問題88(食文化)の答え・・・1本の純米酒から(b. 10本)の酒(普通酒)が作られるそうです(『食品の裏側』の90ページ)。つまり普通酒には、10%程度の純米酒しか含まれていないことになります。

『食品の裏側』は食品添加物の専門家である安倍司氏が書いた、食品業界がいかに食品添加物に依存しているか、また、一般消費者は知らないうちに、自分が食べているつもりのもの以外のものや、大量の食品添加物を食べさせられているという実態を告発した本です。日本酒の場合も、純米酒以外には、醸造用(酒類用)アルコールが含まれていますが、一般的な清酒である普通酒の場合、上にも書きましたが、1本の純米酒から10本も作られるそうです。もし、その通りだとすると、普通酒に含まれる純米酒の成分が10%程度ということになり、清酒として飲んでいるものは、醸造用アルコールを水で薄めただけの「甲類焼酎」とほとんど差がないことになります。同書の『「米以外も使っているお酒」の作り方』(89ページ)によれば、清酒には、醸造用(酒類用)アルコールだけでなく、いろいろなものが添加されているようです。

「日本酒は米に米こうじを仕込み、さらに酵母を使って発行させてつくります。このときこうじが米のたんぱく質をアミノ酸に変え、うまみ成分をつくり出します。甘味、酸味など、それはそれは多様で複雑な味をつくり出すわけです。/これが本来の日本酒の造り方(純米酒)です。/しかし、このやり方ではコストも時間もかかり、市場競争には勝てません。/ではどうするか。/甘酒のように溶けたお米を、お酒と酒粕に分けるのですが、その前に「醸造アルコール(酒類原料用アルコール)」を加えて増量します。さらにはアルコールだけでなく、調味料も使用します。調味料として、「ブドウ糖」、「水あめ」、「グルタミン酸ナトリウム(化学調味料〔引用者追記:商品名は『味の素』、以下同様〕)」「乳酸〔酸味を付けるため〕」「コハク酸〔pH調整剤、うま味成分として〕」などを加えます。/つまり、純米酒をアルコールで増量したものをつくって売るのです。それが別名、「アル添酒」(アルコール添加清酒)と言われるゆえんです。」

以上で、答えの説明は終わりですが、以下では、清酒同様、一般消費者の認識と、実際の成分が大きく異なる食品の例を、『食品の裏側』からいくつかご紹介させていただきます。

(1)新式醸造しょうゆ(しょうゆ風調味料)

本物のしょうゆをつくるためには大変な手間と時間がかかるようです。「昔ながらのしょうゆの原料は、大豆と小麦、塩とこうじです。こうじからつくられた酵素が、大豆や小麦のたんぱく質をアミノ酸に、でんぷんを糖分に変えます。これがしょうゆのうまみの素です。/この「うまみ」は実に多様で、甘みもあれば酸味もある。こうばしい香りも出る。化学では解析できないぐらいの複雑な味が醸(かも)し出されるのです。/また、しょうゆの色はアミノ酸が糖の一部と結びついてできます。すべてがこうじの力だけでしょうゆをつくり出すのです。/手間もかかれば時間もかかる。出来上がるまでは1年以上かかります。これが昔ながらの本物のしょうゆです。」(80ページ)

これに対して、しょうゆと見かけと味は似ていますが、スーパーでの価格がしょうゆの半分から数分の1程度の「新式醸造しょうゆ(しょうゆ風調味料)」は、しょうゆのうま味の素であるアミノ酸の代わりに、大豆から油をとった絞りかすなどを塩酸で分解することによって生産されたアミノ酸をベースにしているそうです。ところが、この製法でつくられたアミノ酸には、当然ながら、しょうゆらしい味も香りも色もないため、いろいろな添加物が使われるそうです。

『まずグルタミン酸ナトリウム(化学調味料〔味の素〕)でうまみを出し、「甘味料」で甘みを付ける。酸味を出すために「酸味料」も入れます。「増粘多糖類」を数種入れてコクととろみを出します。色は「カラメル色素」で着色します。香りづけのためには、本物しょうゆを少々足します。日持ちが悪いため「保存料」も加えます。・・・本物しょうゆと見かけはそっくりではありますが、製法はまったく違う。・・・・味だって本物のしょうゆが持つ複雑なうまみにはとても及びません。煮物をつくれば違いは明らかです。』

