放射能中毒の予防薬の働きをするといわれているヨウ化カリウムはNYでも売り切れになっているそうです

2011年3月11日に発生したマグニチュード9.0という世界最大級の地震とその後の津波によって破壊された東京電力福島第1原発から、大量の放射性物質が環境に排出され続けているようです。

地震発生の翌週の17日に、ニューヨーク(NY)在住の友人G氏(『「ホームレス大国」への道』でご登場いただいた「日本人会社員」です)から電話をいただきました。G氏によれば、テレビのニュース番組では、NYでも東電の原発についての情報ばかりが放送されているとのことでした。

そのときのG氏の話によると、放射能中毒の予防薬の働きをするといわれているヨウ化カリウム(potassium iodide、「安定ヨウ素剤」とも呼ばれているようです)が米国の西海岸では売り切れになっているとのことでした。日本で問題になる前に、アメリカでは、予防薬が売り切れになるというのは、それだけ情報格差があることが一因になっているとみられます。さらに、米国では、ヨウ化カリウムは市販されているため、誰でも入手できますが、日本では、副作用があるとの理由で、一般人は入手できずに、地方公共団体が保管しているようです。

日本でもそのうちこの問題が浮上すると思ったため、G氏にNYで入手可能なら、買ってもらうようお願いしました。ところが、21日の月曜日に下のようなお返事をいただきました。


週末家の近くのDrug Store等で例のポタシアムIodide買おうと思っていましたが置いてなくて、今日マンハッタンのVitamin Shopへ行きましたら、なんとSold outだとのことでした。こちらでも買い占められたのか日本人が買ってしまったのか、TVで話題になったのでNew Yorkersが買ったのか在庫切れの状況です。悪しからずです。


今日は東京都の水道局の金町浄水場(問題88(食文化)でご紹介しました)から送られている水道水からヨウ素131が、規制値を上回る210ベクレル/kgも検出されたことが明らかとなりました。東京都と東京都水道局が真っ先にやらなければならないのは、おとなが飲んでも安全であることを強調したり、売れ残った「東京水」を、在庫処分のために、どさくさにまぎれて配布することではなく、乳幼児が甲状腺ガンにかかるのを予防するために、ヨウ化カリウムを大々的に配布することだと思います〔2011年3月23日〕。
・最初のページに戻る