が良い
  • 眼に対する負担が少ない

メリットの結果:術後に良い結果が得られやすい

FLACS(レーザー白内障手術)によるプレミアム白内障手術は健康保険適応外のため、いずれの眼内レンズを使用する場合でも自由診療となります。高額な費用が必要となりますが「値段が高くてもより安全性が高く、精度の高い手術を受けたい」といった方への選択肢となります。

選定療養と自由診療

2020年4月より、保険適応となる「通常の単焦点眼内レンズでの白内障手術の費用」に「レンズ代の差額」の負担だけで、多焦点眼内レンズ(※厚生労働省認可のレンズのみ)の手術を受けられることになりました。ただし、選定療養での多焦点眼内レンズ手術は「従来方法の手技で単焦点レンズのかわりに多焦点眼内レンズを入れるだけ」ということになります。

選定療養対象の多焦点眼内レンズでもFLACS(レーザー白内障手術)によるプレミアム白内障手術を選択される場合は選定療養が適応されず、全額自費負担の自由診療となります。

選定療養
従来方法による手術
通常のメスや器具を使用し、全ての行程を人間の手で行う従来方法での手術
自由診療
プレミアム白内障手術
FLACS(レーザー白内障手術)を含めた複数の機器を活用した精度や安全性の高いプレミアム白内障手術

費用負担の内訳

多焦点レンズを取り巻く諸事情

日本国内で選定療養に使用できる眼内レンズは厚生労働省の薬事承認を得なければなりませんが、それにはメーカー側に莫大な費用と時間がかかります。一方、米国ではFDA、EUヨーロッパ各国ではCEマークでの承認を受けることで複数の国や地域で多くの方に幅広く使用できるようになります。

各メーカーともに市場規模の小さい日本向けだけのために莫大な費用と時間をかけて薬事承認を通すメリットがないため、もともと日本向けの単焦点レンズを多く扱っていた米国企業(Alcon、J&J)の一部の多焦点眼内レンズだけが選定療養の対象として国内認可を取得しています。

そのため、多くの新しい高性能な多焦点眼内レンズが国内認可の申請がされないままとなっており「厚生労働省未承認の多焦点眼内レンズ」として、自由診療で対応するしかないという事情があります。

日本国内においては自由診療の治療を受ける場合、「保険診療や選定療養にあわせて別料金の請求することができない法律(※混合診療の禁止)」があるため、自由診療では全額自費負担の費用が必要となります。

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眼科先進医療研究会
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