しかし、ありがたいことに、本来の「しょうゆ」と「しょうゆ風調味料」を見分けるのは比較的簡単なようです。日本酒の場合の「純米酒」に相当する表示が、「丸大豆しょうゆ」で、こう書かれていれば、本物のしょうゆのようです。丸大豆とは、「大豆丸ごと」という意味で、大豆の絞りかすではないということを意味するようです。実際、パッケージに書いてある、「原材料名」を見ると、「丸大豆しょうゆ」の場合には、(1)丸大豆、(2)小麦、(3)食塩と三品目しか表示されていないのに対して、「新式醸造しょうゆ」の場合には、メーカーによって差はあるようですが、次に示す14品目が挙げられている例が示されていました(81ページ)・・・(1)脱脂加工大豆〔つまり大豆の絞りかす〕、(2)アミノ酸液、(3)ブドウ糖果糖液糖、(4)グルタミン酸ナトリウム〔味の素〕、(5)5'-リボヌクレオチドニナトリウム〔うま味調味料の一種で、かつお節と「しいたけ」のうま味成分を加えたもの〕、(6)グリシン〔調味料(清涼感を伴う甘みを持つアミノ酸)兼日持ち向上剤(好気性芽胞菌などの微生物に対する静菌作用がある)の一種で、通常の摂取量では問題はないとみられるものの、急性毒性試験で、呼吸筋麻痺による死亡例が、また、ラットを用いた発ガン性試験では、膀胱乳頭腫の発現が報告されているそうです〕、(7)甘草〔甘味料、生薬としても使われる〕、(8)ステビア〔植物を原料とする人口甘味料〕、(9)サッカリンナトリウム〔人工甘味料。米国、中国では大量に使用されているが、発ガン性が疑われているため、日本では使用量が制限されている〕、(10)CMC-Na(増粘多糖類)、(11)カラメル色素、(12)乳酸、(13)コハク酸、(14)安息香酸ブチル〔保存料、抗菌剤〕。

いくら見かけと味が似ていても、しょうゆ風調味料はしょうゆとは全く別の食品という気がします。

(2)みりん風調味料

「みりん風調味料」も、「みりん」と味は似ていても、中身はぜんぜん違う調味料のようです。日本酒の場合の「純米酒」、しょうゆの場合の「丸大豆しょうゆ」という表示同様、本物のみりんであることをを示す表示は、「純米みりん」で、「純米みりん」の場合、製品の裏の「原材料名」の表示には(1)もち米、(2)米こうじ、(3)米焼酎だけが示されているそうです(『食品の裏側』の86ページ)。ただし、「米焼酎」とは米と米麹だけから作られた日本酒(つまり「純米酒」)を蒸留して作られた、焼酎です。さらに同書の85ページには次のように書かれています。

「みりんは本来、(米)焼酎ともち米、米こうじでつくります。もち米と米こうじを焼酎の中で半年から1年ほど熟成させてつくります。この間にこうじの働きで、もち米のでんぷんがブドウ糖やオリゴ糖などに糖化され、さまざまな甘みが醸し出されます。アミノ酸や酸味や香りもつくられ、みりん独特の風味が生まれます。」

これに対して、みりん風調味料の原材料名には、(1)糖類(水あめ、ブドウ糖、果糖、液糖)、(2)調味料(アミノ酸等)、(3)酸味料(乳酸など)、(4)カラメル色素(メーカーによって若干の違いはある)と書かれており、米は全く含まれていないことが分かります。同書の86―87ページには次のように書かれています。

『「みりん風調味料」は・・・ただのシロップを添加物でみりん風に仕立て上げた「色つきシロップ」です。「みりん風調味料」と「純米みりん」は製造法が違うし、味もまったく違います。・・・例えば、サバの煮付けなどをつくれば、違いはすぐにわかります。「みりん風調料」で煮付けを朝つくったとすると、夜には色が飛んで、生臭くなってしまいます。一方、「純米みりん」ではどうか。2~3日経ってもピカピカ光っておいしそうです。生臭さもないし、煮くずれもしません。』

(3)コーヒー用クリーム

コーヒー店で、茶色や白の小さなプラスチックのパッケージに入れられて山積みになっていて、コーヒーを買った人は、好きなだけ使うことができるクリームのような味のする液体(メーカーによって、「コーヒー用クリーム」、「コーヒーフレッシュ」、「コーヒーメート」、「クリーマ」などと呼び方が違うようです)は、サラダ油と水を混ぜ合わせて作られているそうです。つまり、ミルクもクリームも入っていないようです。同書の106ページによれば、コーヒーフレッシュは、「植物油(サラダ油)に水を混ぜ、添加物で白く濁らせ、ミルク風に仕立てたもの・・・が「コーヒーフレッシュ」の正体なのです。植物油を使うことで、牛乳や生クリームを使用するよりはるかに安くできる」そうです。

ミルクもクリームも入っていない「ミルク風サラダ油」であるにもかかわらず、「サラダ油」と表示しなくていいのは、食品衛生法に、「包装容器の(表)面積が30cm2以下のもの(立方体なら一辺が2.2cm、球形なら直径が3.1cm、正方形の封筒状なら一辺が3.9cm以下)についての表示等については省略できる」という規定があるためだそうです。ただし、小容器を詰めた大袋には、原材料を表示しなければならないようです。原材料表示の例が同書の108ページにのっていましたので、コピーさせていただきます。・・・(1)植物油脂、(2)カゼインナトリウム、(3)加工でんぷん、(4)グリセリン脂肪酸エステル、(5)増粘多糖類、(6)クエン酸、(7)クエン酸ナトリウム、(ただし、(6)と(7)は「pH調整剤」と「一括表示」、つまり2品目以上をまとめて表示することが認められているそうです)、(8)カラメル色素、(9)香料(ミルクフレーバー)(ただし、メーカーによって、原料には若干の違いがあるそうです)。つまり、「牛乳(ミルク)」、「生クリーム」は一滴も使われていないようです。

次に、コーヒー用クリームの作り方を同書107―108ページからご紹介させていただきます。

『サラダ油に水を混ぜて白濁させ、「ミルク風」にすると書きましたが、・・・普通の状態では水と油は混ざりません。そこで、・・・「乳化剤」を使用します。乳化剤というのは、界面活性剤のこと。これを入れると、あっという間に油と水が混ざって、ミルクらしく白く乳化します。/しかし、これではミルクらしいとろみがない。だから、「増粘多糖類」でとろりとさせます。乳化剤も増粘多糖類も「一括表示」ですから、何種類使われているかわかりません。/仕上げは「カラメル色素」。ごく薄く茶色に着色することで、いかにもクリームらしい色合いになります。日持ちさせるために、「pH調整剤」も入れます。クリームの香りの「香料」も入れます。』

この通りだとすると、コーヒー用クリームも、全くの「もどき商品」、「フェイク商品」であることが分かります。

(4)ミネラルウォーター

スーパーで売られている「ミネラル・ウォーター」の多くは水道水を機械で浄化して、ミネラルを強引に加えたもののようです。同書201ページではつぎのように指摘されています。

『・・・いまは水ブームで、スーパーではさまざまなミネラルウォーターが売られています。海洋深層水、活性水素水、還元水、イオン交換水、電気分解水・・・。普通の消費者にはあまりに複雑でどれを選べばいいかわからないほどです。・・・もちろん、水道水を浄化して売るのが悪いというわけではありません。ただ、あたかも「自然のミネラルウォーターだ」と誤解させてしまうところはやはり問題ですし、そもそも私としては、・・・自然の水を非加熱処理したものを飲みたい。』

私も同感です。問題35(食文化)答えでご紹介したように、フランスでは、広大な水源保護区域を持つ水源から採取した水を、加熱、殺菌せずに、添加物も一切加えずに、そのまま、パックしたものしか「ナチュラル・ミネラル・ウォーター(l'eau minerale naturelle, Natural mineral water)」と呼ぶことができません。ヴィッテル、ペリエ、エビアン、ボルピックなどのフランスのミネラルウォーターはすべてこの基準に基づいて生産されたものです。

これに対して、日本では、水道水をそのままパックして、「ミネラルウォーター」として販売できるようです。「農林水産省のガイドラインでは、「特定水源より採水された地下水」ということになっていて、原材料名や採水地、製造年月日などを製品に記入することを求めているが、それを遵守しているものはほとんどない、これでは中身がどうなっているのか全く不明である」そうです(問題35(食文化)でもご紹介した、『あぶない水道水』有田一彦著、三一書房刊)。なぜ、日本では水道水でも「ミネラルウォーター」として販売できるかと言えば、厚生労働省の「食品衛生法施行規則および食品、添加物等の規格基準の一部改正について」という省令で、「ミネラルウォーター類」を「水のみを原料とする清涼飲料水をいう」と定義されているためではないかと思います。一つの商品について、二つ定義があり、いいかげんな方の定義を使うと、勝手なことができるとなれば、安易なメーカーは、ゆるい定義を使って、水道水を高い値段で売ってぼろもうけをすることが可能になるというわけです。『あぶない水道水』の136―137ページの表に掲載されていた、日本の代表的な代表的ミネラルウォーター(安曇山水、六甲のおいしい水、南アルプスの天然水、きれいな水P2L、六甲の自然水の5銘柄)はすべて加熱・殺菌されており、フランスのナチュラル・ミネラル・ウォーターに匹敵する、基準でパックされたものはないようです。

(5)日本には直接飲める地下水源がほとんどなくなった

日本の水はきれいであるという神話がありますが、日本には、加熱または薬剤による殺菌をせずに飲める水が得られる、自然の水源はほとんどないようです。環境庁が選定した「日本の名水100選」でさえ、webで調べてみると、かなりの「名水」が加熱殺菌しなければ飲めないようです。これは、日本には水源を保全するための法律が、水源2法(水道原水水質保全事業の実施の促進に関する法律、特定水道利水障害の防止のための水道水源水域の水質の保全に関する特別措置法)しかなく、これらも、WHOが発ガン性を指摘したため一時問題化した、「トリハロメタン」だけを対象としているというお粗末な状態にあるためのようです(『あぶない水道水』の32―33ページ)。これに対して、ヨーロッパの都市ではきれいな水道水を確保するために、、パリで1,850ヘクタール、ミュンヘンでは、2,600ヘクタールなどと広大な水源地域を指定し、この中では、一切の経済活動を禁止しているそうです(ただし、1,000ヘクタールは10km2。『あぶない水道水』の35ページ)。

このように、日本では水源の保護・保存がほとんど行われていないのは、自民党金権政権の金づるだった公共事業と、水源の保護が矛盾するためのようです。その例を『あぶない水道水』からご紹介しましょう。(1)水源ダムのド真ん中で、リゾート事業と称した開発事業を展開、(2)浄水場の取水口のすぐ上流に、下水処理場や屎尿処理場の排水口を設置(私の記憶では、東京都の東半分に住む都民が飲んでいる水道水を供給している金町浄水場の取水口のすぐ上流には松戸市の下水処理場の排水口があったと思います。同じような関係が、大阪府と京都府との間にもあります)、(3)水源上流に産業廃棄物処理場やゴルフ場を許可・運用(この点については、問題64(社会)答えをご参照ください)、(4)水源地域の大規模埋め立てや開発事業の推進など(23―24ページ)。

この機会に2004年9月に写した、金町浄水場の取水口の写真をご紹介しましょう。最初の写真は旧江戸川に二つある取水口のうち、下流側の取水口を写したものですが、水が濁っているだけでなく、泡立っているのが分かると思います。


下の写真は、二つの取水口の上流側の河岸です。こんな場所から取水しているため、「高度浄水処理」をしなければ飲めたものではないことが理解できると思います。ここの水を味わってみたい方のために、処理後の水道水から、残留塩素を除去した水をボトルに詰めた『東京水』が東京都から販売されているそうですので、ぜひお試しください。


そんなわけで、まともな地下水源のない日本では、ミネラルウォーターの大半は水道水を多少加工処理したものにならざるを得ないようです。アルカリイオン水、パイウォーター、海洋深層水、活性水素水、還元水、イオン交換水、電気分解水、バナジウム天然水などという、もっともらしい名前の水が多数市販されてれいますが、これらはすべて「まゆつば」で、水道水を高く売るために訳の分からない処理をしたり、成分を追加しただけだと思って間違いありません。これらごまかしに惑わされずに、ミネラルウォーターの唯一の評価基準を、きれいな水源から直接採取した水であるかどうかだけにすると、水道水を原料費の何千倍―何万倍もの大金を払って飲むような無駄は省けると思います。

(6)食品添加物の見分け方

最後に原材料の欄に表示されている食品添加物を見るときに参考になる表を『食品の裏側』からご紹介します。まず、(表-1)「一括表示の例」は、いくつかの添加物をまとめて表示することができる場合の、「一括名」、一括表示されている可能性のある物質名、その使用目的を示しています。この表を見ると、例えば、「pH調整剤」は、変色・変質を抑えるため(つまり、持ちを良くするため)に加えられていることが分かります。同書の112ページによれば、一つの食品に4―5種類の「pH調整剤」が使われるのが普通で、それくらいいれないど、pHの調整効果が出ないそうです。

(表-1)一括表示の例

表示される一括名 物質名 使われる目的
1 イーストフード 塩化アンモニウム、塩化マグネシウム(「にがり」、1)、グルコン酸カリウムほか パンに使用し、イースト菌の働きを強める
2 ガムベース エステルガム、グリセリン脂肪酸エステル、酢酸ビニル樹脂ほか チューインガムの素材
3 かんすい 炭酸カリウム(無水)、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムほか 中華めんに歯ごたえと色・風味をつける
4 苦味料 イソアルファー苦味酸、カフェイン(抽出物)、ホップ抽出物ほか 食品に苦みを与える
5 酵素 アガラーゼ、アクチニジン、アクロモペプチダーゼほか チーズや水あめの製造や品質の向上に使う
6 光沢剤 オウリキュウリロウ、カルナウバロウ、カンデリラロウほか 菓子などのコーティング
7 香料又は合成香料 アセト酢酸エチル、アセトフェノンほか(及び天然香料) 食品にいろいろな香りをつける
8 酸味料 アジピン酸、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、乳酸、ビタミンC(V.C、アスコルビン酸とも表記)、コハク酸ほか 食品に酸味を与える
9 軟化剤(チューインガム軟化剤) グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール チューインガムの素材柔らかさを保つ
10 調味料(その構成成分に応じて種類別を表示) アミノ酸:L-アスパラギン酸ナトリウム、DL-アラニンほか、グルタミン酸ナトリウム、天然系調味料(たんぱく加水分解物、○○エキス類など) うまみをつける
 調味料(アミノ酸)、調味料(アミノ酸等) 核酸:5'-イノシン酸二ナトリウム、5'-ウリジル酸二ナトリウム、5'-リボヌクレオチドニナトリウム、グリシンほか うまみをつける
 調味料(核酸)、調味料(核酸等) 有機酸:クエン酸カルシウム、クエン酸三ナトリウムほか うまみをつける
 調味料(有機酸)、調味料(有機酸等) 無機塩:塩化カリウム、リン酸三カリウムほか うまみをつける
 調味料(無機塩)、調味料(無機塩等) うまみをつける
11 豆腐用凝固剤又は凝固剤 塩化カルシウム、塩化マグネシウム、グルコノデルタラクトンほか、水酸化カルシウム 豆乳をかためて豆腐にする
12 乳化剤 グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルほか 水と油を均一に乳化させる
13 pH調整剤 アジピン酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、フマル酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウムほか 食品のpHを調整し、変色・変質を抑える
14 膨脹剤、膨張剤、 アジピン酸、L-アスコルビン酸、塩化アンモニウムほか まんじゅうやクッキーをふくらませる
ベーキングパウダー、ふくらし粉 ベーキングパウダー、重曹 まんじゅうやクッキーをふくらませる

出所:『食品の裏側』(117ページ)

次の表は、同書の最後に載っている表で、食品加工に不可欠な添加物(第1グループ)から極力避けたい添加物(第4グループ)まで、危険度に応じて添加物を4グループに分類してあります。本に載っていた表には、各グループごとに、添加物が列挙されていますが、下の表では、見やすさのために、添加物名をアルファベット・あいうえお順に並べて、グループ名を右に書きました。

(表-2)加工食品のウソ・ごまかしを見抜く「安倍式」添加物分類表

特徴 コメント
第1グループ 食品加工において不可欠な添加物 歴史的にも長く使われており、安心感がある
第2グループ メーカーにとっては比較的簡単に外しやすい添加物 入れなくても問題ないが、食品の色・味・量をごまかすために使われることが多い。加工食品のウソ・ごまかしを見抜くうえで、最も注意しなければならないグループ。
第3グルーブ 加工上、簡単には外せないが、メーカーの努力次第では、外せる添加物 ただ、外すためには消費者も「色が少々悪くなる」「値段が高くなる」といったデメリットを理解する必要がある。
第4グループ 毒性が高く、使用基準も厳しく定められている添加物 天然に存在しなのものばかりで、安全性を疑問視する声もあり、極力避けたい
添加物 グループ
5'-リボヌクレオチドナトリウム(化学調味料) 2
BHA(酸化防止剤) 4
BHT(酸化防止剤) 4
CMC(増粘多糖類) 2
GDL(pH調整剤) 3
OPP(防カビ剤) 4
TBZ(防カビ剤) 4
青1(合成着色料) 4
青2(合成着色料) 4
赤102(合成着色料) 4
赤3(合成着色料) 4
亜硝酸ナトリウム(発色剤) 4
アスコルビン酸ナトリウム(色調保持剤) 3
アスパルテーム(合成甘味料) 4
アセスルファムK(合成甘味料) 4
アミノ酸(化学調味料) 2
安息香酸ブチル(合成保存剤) 4
エキス類(天然系調味料) 2
カラメル色素(着色料) 2
カロチノイド(着色料) 2
かんすい(麺の品質改良) 3
甘草(甘味料) 2
寒天(ようかんをつくる) 1
黄4(合成着色料) 4
黄5(合成着色料) 4
キサンタンガム(増粘多糖類) 2
グアーガム(増粘多糖類) 2
クエン酸(酸味料) 2
クエン酸ナトリウム(pH調整剤) 3
クチナシ色素(着色料) 2
グリシン(調味料兼日持ち向上剤・・しょうゆの項参照) 4
グルタミン酸ナトリウム(味の素、化学調味料) 2
香料 2
コチニール(着色料) 2
コハク酸(酸味料) 2
酢酸ナトリウム(pH調整剤) 3
サッカリンナトリウム(合成甘味料) 4
重曹(ふくらし粉) 1
白子たんぱく(天然系保存料) 3
水酸化カルシウム(こんにゃくを固める) 1
ステビア(ステビオサイド、甘味料) 2
ゼラチン(ゼリーをつくる) 1
ソルビトール(ソルビット、甘味料) 2
ソルビン酸(合成保存料) 4
ソルビン酸カリウム(合成保存剤) 4
炭酸カルシウム(麺の品質改良) 3
たんぱく加水分解物(天然系調味料) 2
ナタリン酸ナトリウム(品質改良剤) 3
にがり(塩化マグネシウム) 1
ニコチン酸アミド(色調保持剤) 3
乳酸(酸味料) 2
ビタミンC(V.C.、アスコルビン酸とも表記、酸味料) 2
ピロリン酸ナトリウム(品質改良剤) 3
ブドウ糖果糖液糖(甘味料) 2
プロピレングリコール(品質改良剤) 3
ベーキングパウダー 1
ペクチン化合物(天然系保存料) 3
紅こうじ色素(着色料) 2
ポリリジン(天然系保存料) 3
ポリリン酸ナトリウム(品質改良剤) 3
みょうばん(色調保持剤) 3
みょうばん(品質改良剤) 3
リシン(化学調味料) 2
リンゴ酸ナトリウム(pH調整剤) 3
リン酸塩(品質改良剤) 3

(2011年2月12日)。

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